安達郡大玉村 ”鈴木食堂”


一見、普通の民家の如き佇まいのサッシを開け入店、オーダーを車椅子に座るお婆さんに告げると厨房で息子さんが調理を始める。その間、接客や特に交わされる言葉は無く、ここは地元で”ブス食堂”の愛称で親しまる安達郡大玉村の鈴木食堂。

メニューはラーメン類のみ。息子さんは本宮市の鶏料理専門店”金丸本店”で修行をしたとのことで、金丸本店同様に鶏肉のチャーシューや鶏ガラあっさりスープからなる細麺。


今まで何度か書いているが、個人的に昨今の拘り過ぎやトンコツなどの背脂が浮いたラーメンはあまり好まず、知らず知らず昔々のラーメンの味を求めているのかも知れない

鈴木食堂のラーメンはスープに浮かぶ油が少なく、先に書いたようにクセのないあっさりした味は昔の記憶をふと呼び起こす。正直驚くほど美味いという訳じゃないが、何故か思い出した頃にまた食べたくなる味だ。


因みに麺が普通に比べると少ないかも知れず、男子であれば大盛(画像は大盛)を注文した方が良さそうだ。また休みは火曜日となる。


お婆さんが歩行困難になってから水はセルフサービスとなり、それでも店内の片隅で注文と会計の任に就く生涯現役の姿を見る度、何処か自分の母親の姿が重なり私も年を取ったというか、歌の文句じゃないけど人生って浪花節だよなぁ‥などと、スープを啜りながら思い遣る。


安達郡大玉村玉井町54