早春賦、会津平の風は冷たし

M.Hermitage

30日(日)、二週間ぶりに会津平へ向かう。その際の撮影記でも書いたようにこの冬は大雪により撮影の機会が減り、撮りたかった景観が撮れずに季節の終焉を迎える。

その景観のひとつは大沼郡会津美里町米田字根岸の根岸駅だ。朝焼けの中で始発の下り便を撮りたかったのだが、先述した大雪に加え天候にも恵まれなかった。そんな経緯の中でこの日も来てみたが次第に東の空は雲に覆われ、何より始発便の頃の太陽はかなり上空となる。

このような状況なので根岸駅の撮影は断念し、ほぼ同じ立ち位置からいつもの桧ノ目踏切方面を眺める。空が適度にピンクに染まり、そして立ち位置の違いにより構成が異なり目新しく感じた。会津平の雪はご覧のようにほぼ融け、残るのは軒下など日陰だけのようだった。


「春は名のみの風の寒さよ」~ F10・SS1/250・ISO400 ~


車両は06:31頃通過の下り423D。タイトルのように早春の景観ながら風は冷たかった。とはいえ土はぬかるみ、田んぼ脇の用水路には勢いよく雪解け水が流れる。そんな空気感の彼方に列車の前照灯が見え隠れすると次第にジョイント音が耳に届き、周辺踏切の警報音が鳴り始まる。興味のない人には理解出来ないかもだが、会津平でのこの時間が堪らなく好きだ。


今の時期は殺風景ながらその優しい陽射しに映える場所を探し、大沼郡会津美里町新沼尻の高田カーブに来てみた。この画像はコンデジで撮ったものだが春の光りは矢張り美しい。所で先週訪れた夏井川に白鳥の姿は無かったが、会津平ではまだ多くの姿が確認出来た。


「飯豊春景詩」~ F10・SS1/400・ISO250 ~


車両は06:58頃通過の上り422D。陽光が弱く飯豊山のコントラストや彩度などを補正する。夏になれば雑草で線路が隠れてしまう高田カーブだが、殺風景ながらもこの時期ならではの春景であり、軈てこの地を後にする白鳥の叙事詩が聞こえてきそうだ。


次便を何処で撮るか悩んだが、久しぶりに河沼郡会津坂下町大字船杉字南杉乙を訪れてみた。2009年の鉄道写真誌では、手前のビニールハウスや遠くのアパートなどが無く景観が良かった。そして三年前だったか赤矢印の電柱が立ち、上手くフレーミング出来ずに足が遠のいていた。その電柱をどう処理するか、まずは08:15頃通過の上り424Dで試し撮りを行い、凡その検討を付ける。因みに黄色丸部は蛭川踏切で会津坂下駅は1.3kmほど先になる。


「磐梯春譜」~ F10・SS1/500・ISO160 ~


車両は08:27頃通過の下り425D。色々と試行錯誤したが、空の面積を多くすることでビニールハウスをほぼ省くことにした。車両の直ぐ上には電線が架かっているのだが、光の具合なのだろうかあまり目立たずに済んだ。また右側の電柱が入り来んでしまうものの、これも現状ということで無理に処理などをせずそのままとした。


いつもは特徴のない空を多く撮り込むことを避けるのだが今回は致し方ない。とはいえややオレンジの色合いにより単調にならず助けられた。撮影中は全く気付かなかったのだが、帰宅後PCで確認するとおそらく北帰行だろうか、上空に数羽の白鳥の姿があった。


続いて大沼郡三島町大字西方字居平からの第一只見川橋梁撮影に向かう。雪融けが進んでいるだろうと想像したが、ご覧のようにだいぶ少なくなり、且つ硬く締められ埋もれることなく歩けた。とはいえこの周辺は会津平と異なり、人が入らない場所には多くの雪が残る。

車両は09:21頃通過の上り426D。撮るには撮ったが陽光が霞に乱反射し色調が全く宜しくない。背景の枯れ木もそれらに輪をかけ足を引っ張る。画像のようにモノクロにしてコントラストなどを+補正してみたが、今回のupは見送ることにした。426D撮影後、午後からの撮影のため会津平に戻ったが、次第に雨模様となり帰路に付く。


さて文中で何度も殺風景というワードを使っただが、確かに今は何処を見てもそんな状態だ。併しながら会津平はその殺風景な中に列車が加わると息を吹き返すような、そんな風に感じる。この日も各橋梁を主に撮らなかったのにはそんな理由がある。所で福島県側は会津若松駅と会津川口駅間での折り返し運転が続き、423Dと424Dは二連での充当運行になっていた。


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