河沼郡会津坂下町 ”食堂いしやま”

当世、会津坂下町の名物と云われる食堂いしやまの冷やしラーメン、何度か店の前を行き来したもののタイミングが合わず今回始めての訪問。

県道22号線沿いにある店舗。駐車場は店の両隣にあるが、置ける台数は少ない。客席は四人席テーブル×二卓、小上がり四人席×三卓。昔ながらの店作りであり、特に小上がり席で背中を合わせるとやや窮屈な印象。

メニューは古くからある町の食堂といった内容。手打ちソバがあり、中でもソバやうどんの定食とはどんなものかと興味が沸く。壁メニューには各ミニ丼が掲示され、すべてのメニューとセットで310円。

冷やしラーメンの由来。66年前からあるとは驚きです。冷やし中華とは異なるラーメンのスープが冷たいといったイメージだが、果たして如何なものだろうか。

冷やしラーメン @640円+大盛り @150円


涼しげに氷が浮いたスープは澄んだ黄金色。浮いてる油分は皆無。具はチャーシューとシナチク、そしてみじん切りの玉ねぎと至ってシンプル。


まずはスープを一口、端麗な中に醤油の程よいしょっぱさが口内に広がり、胃袋を刺激します。併しながらここから先が冷やしラーメンの難しいところだと推測するが、コクや深みが感じられず食べ進むと味に飽きが生じて来る。
温かいラーメンならば動物性の油で旨味が増すが、油は冷やすと固まってしまうため使えない。従って先述したようにスープには油が浮いておらず、チャーシューも脂分の少ないロースが使用されている。因みにそのチャーシューはシナチク共々味わい深かったです。

麺は私的に中太となり、冷麺と同様に冷やした中華麺はよく云えばシコシコ、悪く云えばゴムを噛んでる‥と、いった食感。


総体的に温かいラーメンを冷たくしたというイメージでは濃厚さやインパクトに欠ける内容であり、そのイメージから逸脱した上に成り立つラーメンと云える。つまり夏でも熱いラーメンや濃厚さを求める方には不向きだが、その評価は美味い不味いというより、個人の好みの違いが大きく反映されると思う。


河沼郡会津坂下町市中字二番甲3617 不定休