大沼郡金山町「ひょっとこ亭」
国道252号線沿いに店舗を構える「ひょっとこ亭」。只見線の撮影で週末の度に店舗前を行き来しており、今回は約一ヶ月半ぶりの訪問になる。

旧家風の佇まいと、“ゴロチャー麺”の黄色い幟が目を引く。駐車場は10台ほど停められ、日によっては満車になることもある。開店時間は日曜が11:00からだが、それ以外の日は11:30からとなるので注意したい。尚、二軒隣には横田郵便局がある。


メニューは各種ラーメンが中心。奥会津という場所柄、食材の調達が難しいのか、野菜ラーメンや霧幻峡ラーメンなどは休止となっていた。私が初めてこの店を訪れたのは10年ほど前になるが、その頃に食べたソースかつ丼がとても美味かった。その後メニューから姿を消していたものの、ラーメン類とのセット用ミニ丼として復活しており、今回はそれが目当てだった。

店内はレトロな外観とは異なり明るい雰囲気。客席は四人掛けテーブルが三卓、小上がり四人席が二卓。カウンター席は未使用。水がセルフサービスなのは構わないが、卓上にコショウなどの調味料が置かれておらず、カウンターまで取りに行く必要がある点は気になった。

背脂らーめん @830円
着丼した一杯は、丼を覆い尽くすように広がる背脂が美しい。早速スープを啜ると、鼻をくすぐる節系の香りに続き、背脂のふわりとした旨味とサラリとした喉越しに、「これはいいぞ」と思わず心の中で呟いた。背脂の膜のおかげでスープは最後まで冷めにくく、再三書いているが、熱さも美味さのうちだと改めて実感する。

麺は中太のやや縮れたタイプ。多加水麺ならではの噛み応えとツルツルとした食感がある。個人的にはプツプツとした食感が好みだが、これはこれで悪くない。チャーシューはホロっと崩れる柔らかさで、味がしっかりと染み込んでいて実に美味い。ただシナチクは前回ゴロチャー麺を食べた時とは異なり、硬めで味がまだ染み込んでいないのが残念だった。

ソースかつ丼 @500円
期待のソースかつ丼。今となっては昔の味の記憶は無いけれど、サイドメニューのミニ丼でありながら、ソースの照りの美しさと存在感が際立つビジュアルだ。そんなことを思いながらカツを口に運べば、歯がなくても噛めるほどの柔らかさに驚かされる。
ソースは程よい深みがあり、しょっぱさが先行しがちな一般的なソースかつ丼とは一線を画している。ご飯は普通茶碗に一膳強ほどの量。キャベツもたっぷりでミニサイズながら満足感が高く、是非レギュラーサイズのメニューとして復活して欲しいと願うばかりだ。
只見線撮影の合間に立ち寄る「ひょっとこ亭」だが、奥会津の風景と共に私の中で欠かせない一軒となったようだ。休止中のメニューなどがあるものの、背脂の温もりと念願のソースかつ丼の味わいは、撮影中、北風に冷えた身体を優しく癒やしてくれた。
大沼郡金山町大字横田字居平640-1 月曜定休