2015/11 撮影記

●01日 南会津郡下郷町 観音沼森林公園+etc


南会津郡下郷町南大字倉沢”観音沼森林公園”へ早朝より出向く。既に紅葉は終わりとの情報は得ていたが、元が天邪鬼というか此処の散り際の光景が好きで毎年今頃訪れる。昨年は11/02に訪問、多くは散ってしまったが今年は葉々がまだ各所に残っていた。
その後、石川郡平田村大字中倉字菅田”山鶏滝”、東白河郡鮫川村大字渡瀬字前ノ沢”江竜田の滝”と周る。これも昨年と同じコースであるが、二箇所の滝とも昨年より紅葉の色付き具合は遅れていた。午後はいわきへ向かい凡そ500kの走行となった。


冬 隣~ F8・SS1/20・ISO200・C-PL ~


最初に散り際云々と書いたが、散り際は閑散としているので条件の良い場所を探すのが先決となる。私の好きな位置は朝日が逆光となる立ち居地のため、太陽が昇り切る前に撮影を終えたい。C-PLを使用、露出は撮った画像を確認しながらSSを決めた。WBは敢えて日中の太陽光の数値でもある5000kを選択、僅かながら青味を残す。レタッチは全体的にコントラストと残る葉々の色合いを調整。


二見ヶ滝~ F8・SS1/8・ISO200・C-PL+ND8 ~


江竜田の滝とは久慈川支流の渡瀬川と大戸中川からなる渓谷の滝群を総称したものであり、江竜田の滝という滝はない。個人的にいつもはそうめんの滝ばかり撮っているのだが、先に述べたように紅葉の色付き具合が遅れており、いつもは蔓延る雑草などが邪魔になりあまり撮ることのない二見ヶ滝を正面からフレーミングする。
この時期は陽光が射し込まないのか、とてもフラットな色調と光具合の中で露出設定はとてもスムーズであった。フィルターはC-PLとND8を使用、撮ることのない理由の一つとしてこの滝の水流の表情を捉えることの難しさがあるのだが、いつもながら難易度高しである。


夕 照~ F8・SS1/50・ISO200・C-PL ~


今年の一月以来ぶりとなるいわき市岩間町輪山の高台。此処は佐糠町の常磐勿来火力発電所と小浜海岸を見下ろせる場所だが、狭い道を車が通るので三脚の脚を広げず一脚として使用する。一月に撮った画像はもっと寄った構図であったが、今回はやや引いてフレーミング、波の表情と浜辺のサーファーの位置を意識しながらシャッターを切る。C-PLで照り返しを調整、後のレタッチで赤味を強調する。


●06日 大沼郡昭和村 旧喰丸小学校


三日に家族と訪れたのだが、天候が芳しくなくイメージと異なる内容となったため日を空けて再訪。この廃校は度々書いているのだが2013年の映画「ハーメルン」の舞台として使用された。撮影後、行政側としては早々に取り壊しの予定であったが、現在も地元の総意により保存されている。
併しながら年々痛み具合が進行、ブルーシートで覆われている面積が増えてきた。それでも以前は板が打たれていた窓周辺の修繕などが行われているが、外観として気になるのは赤錆が進行している屋根、このままだと近々雨漏りが始まると思われる。


さて例年だと既に回収されているだが、11/01のイチョウ祭りで使用されたと思われる仮設トイレが校舎左側に置いてあり、必然的に構図は右側からのフレーミングになる。話が前後するがそれでもトイレ脇にあるポリ容器が隠れず、後にレタッチで修正した。因みにこの右側からのフレーミングは先程のハーメルンの劇中で印象に残る場面があり、トイレの有無に関わらず今回は右側を立ち居地にする考えであった。


秋 更~ F6.3・SS1/500・ISO400・DUTO ~


時折り強風でイチョウの葉が散って行く。今度はその風を利用し散る葉を撮れないものかと機会を伺う。早い露出が必要なので上記の設定とする。DUTOとはKenkoのソフトフィルターの中で一番効果が弱いタイプとなり、エッジの強調は望まないので使用してみた。強い風が吹くのを待ちながら連写でタイミングを捉えるが、これも結構時間を要す撮影となった。


●13日 二本松市郭内 霞ヶ城公園


この数年、近くでありながら機会を逃していた霞ヶ城公園へ行く。今年はその機会を逃さないよう数日通って色付き具合を眺めていた。天候は抜けるような青空という言葉が正にピッタリの空模様であり、言い換えれば輝度差をどう処理するかが難しい。ブログにupした画像の撮影箇所は洗心亭/霞池/丹羽神社となる。


