2015/10 撮影記

●04日 いわき市小名浜字渚

月を撃つ ①~ F8・SS15・ISO200 2Picture Composite ~


月を撃つ ②~ F8・SS15・ISO200 2Picture Composite ~


風は陸地から海に吹き煙が形よく棚引いている。露出はSSの調整がメインとなり、煙の形を姿良く捉えられるタイミングを待つ。構図は下から見上げるようになり、三脚の脚部の手前側をかなり縮めてフレーミングする。WBは暖色系が好みなら日中の5000kでも構わない。ただ個人的にはその暖色が色かぶりのように見えてしまい、通常は3000k~4000k周辺を選択することが多く今回upした画像は3450k。
撮影中、煙突を眺めていると英国のKevin Ayersによる実験性とポップの融合を極めた70年の傑作「Shooting At The Moon」が頭に浮かび、先月撮影したスーパームーンの画像を再利用する構想がタイトル共々既に出来上がり、結果的にとてもあざとい画となってしまったが二枚をブログにupした。因みに今回は蛍の合成などで使用する”SiriusComp”を使用。


さて夜景を長露光で撮る場合、照明が明るくフレアが生ずることがある。これはレンズの性能が大きく関わってくるのだが、私が使うような一般的なレンズは後にフレアを修正する必要がある。一枚目の「月を撃つ」では左側ライト光芒付近のフレアを取り除くことが出来ずそのままとなっている。


●08日 テーブルフォト

十月の存在~ F8・SS8・ISO200 ~


伊達郡国見町の泰衡ヶ蓮、昨年末は土の上に転がった花托を撮影したのだが、自宅で色々と撮ってみようと茎の付いた花托を拾ってきた。数日の乾燥後、あまり経験のないテーブルフォトに挑戦してみる。とはいえ特殊な機材などは無く、取り敢えず黒い生地と蛍光灯スタンドを用意する。


卓上に生地を広げ花托を配置するのだが、これがとても難しい。バランスや方向などなど、いつしか面倒になって適当に放り投げるような有り様になってしまう。照明は茎側から4m離れた場所に天井の蛍光灯、花托の先には用意した蛍光灯スタンドを設置しスタンド下部を照らす。レンズは室内で立ち居地が確保できず一般的な標準ズームを使用。
色彩的なこともあり撮影時よりモノクロを選択。後のレタッチは暖色と彩度にてセピア加工し、花托の所々に微小な赤味を加えた。カメラのモニターで見ると画像左上が白トビを起こすが、水流の白トビ以外は黒ツブレ同様あまり気にしない。


●12日 耶麻郡北塩原村 大山祇神社

悠 久~ F8・SS30・ISO100・C-PL+ND400 ~


只見線沿いなどなどをロケハンしながら裏磐梯へ向かう。裏磐梯は耶麻郡北塩原村大字桧原字苧畑沢”大山祇神社”の湖底に沈む鳥居だが、先月訪れた際と同様、頭だけが出た状態だった。午前中の晴天とは打って変わり次々と厚い雲が流れ、その雲の狭間から覗く夕陽がとてもドラマチックであり、自然が長露光で撮れと囁いているようだった。


早速長露光撮影を開始、最初はND100を使用したが雲の流れを再現できずND400と交換、ISO100と30秒の露光で良い形状の雲の出現を待つ。16:00を過ぎ、刻々と暗くなる中で冷たい風が吹き小雨も降ってきた。気付くと身体がだいぶ冷え込んでいたので撤収、朝夕は冬のジャンバーを用意しておく必要があるようだ。因みにupした画像のタイトルは撮影中から頭にあり、移ろい行く時の流れをイメージしていた。


帰宅後確認すると全体的に暗めとなっており、ISO100は下げ過ぎだったかも知れない。従って明暗調整を行うのだが、長露光は光の具合によって微細なレタッチでもプチHDRのような趣きになることがある。「悠 久」に於いては空に赤味を少々加え手前側を明るくした程度なのだが、異空間の世界のような雰囲気になったと思う。


