朝の海岸にひとつの影

M.Hermitage

相馬市のカゲスカ海岸は、朝陽の撮影で足を運ぶことが多い場所だ。目の前には鵜ノ尾埼灯台があり、夜明けの景色が美しい海岸でもある。先日、撮影目的ではなかったが家人と訪れてみた。すると、砂浜に大きめの物体が横たわっているのが目に入った。

近付いて確認すると、それはウミガメの亡骸だった。まるで海へ戻る途中で力尽きたかのような姿は、とても哀れで無残に感じられた。それにしても、なぜ相馬の海にウミガメが‥。驚きとともに私的な印象では、ウミガメは南の海に棲息するものだと思っていた。

そこで上画像と共にAIに問うてみたところ、以下のような答え(要点抜粋)が返ってきた。


・・・・・・この個体は頭の大きさや甲羅の色などからアカウミガメの可能性が高いという。福島県でもアカウミガメの産卵や自然孵化が確認されており、相馬沖まで移動してくること自体は珍しいことではないようだ。


また、相馬まで泳いできてここで死んだとは限らず、沖合で死んだ個体が海流や波によって漂着した可能性もあるという。写真から死因を特定することはできないが、頭部や甲羅の傷みは、死後に波や砂、他の生物などによって生じた可能性もあるとのことだった・・・・・・


海岸での出会いは、時に思いがけない重さを帯びる。ただ静かに横たわる亡骸であっても、そこに至るまでの長い海の道のりを思うと、言葉が少し遠のく。朝陽を待つ場所に、南の海から来た一匹の影が残されていたその事実だけが、しばらく胸の内に留まった。