秋陽溜ル」~ F6.3・SS1/50・ISO200・C-PL ~


朝陽が射し込む丹羽神社の裏手側。歩いている途中にその光景に惹かれ手持ちで撮影。手持ちなので面倒なことは行ってないが、C-PLで神社の屋根や紅葉の照り返しを抑えた。日向と日陰の構図は全体的にやや青味があり、後のレタッチは色調の補正を行い、更に明暗調整とコントラストを少々弱目にした。


●15日 田村郡小野町 東堂山満福寺


いわき市四ツ倉八茎へ逢瀬の滝を撮りに出掛けたのだが、予想通り九月の関東・東北豪雨の影響で道路が流されており無理せず引き返した。先月行った川内村”古熊山不動滝”同様、いわき方面の山間部は人知れず被害が残っているのかも知れない。帰路の途中、田村郡小野町大字小戸神字日向”東堂山満福寺”へ寄る。鐘楼付近の銀杏が石段に落葉し、なかなか風情があった。


秋時雨~ F10・SS1/6・ISO200・C-PL ~


到着後、撮影の準備を行っていると小降りだった雨が強くなり、右から左に霞のように流れて行った。チャンスを逃さずフレーミングもままならぬ内に撮影が出来たが、もしかしたら自然がプレゼントしてくれた一瞬の出来事であった。というのもそのあっという間の強雨の後は一気に晴れ上がり、強い陽射しによる輝度差でとても撮影を行える状態ではなかったからだ。


レタッチは広角による縦構図なので歪み補正を行い、コントラストと色調を整えた。因みに雨の中の撮影ではあるが、山門の軒下が立ち居地なので濡れることはなく、これも自然の恵みのように思えて来た。


●22日 常陸太田市 下滝+etc


常陸太田市折橋町”下滝”と東茨城郡大洗町磯浜町”神磯鳥居”、気付くと昨年と同じ日に同じコースを辿っていた。下滝はその時以来なので一年ぶり、大洗は九月ぶりになる。秋や冬に来る度こちらは矢張り暖かいのか、大洗に近付くに連れ薄着になって行く。ここ数年紅葉の色付き具合などなどが変だと云われるが、今回の下滝は正にその通りで緑の葉が多いものの既に散っており、いつもは滝に被さるように葉の数が多く、邪魔だと感じることが多々あったがとても寂しい限りであった。


晩秋滴ル~ F8・SS1/10・ISO200・C-PL+ND4 ~


さてその下滝であるが三段からなる立派な観瀑台があり、例年通りの葉数であれば昨年同様に中段からの撮影が適している。併し葉数の少なさ、且つ足元の雑草が構図内に入り込んでしまい思うようなフレーミングが出来なかった。従って上段から撮影した画像を二枚upしたものの、ここからの眺めは二本の大きな幹が中央を遮る。更にいつもは滝が隠れてしま程の葉数なのだが、今日は葉数が少なく眺めが良い。


構図内に手前側のものは入り込まず、絞りはF8を選択。他の露出や使用フィルターは滝撮りとしては一般的な選択。滑るように落ちるこの滝はSSを長露光にすると水の流れが潰れてしまい、その時の明暗によってはC-PLのみの装着で適することが多い。レタッチは特に面倒なことは行わず、コントラストを抑えそれに伴う明暗と色調補正を施す。


冬めく~ F10・SS4・ISO200・C-PL+ND400 ~


昨年は青空の下に清々しい海辺であったが、今日は曇天模様で時折り雲の流れが見えるといった空模様であった。併しながら撮影した画像は全体的に青味かかったような色合いになっていた。毎度のことながら海は波のタイミングを見計らうことが大事なのだが、個人的に長露光で撮ることが多く尚のこと待っている時間の方が多くなる。


撮影は波が引き岩場が露呈した状態を選んだ。理由としては冬へ向かう厳しさのようなものを感じたからだが、この辺りは個人の勝手な思い込みでもあります。レタッチは先の青味がどうも払拭できず、思い切りモノクロとした。また周囲のトリミングも行う。


●29日 相馬市岩子


03:00起きで相馬市岩子字坂脇に行って来た。最近相馬へはいわきから国道六号線で行っていたのだが、一年ぶりとなるのか国道115号線を使う。因みに115号線は九月の豪雨により所々が片側通行となっていた。到着は05:15頃、車内で暫し休んでいると少しずつ空が明るんできた、因みに文字島周辺の護岸工事はほぼ完成に近く以前の面影は無くなっている。


季冬ノ朝~ F8・SS30・ISO200・C-PL ~


撮影時間は05:35前後、要約AFが可能な明るさとなってきた。様々な画角及び露出で撮影を行ったのだが、上空の黒い雲が海に写りそれを避けたフレーミングとなってしまい、散漫な印象となってっしまった。そして刻々と変わり行く色彩はとても面白いのだが、この立ち位置は初めてなので今回はある意味ロケハンでもある。


レタッチは暗部を少々明るくした位で色調は補正していない。WBは5200kのままでとても綺麗な眺めであった。


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