2015/05 撮影記

●03日 いわき市高倉町 海雲山高蔵寺

樹脂の香に朝は悩まし」~ F8・SS1/3・ISO200・C-PL ~


今春の桜は各地開花が一週間から10日早く、GW中に予定していた場所に行かず仕舞いとなった。先々月ロケハンで訪れたいわき市高倉町鶴巻の高蔵寺ではシャガの花が群生しており、今年の桜同様に終わってしまったかと思いながら行ってみると、蕾はまだまだ数多くある状態であった。ただ花が咲く時期は初めてなので、今の状態が最盛期というか満開なのかはちょっと不明。


三月のロケハンで方位を確認、朝陽が射し込むであろうと予想し03:30出発、到着は05:30頃、ちょっと肌寒く先客は居なかった。陽が登る迄は杉木立の中で日陰の状態となり、草々の状態もフラットでディテールもはっきりする。併しながらこの状態だと面白味がなく陽の射し込みを待つ。待つ間に構図を決めるべく立ち居地を色々と変えてみるのだが、三重塔の後ろに観音堂があり祈祷受付所の建物がどうしても邪魔になる。シャガの花をメインに捉えるなら背景の建物は気にならないと思うが、風景として作画するにはなるべく写らない構図を意識した。


使用したフィルターはC-PL、効かせ過ぎると葉が艶消しになってしまうので効果は程々にし、刻々と変わる陽射し合わせ露出を合わせながら撮影した。逆光なので当然ながら空などは白トビとなるが、水流の白トビと異なりある程度の補正は効くので気にする必要はない。後に画像を見るに最大の欠点というか、風景として意識し過ぎたためシャガの存在が小さくなり、それがシャガかどうか分からない状況になってしまった。来年も訪れる機会があれば、その辺りを重点的に作画してみようと思う。


●09日 那須塩原市塩原 竜化の滝

秘 境~ F8・SS1/5・ISO200・C-PL+ND4 ~


那須塩原市塩原字東山国有林にある竜化の滝に初めて行ってみた。ネットなどで画像を見ると山間に落差のある形状をしており、観瀑台が設置されているとのことだった。国道400号線沿い竜化の滝駐車場があり、凡そ700mの遊歩道を歩く。遊歩道は吊り橋、木橋、そして木道などなど整備がされており、行きは登りながらアクセスは比較的楽である。
歩いていると新緑の美しさもあり、時折りハッとするような光景が目の前に広がり、言い換えると遊歩道がなければ崖を登ったり渡渉したりと難儀なコースになると思う。観瀑台は屋根があり滝の水飛沫を避けられ、雨が降っていても撮影が可能な環境となっている。


竜化の滝は三段からなる構成となっており、全体像の画像を多く見かける。その全体像を取り合えず撮影はしたが、個人的には上側二段の景観に惹かれ、此処までの道程で感じた秘境をイメージして撮影を行う。各NDフィルターを装着し水の表情と露出を探ったのだが、滝周囲の葉々のブレなどを考慮するとC-PLとND4使用SS1/5秒~1/8秒が適切だと判断、絞りはF8~F10とし秘境を連想する明暗差はISO感度の変更で画作りを行った。
塩原温泉や那須町周辺には三月に行った乙女の滝など多くの滝があり、可能な限り周る予定であったが生憎の雨に竜化の滝のみで帰宅する。


●20日 耶麻郡猪苗代町 達沢不動滝

山の玉響さらさらり~ F10・SS1.3・ISO200・C-PL+ND8 ~


仕事の合間が出来、午後から達沢に行って来た。目的はGW中には早かった滝前の楓であるが、ちょっと遅かったか葉は既に多い状態となっていた。更に今日は朝から風が強くその楓の葉が大きく揺らいでいる状態であり、暫く待つも収まる気配がないので動いたままの状態を撮ることにした。


個人的にこの滝はSS1/5秒~1/8秒辺りを基本としており、そのSSに合わせ周囲の明暗は絞りやISO、そして各フィルター類で調整するといった感じだ。併しながら止まぬ風と相俟って時折り陽が射し込み、ND4を取ったり外したりと些か面倒な撮影となった。後々の反省点としてブレる木の葉を主題にするのであれば、SSをもっと遅めにしても良かったのではないか‥いや、遅めにしたからといってブレの表情はその時その時のタイミングであるなどなど、色々と思うところが数々ある。


●23日 河沼郡湯川村

夜に急ぐ空の訳~ F8・SS1/25・ISO400 ~


会津市内周辺でドアミラーを覗くと西側の空が赤々と燃えている。これはと思い車を停めカメラを手にする。幸い田んぼがあり空の反射も構図に取り込むことが出来た。咄嗟のことなので手持ちでややISOを上げた撮影となった。
所でPCのモニターによって色彩の再現性が異なる。今回の夕焼けの赤も然りで私がメインで使うモニターは言葉通り燃えるような赤となっているが、他のモニターだとオレンジっぽく見えてしまう。各々のモニターの色調を統合するにはとある機材を使うのだが、これが少々お高く一般的ではないというか私も持っていない。従って自分の撮った写真とその場の色彩を元に調整する必要がある。


●30日 いわき市常磐藤原町 川上渓谷 ~ 同久之浜町 弁天島

水 彩~ F8・SS1/3・ISO200・C-PL ~


川上渓谷には奥滝という滝があり何度となく訪れているのだが、なかなか思うような画が撮れない場所でもある。いつもは冬季に来ることが多く葉が茂る頃は二度目くらいか、現場は時折り滝の所々に陽が射すものの完全に日陰となり独特の色彩と世界観があった。
減光フィルター類を使うことなく撮れる暗い環境だが岩場の照り返しを除去するためにC-PLを使用、C-PLだけでも低速SSとなってしまい装着せずにもっと早いSSで水流を表現すれば良かったと反省する。


@タイトルをクリックするとフォト蔵の大きな画像(別窓)が開きます。