鈍色の季節
22日(日)、当日の奥会津の天気予報は終日雪。ということで03:30起床で出掛けるが、この時間帯でも氷点下にはならず、猪苗代から奥会津までの降雪は極僅かだった。

起床及び出発が遅かったものの、大沼郡金山町大字中川字荻付の会津中川駅にて上り始発になる05:38発の422Dを撮ってみる。その最中から雪が降り出し風も強くなってきた。

明るくなり七時台の上り426Dは、いつもの大沼郡金山町大字横田字山根で撮ることに決めていたが此処でアクシデント発生。風雪が強くその中で準備を始めれば、唐突の突風に三脚ごと身体が飛ばされる。背後には山水が流れる用水路と1.5m四方の集水桝があり、その桝の鉄柵に背中を打ち付ける。暫し息が出来なくて立ち上がれなかったが、その鉄柵がなければ桝に転げ落ちて水死していたかも知れず、またカメラ機材は水没などがなく一安心。
振り返れば今年は二度の骨折、熊との遭遇などなど、危険と云うか一歩間違えば的な事柄が多くあり此処での撮影を断念する。ところでこの一帯、雪が解けずに残っており、そろそろ車での走行が出来なくなるだろう。因みに翌日になって身体のあちこちが痛み、家人が言うには背中に鉄柵の青アザが残っている模様。

そんな訳で安全に撮れる大沼郡金山町大字西谷字沖田の第五只見川橋梁へ向かう。安全とは云え歩道のない国道沿いからの撮影なのでそうは言い切れないかも知れない。此処では風は吹かないが雪は更に強くなり、橋梁の姿が隠れてしまいそうな勢いだ。

「厳朝ノ鉄路ヲ軋ム」~ F8・SS1/200・ISO400 ~
車両は07:57頃通過の上り426D。車両通過時は一瞬見通しが改善される。雪は景観を覆い隠すが、それは視覚だけではなく音さえ埋もれる。上り便の場合いつもは聞こえる本名第一踏切の警報音は耳に届かず、車両が近付いてから要約その気配を知る。

続いて第五只見川橋梁に近い、大沼郡金山町大字本名字下村の夏井川橋梁へ向かう。此処でも風は吹かず撮影は楽だった。雪が降るのは一向に構わないが、特に横殴りの風は厄介だ。

「Monochromeの刻」~ F8・SS1/250・ISO640 ~
車両は08:20頃通過の下り423D。時として降り方が強くなり、自分が立っている場所さえ見失いそうなホワイトアウトとなる。それは幻想的でもあるが、もしかして雪山なら誤って足を踏み外し滑落の原因にもなるのだろう‥と、そんなことを考える。

風雪は強弱を繰り返し、夜明け時より気温も下がってきたように感じる。各ポイントを周ってみたが中望遠レンズによる焦点距離だと見通しが効かず、大沼郡三島町大字名入字上居平の第二只見川橋梁を近距離から撮ることにした。

「鈍色ノ季」~ F8・SS1/250・ISO400 ~
車両は第五只見川橋梁で撮った上り426D、通過は09:16頃。降り続く雪と寒色の只見川の様子は正に鈍色の季節そのものであり、太陽が顔を出さなければ雪国はこんな灰色の世界がずっと続き、見ているだけでも身震いするような寒さが募る。
午前中はこの便がラストになり、周辺での次便通過は13:00頃になる。寒さの中でそれ迄の約四時間をどう過ごすか、これが只見線撮影に於ける最大のネックだが、真夏の酷暑よりはまだマシだと思う。

何だかんだで時を過ごし、河沼郡柳津町大字柳津字上村道上乙にて撮影する。一時雲間に青空が覗くなど小降りにもなるが、風雪は午後に向けて尚のこと強くなった。此処は11月の始めにS字の線路とススキを撮った立ち位置だが、近くの長倉街道踏切は冬季閉鎖となっていた。

「風雪の疎林を跨ぎて」~ F10・SS1/320・ISO250 ~
車両は13:17頃通過の上り428D。426Dの先頭車両は首都圏色のキハ110と既知だったので此処を選んだのだが、望遠寄りの画角は先述したように風雪でピントが合っているのか否かの判断が付かず、更には↓動画に記録されているように強風で三脚が動き、そんな状態下で撮った画像は非常に甘い描写となってしまった。最初はボツとするつもりであったが、現像時に強めにハイパス処理し、何かしら味がある画像になったのでは‥と、自画自賛。
428D撮影後、次便は傘などがなくても撮影可能な第三只見川橋梁に向かうが、三島町宮下の新宮下橋付近で真っ暗い地吹雪に遭遇し思わず車を停める。ちょっとずつ前進しながら朝のこともありこのまま先に進むのは危険と判断、無理をせず迂回して明るい内に帰ることにした。
さて三脚に傘を設置して撮影をしているが、横殴りの風雪だと機材はびしょ濡れになる。車に戻ってタオルで拭きエアコンをMAXで走行。帰宅後は細かい箇所の水滴を取り除き、カメラは各部の蓋を開き、そしてレンズはフロント及びエンドキャップを外した状態でカゴに入れて乾かしている。他には三脚やカッパなど暫くは玄関先に並ぶことになる。
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