秋様相、朝霧垂れ込む会津盆地

03日(日)、大沼郡金山町、中川集落の稲刈り状況を確認に行く。「一昨年」までははせで稲ワラを自然乾燥する風景があったのだが、昨年はそれが無くなり残念であった。そして今年、稲刈りは終わっているものの矢張りその姿はなく、またひとつ原風景が消えてしまったことを惜しむ。因みに私の住む近辺では木材で組んだはせを段ばせ、一本木で干す様式を一本掛けと言い、おそらく会津方面ではまた違った呼称があると思う。

さて一番の目的であった被写体にフラれ、第二の目的である大沼郡三島町大字名入字上居平の第二只見川橋梁へ向かう。というのも始発便通過の頃に朝焼けとなる季節となった次第だが、この数年天候に恵まれずだった。昨日の天気予報は晴れであり、今年こそはと期待したが残念ながら山霧に覆われていた。


秋から冬の未明から早朝、会津盆地では霧が発生し、市内に降る国道49号線では視界が遮られことが多々ある。この日は奥会津も濃霧となり、中でも柳津町周辺では川霧かと見間違うほどに垂れ込めていた。


「深遠なる」~ F8・SS1/160・ISO640 ~


車両は06:06頃通過の上り422D。いつもは中望遠にて橋梁中心に画作りするが、画像右側の写り込みと霧の具合が山水画のように見え、標準域でのフレーミングとした。併しながら列車通過の頃には霧が流れ始め、その様相は希薄となってしまった。


キハE120になってから車体の補正に気を遣うようになった。というのもドアの黄色や緑のラインがくすむと色彩感が乏しく存在感も希薄になる。特にドアの黄色は自然風景の中にあって差し色的役割りがあり、明るさや彩度を重視している。更にジェラルミン部分が暗いと色合いが沈みがちになり、これも同様に気になる部分だ。


第二橋梁撮影後、奥会津での撮影は断念し会津美里町方面へ向かえば、此処も見通しが利かないほどの霧に覆われていた。間もなく第二橋梁で撮った422Dがやって来るが、肉眼では凡そ150m先を通過する姿さえ見えない状況であった。


そんな塩梅に会津高田駅~根岸駅間を見て回れば、この辺りの稲刈りは1/3が済んだといったところか。従って線路沿いの稲ワラ干しの景観は422Dを撮った場所のみのようであり、結局そこへ戻ることとした。


秋 朝」~ F10・SS1/320・ISO200 ~


秋空は鈍色にして」~ F10・SS1/800・ISO200 ~


場所は何れも私的定番となる大沼郡会津美里町米田伍姓部。画像の左側は直ぐ根岸駅となる。「秋 朝」の車両は08:04頃通過の下り425D、「秋空は鈍色にして」の車両は08:33頃通過上り424D。「秋 朝」は「秋空は鈍色にして」同様に三脚にて撮るつもりであったが、この時間になっても見通しが芳しくなく、サブカメラ(手持ち)にて通過後を別構図で撮影。従って↓動画は425D、424Dともほぼ同じ構図となる。


「秋 朝」から約30分後「秋空は鈍色にして」の頃、要約霧は消え始めるも色合いは良くない。それでも重そうな雲を背景として撮り込み画作りする。二画像とも見通しは宜しくなくコントラストや明暗、そして車体色などを補正する。


最後は大沼郡会津美里町鶴野辺杉ノ寄乙の春日神社とした。鳥居の奥にカメラを設置し、その鳥居越しに10:06頃通過の上り426Dを撮る。この頃になるとさっきまでの霧は嘘のように晴れ渡り青空が広がる。加えて神社の木陰がちょうど良いような暑さとなる。


汽笛さえ清かなるかな神無月の空」~ F10・SS1/1000・ISO200 ~


本当は緑田ないし色付いた頃に撮る予定でいたのだが、稲刈り終了後となってしまった。最初横構図で画作りしていたのだが、列車通過間近に縦構図に変更した。午前中の便は全て影となるので、曇り空ないし午後の便が適しているのかも知れない。


気付けばこの数年、半袖を着る期間が長くなった。私自身四月から十月の凡そ半年は着ているだろうか。先述したようにこの日の撮影も最後は暑くなった次第だが、稲刈りが終わればいよいよ奥会津の秋は深まるだろう。


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