只見線 会津坂本駅の駅舎

只見線や奥会津の撮影の際、国道49号線の会津坂下IC入り口交差点から国道252号線へ向かうのだが、400mほど走行した左側に只見線の会津坂本駅があり、駅舎は一見しただけで貨車を改造・再利用したものだと分かる。

住所は河沼郡会津坂下町大字坂本字上新田丁33。上画像は国道252号線側から眺めたもの。貨車の再利用は老朽化した駅舎の再築・修復の際、当時大量に余剰となった貨車を活用するという経費節減のアイデアから生まれ、北海道、東北を中心に全国で採用された。

集落側から。塗装が剥がれ錆びた車体が露呈している。改造は有蓋車から車輪や連結器などの下回り、そして側扉も撤去し開放型の出入り口を設置、側面にはアルミサッシの窓を取り付けてある。向かって左側が待合室、右側は施錠された部屋で窓は無く中は見えない。


改造された貨車は多種多様でヨ3500形、ワム80000形などがあり、会津坂本駅に使用された貨車は”昭和40年、日立製作所-若松車両”の刻印があるワラ1形のようだ。

待合室と時刻表。沿線の町々は雪国だが夏は想像以上に暑く、当然冬は寒い。そんな厳しい気候の中で日に六往復しかない車両を待つのは大変なことだ‥とはいえ、それはもう昔の話しとなり、人も荷物も多くは自動車による搬送になってしまった。因みに2004年度の乗車人員は一日平均33人とのこと。


清掃や管理は近所の方がJRより依託されているのだろうか、近隣の塔寺駅の待合室も綺麗だった。このような駅舎をダルマ駅とも云うようだが、福島県内では唯一この会津坂本駅だけであり、何かしらの郷愁感というのか、新たなる原風景になっているのかも知れない。

さて記事中では駅舎と記したが、駅舎とは鉄道などの駅の建物とある。併しながら只見線の無人駅は会津柳津駅などを除き、殆どがトイレもない簡素な建物だ。確かに建物には違いないが、例えば同駅や郷戸駅などは待合室と記載した方が良いのだろうか‥。