●18日 耶麻郡磐梯町 磐梯吾妻レークライン

露寒に山は彩る~ F8・SS20・ISO200・C-PL+ND400 ~


秋元湖の朝霧を見下ろす磐梯吾妻レークラインへ出かける。出発が予定より遅れ現場に到着してみると、多くの三脚が並んではいるもののそれこそ雲行きが芳しくなく、背景の磐梯山は隠れてしまう曇天模様。
その景観に殆どのカメラマンは諦め帰り始めたが、私ともう一人だけが居残る。暫くすると雲が流され程良い霧が漂ってきた。その霧の様相が今日は些か変わっていたというか、ホワイトアウトするまで立ち込めた後に消え去り、またまた発生を繰り返していた。居残ったことが良い結果とはなったが、相変わらず背景に磐梯山は現れず見下ろす山間をフレーミングする構図となる。


確固たる被写体・主題があれば別だが、霧は発生具合によって構図が大きく変わること多い。今朝の霧は動きがとても早く、思うように立ち位置が決まらない。更にはその動きにより刻々と露出やフィルターの選択が変わってくる。ブログにupした画像は所々に霧が立ち込めた初期状態であったため、ND400を使用し霧の動きを捉えてみた。その後は右画像のようにホワイトアウトとなってしまい、撮影としてのタイミングは一瞬であった。


先に書いたように背景の磐梯山が見えていれば‥それは次期のお楽しみに取っておこう。そして居残ったもう一人だが、色々と話してみると奇遇というか何というか身近に住む方であった。


●25日 大沼郡金山町 第四只見川橋梁+etc

423D~ F8・SS1/80・ISO400・C-PL ~


国道252号線を通る度いつも眺めてはいたのだが、撮影場所に立つのは今回が初めてとなる第四只見川橋梁。今回は橋の上からではなく線路脇の斜面からの撮影。この時期、始発はまだ暗いので7時台の上下二本を撮ることにしたのだが、先頭車両にはライトが灯っていることに後々気付き、此方側が先頭車両になる下りをupした。


場所決めを行っている時点では陽が当たらずフラットな状態であった。併し刻々と陽が射し込み二本目の下りが通過する頃には鉄橋や線路が輝き出す。従って本来は使いたくないのだが反射を避けるためC-PLを装着。只見線はスピードが遅いので1/100前後のSSと判断、そのSSと周囲の明るさに適したISO感度を選択。後に車両と線路周辺の明暗、そして傾きを修正。
この撮影地の最大の難関は二本の電柱、今回の立ち位置はその合間に三脚を立てた。この位置からだと必然的に縦構図になってしまうのだが、正面から横構図で撮ろうとするとどうしても電柱が邪魔になりそれが残念。


秋 径~ F8・SS1/125・ISO200・C-PL ~


大沼郡昭和村大字小野川のしらかばの杜、昨年は旧喰丸小学校のイチョウの時期に合わせた為、しらかばの杜の紅葉は既に終わっていた。今回、白樺は落葉しているが、それでも左画像のように赤い楓が所々に残っていた。
さて今日は晴れ間と曇りが短時間で入れ替わり小雨が降って更には風が吹く。しらかばの杜に来てからその傾向が尚のこと顕著になり、露出の調整が追い付かない。従って構図を決め天候の回復を待ってシャッターを切るようになるのだが、風を利用しブレる葉や枝の撮影も行ってみたものの結果としてイマイチであった。ブログにupした画像は標準ズームのワイド側であるが、普段は持ち歩かない広角レンズがこの時ばかりは必要だった。


只見線第四橋梁の撮影もそうであったが、今日は陽光が射すとやさしくそして鮮やかな光彩となり、後のレタッチに於いて色彩の修正は殆ど必要がなかった。そして今日撮った画像は何故だか全くタイトルが浮かばず、ブログにupする際に四苦八苦。単に車両番号だったりする第四橋梁の画像などは語彙力の欠乏を特に感じた次第。


@タイトルをクリックするとフォト蔵の大きな画像(別窓)が開きます。