東茨城郡茨城町 涸沼

09日(日)、気が付けば一月以来となる茨城県。福島県ははっきりしない空模様であったが、越県すると予報通り晴れて暑くなってきた。目的は涸沼の夕景なのだが、その前に東茨城郡大洗町磯浜町の神磯鳥居に立ち寄ってみれば、水着ではないが海岸を覆い尽くすほどの人出があった。

数回通い夕景を撮った場所は親沢公園キャンプ場付近だけであり、広浦公園キャンプ場や網掛公園、そして夕日の郷や涸沼ビューポイントなどを今まで以上に隈なく歩いてみたものの、結果として景観的にはどうしてもいつもの場所になってしまう。

それでも以前より気になっていた場所に車を停めてみた。立ち位置は涸沼の西岸に流れ込む涸沼川に掛かる県道50号線の橋の上。地名としては親沢公園キャンプ場のある東茨城郡茨城町大字上石崎と同じだと思う。


1/3のノスタルジア」~ F8・SS1/100・ISO100・C-PL ~


川横の溜り場に置かれた小舟。この先使われることはないのだろうか、近付くことが出来ないほどに水草が生い茂っている。橋上の歩道、欄干を使って三脚を立てたのだが、細い橋なので車両が通過する度に風圧があり長居はできそうにない。従って通常の露出で速やかに撮ることにした。


生い茂る雑草の様子から当初よりモノクロのイメージで撮影、縦ないし横とカメラを構え縦構図を選択した。涸沼には北へ帰れなかった白鳥が数匹おり、小舟の近くに二匹ほどやってはきたが配置がままならず白鳥を省いた画像をupする。


夕刻を待っていつもの場所に行く。この時期は初めてなのだが、定位置には雑草が蔓延っていた。舟や漁具は些か草臥れた様子というのか、日中の暑さが収まり吹き始めた涼しい風と相俟って朽ちたような姿が侘しい。

さていつも構図なのだが、夏季は落陽の位置が良くないということが分かった。画像のほぼ中央になる筑波山の左右に沈まないとフレーミングが思ったように行かない。昨年は九月の末に来ているが、秋の彼岸が過ぎてからが撮影に適した季節になるのだろう。また九月とはいえ太陽光はまだまだ強く、HALF NDを使用しても輝度差がかなり生じた。


sijima」~ F5.6・SS1/160・ISO200・C-PL ~


日没後に染まる夕景を期待するが、地平線には厚い雲が現れ太陽は隠れてしまった。従って被写体や構図を大きく変えた。この画像は日没時になると漁具に鷺が集まって来るのだが、動かないタイミングを見計らいその光景を切り取ってみる。


やや絞りを開け柔らかい表情をイメージするが狙ったようには行かず、何ら変哲のない内容となってしまった。水面の色合いは暖色を+補正する。


「暮レ泥ム」~ F8・SS1/1.3・ISO200・C-PL ~


足元が覚束ないほど暗くなり、帰り支度を始めた頃の撮影。先に朽ちたような姿が侘しいと記したが、日常的な光景でありながらカメラを通して現れる色彩がシュールだ。


低速SSにより水面は独特の雰囲気になるが、それと引き換えに舟の動きなども捉えてしまう。長露光撮影は動きのあるものの治まるタイミングを待っての撮影になり、その感覚というのか把握がなかなか飽きない要素の一つでもある。


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