カメラ製品販売不振

世界的にカメラ製品全般が販売不振のようだ。特に大きな売り上げを占めるコンデジ市場は2016年の前年度比で約40%減となり、Nikonは七年ぶりの赤字に転じた。理由は簡単でスマートフォンやタブレットの台頭だ。実際、何処へ行ってもコンデジで撮影する人は稀でスマホなどの所持率が圧倒的に高い。


以前はスマホなどのカメラ性能はイマイチであったが、高画素化、明るいレンズ、アタッチメントで装着できるレンズなどなど描写的に大差ない現状になり、コンデジを持つ必要性が無くなったと言える。実際のところコンデジもスマホ同様極一般的な撮影がメインとなってしまう訳だが、それがスマホなどの追随を許した要因だと思う。


つまりスマホなどにはない特化した性能が必要な訳だが、そうなればコンデジは尚のこと存在意義がなくなり重くて大きい一眼レフの類になってしまう。昔はその重さも性能の内とでもいうのか、構えた時の安定感も必要であったが、今はフルサイズのミラーレスもあるように軽量小型化が世の流れかも知れない。
仮にスマホがレンズ交換可能‥いや、交換せずとも現在のフルサイズ並の性能を持つようになれば、重さも性能の内などという遺物的な考えは無くなり、それこそ手軽に何処へでも持ち出せるようになる。とはいえ、個人的にはモノにはモノに適した大きさと重さがあると思っている。


さて今現在もスマホやコンデジなど手軽に何処でも写真を撮れる状況ではある。更にはネットという表現手段があり、日々星の数のような画像に溢れている。言い換えると次から次に消費されるコンテンツとなり見ることも面倒な状況だ。特にSNSやブログなどで変わり映えしない、同じような画像を何枚もupする行為に対し、呆れてしまうというのが正直な感想だ。


これも遺物的な考えなのだが例えば昔々、滝の写真を見たいとなれば写真集を買う、写真展に出向くなどであったが、見たいときにネットで見れる状況は今の音楽業界と同じで単に流されているだけだと感じる。その音楽を演奏するには相当な鍛錬が必要であるものの、デジタル化したカメラは全く知識を必要とせずシャッターを押すだけだ。

もしかすると10年後にはカメラ業界の在り方が大きく変わり、現在のデジタル一眼などはアンティークのカテゴリーに入っているかも‥と、長々とつまらないことを書いているが、結局何が言いたいのかといえば、簡単手軽といった行為には気構えという態度が希薄になり、写真に対する成長性はその殆どに於いて生まれないように思う。