アナタハン

太平洋戦争末期。太平洋アナタハン島で起こったアナタハン女王事件を元にした1953年(昭和28年)の映画。ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督による日米合作といえる内容であるが、彼の意向により日本映画となっている。

詳しくは「アナタハン女王事件」、映画「アナタハン」を参照して頂くとして、31人の男と唯一の女性による孤島での生活、現代の草食男子であれば何ら問題は無いかも知れないが、想像しただけでエロスと無秩序の匂いが漂ってくる。


映画「アナタハン」の女王は根岸明美が演じる日下部恵子。根岸明美はこの映画がデビュー作となり、豊満な肢体で人気があったようだ。確かに166cmと当時の女性としては身長も高く、映画の中でも妖艶な魅力を感じる。

166cmと大柄で豊満でありながら引き締まった肢体で人気を集めたが「肉体派女優」と見られることを嫌って、演技を磨いて『赤ひげ』『どですかでん』などに出演。「演技もできる」妖艶な魅力を持った女優として人気を博した。男性の中のちょい悪役の西尾を演じるのは、後のウルトラ警備隊のキリヤマ隊長こと中山昭二。


映画の内容は事件を忠実に再現したものではなく、英語によるナレーションが物語りを進展する。初めの頃は上官を中心に日本人としての規律を持って生活していたが、ある日ジャングルの中で敵機の残骸を発見。残骸の中にあった二丁の拳銃の存在=権力の象徴となり、恵子を巡って殺し合いが始る。
そして繰り返し続く殺し合いの幕引きを行うべく拳銃を海に捨て、くじにより恵子の亭主を決めようとするが、それに嫌悪感を持った恵子は逃亡し米国船に救助される。


事実では全ての揉め事の根源である女王を殺害しようとなり、自らの危機を感じ取った女王”比嘉和子”は島内を逃亡し米国船に救助されるのだが、帰国した和子は世間の注目の的になり「アナタハンの女王」「女王蜂」「三十二人の男を相手にハーレムを作った女」などなどアナタハン・ブームが起き、やがてはストリップの舞台にまで上がるようになる。
和子本人が出演した映画「アナタハンの真実はこれだ」などもあるのだが、マスコミや興行主に利用され各地を転々、世間の嘲笑の中で次第に忘れられていった。


因みに2010年に木村多江、窪塚洋介らが出演した「東京島」という映画があるが、これも「アナタハン女王事件」を題材にした内容となっている。


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