只見川、川霧の息遣いを追う・・・午後の部

M.Hermitage

20日(土)。午前中は涼しさが先行していたものの、次第に湿度を肌で感じるようになった。気温そのものは高くないのに、じっとしているだけで汗が額に滲み、今年もいよいよそんな季節がやって来たのだと改めて思う。

さて、午後からは大沼郡金山町大字横田字山根にて撮影を行う。いつもの民家近くの線路沿いは雑草や低木の枝に埋もれており、毎年のことだが草刈り・枝切りを行う。とは云え鉈での作業ゆえ、仕上がりは下画像の通りだが、それでも見通しはだいぶ改善されている。


奥会津ヲ旅ス op.2」~ F10・SS1/400・ISO500 ~


車両は15:01通過の上り430D。線路に向かって左側の草刈り・枝切りを行ったのだが、視点を変えて右側に立つ。つまり今回の作業は役に立たなかった訳だが、ちょっとは運動になったと思いつつ、来週にはまた伸びていることだろう。地元の方かJRに由るものかは不明だが、綺麗に刈られていることもあるが、それはいつも夏の終わり頃だったりする。


標準ズームのワイド端によるフレーミングになるが、家屋が入り切れていない。とは云え広角レンズでは空の面積が多くなり、その選択が悩ましい構成かも知れない。併しながら広角レンズの場合、目の前に何かしらの被写体がないと面白い内容にはならなかったりする。


場所を移動し15:53通過の下り427Dを撮ってみたが、手前側の草刈りは行ったものの、いつもの立ち位置は胸元までの雑草により近寄れなかった。この時間であっても東側の空にちょっと赤味が射したのだが、思うところには届かずといった内容に留まる。

この日の最後は午前中の第五只見川橋梁に戻るが、立ち位置は国道252号線沿いの大沼郡金山町大字西谷字下川原になる。当日は夕方に雨が降るとの天気予報にこの場所を選んだのだが、その雨こそが午前の部で書いた”きっかけ”になる。


予報通り雨が降り出した。すると上流からゆっくりと川霧が流れ始め、次第に下流側で立った川霧と橋梁付近で重なり合う。下画像、18:49通過の上り434Dの頃は、まだ川面は隠れずに佳き景観には一歩及ばずだが、果たして15分後の下り便の際にはどうなるか‥。


川霧の静流を渡る鉄の路」~ F2.8・SS1/100・ISO800 ~


車両は19時04分通過の下り431D。川霧の動きを目で追いながら通過を待つ。直前まで一部の川面が露出していたが、凡そ一分ほどでその表情が変わり、川面はすっかり霧に覆われた。今回は結果良しとなった次第だが、その変化の速さには撮影の度に悩まされる。


川霧は水温と大気温の差、そして高湿度によって生じる。これらの条件が揃わないとき、適度な雨が“きっかけ”となり得る。最盛期のように生き物めいて蠢き回る立ち方ではなかったものの、この時の条件下でこれ以上を望むことはなく、静かにその景を受け取ることにした。


川霧はその後もしばらく緩やかに流れ続け、橋梁の周囲で形を変えながら漂っていた。日中の湿り気と夕刻の冷えが混じり合い、川面の呼吸がようやく整ったようにも見える。午前に感じた“きっかけ”は、こうして一日の終わりに姿を結び、僅かな時間だけ景色の輪郭を変えた。


思えば、この土地ではいつも同じようでいて同じではない景色が続き、此方の都合とは無関係に、ただ淡々と時間が流れていく。その変化の揺らぎを追い駆けるために、また此処へ足を運ぶのだろう。


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