のたりのたりと秋の海... 後編
13日(日)、後編。海沿いの県道などを走行しながらいわきへ南下する途中、ロケハンも兼ね双葉郡浪江町大字請戸字中島の請戸漁港周辺へ寄る。


上画像は震災遺構「浪江町立請戸小学校」。開館は09:30からなので今回は中に入れなかったが、震災以前はこの周辺に家々が立ち並び、30年ほど前は請戸川の鮭の簗場を数度訪れていたことを思い出す。下画像、請戸漁港から福島第一原子力発電所を望む。

「Fukuichi」~ F10・SS1/800・ISO200 ~
今まで撮っても記事以外でupすることはなかった。請戸漁港からは直線距離で6km程か、森林に隠れ煙突やクレーンだけが見える。町内の国道六号線沿いや海岸付近の避難指示は解除されてはいるが、こんな近くに廃炉作業が何年も続く原発がある現状に帰還する町民は僅かだ。

夕刻を待っていわき市久之浜町田之網字静の波立海岸展望台へ向かう。景色を眺めていると海岸を歩く人の声が聞こえてきた。よく見れば彼等は水着姿の外国人(白矢印)。確かに暑いと云えば暑いけど風は涼しいし水に入るような気温ではない。もしかすると北欧から来たのかと思いながらも言葉は英語だった。

「海の声を知りたくて」~ F10・SS8・ISO200・ND100 ~
此処では夜明けに何度か撮ったが夕刻は初めてとなる。内容としては背景の雲次第なのだが、秋晴れの日は雲が発生せず引いた画角で海面を多く撮り込むことにした。撮影時間は16:30。まだ明るさが残る時間帯なのでND100で海面の表情共々調整する。
日の入りは17:00頃。それから30分ほど様子を伺っていたがなかなか思うような景観にはならなかった。先述したようにそれらは雲の存在で大きく変わるとは思うが、此処では日没時より日の出時の方が良さそうだ。

波立海岸から小名浜渚で工場夜景を撮ろうと向かう。併しいつものサミット小名浜エスパワー株式会社が稼働しておらず照明も排煙もない。帰宅後調べてみれば、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの一環として2024/03をもって石炭火力発電所の運転を停止するとのことに驚き、私的撮影ポイントがまた一つ無くなったことが残念でならない。仕方なくいわき市平豊間字塩場へ戻り、いつもの灯標を撮ることにした。画像は塩屋埼灯台。

暗くなってからの撮影なのでフレーミングは暗中模索。ISO感度を上げる絞りを開けるなど、撮っては確認を繰り返しで画角や上下左右などなど構図を決める。

「わたしは夜に海をみる op.3」~ F10・SS395・ISO320 ~
この日は月夜で明るく、肉眼では船舶の光跡が分からない。従って双眼鏡で確認すると三隻が間を置いて右から左に航行しており、その航行速度では三隻全てが画角内を同時に通り過ぎるのは間違いない。経験上、数隻が同時に運行すると美しい形状にならない。
併し双眼鏡で見る限り各船舶は何れも同じような大きさ、且つ照明となっておりモノは試しに三隻全てが通り過ぎるのを待つことにした。結果は画像の通りだが、これはこれで上手くまとまったように思う。願わくば沿岸寄りを航行する船舶を撮りたいのだが、残念なことにこの日は暫く待っても新たな船舶の姿は確認できず撤収する。
さて朝夕は寒いくらいの陽気になってきた。この日、相馬での夜明け前にふとニット帽を被ろうと車内を探したが、手袋や襟巻きなどまだ準備していなかったことに気付く。あの暑かった夏は遥か彼方に過ぎ行き、今年もそれらを用意する季節になったのだと実感した。
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