写真を撮るために必要な三つのこと...

M.Hermitage

カメラを手に取り、夢中でシャッターを切るようになってから、いつの間にかそれなりの年月が流れた。最初はただ綺麗なものを写したい一心だったが、最近、自分の中で写真に向き合う際の軸のようなものが見えてきた気がする。プロのような高度な技術はないけれど、不器用なりに試行錯誤の中で辿り着いた、私なりの佳い写真のための三つの備忘録をまとめてみた。


① 現場100回

可能な限り春夏秋冬、そして朝昼晩と足を運び、その地を知り尽くすこと。例えば何月の朝にどのような景観が広がるかを知ることは、撮影者にとって大きな財産となる。それら脳内に蓄積された膨大な光のデータは、プロのカメラマンにも劣らない情報の引き出しとなり、シャッターを切るべき必然の瞬間を教えてくれる。


② 歴史の理解と五感の言語化

撮影地の歴史や背景を深く掘り下げる。そして目に見えるものだけでなく、木の葉が擦れる音、鳥の囀り、土や風の香り、肌で感じる暑さ寒さなど、じっくりと対話し言葉に紡いでみる。視覚以外の感覚を意識し、言語化するプロセスこそが、作品に圧倒的な深みを与える。


③ タイトルの付与

写真は二次元の静止した世界である。併し②で感じ取り、言葉にした想いをタイトルとして添えることで、止まった時間は動き出し、平面に三次元的な奥行きが生まれる。適切なタイトルは見る側の想像力を刺激し、一枚の作品の中に豊かな物語を立ち上げる。

写真とは世界を知り、感じ、言葉にする行為である。 この三つは、そのための最も確かな道筋だと素人ながらに考えている。尚、タイトルに関しては以前の記事、「なぜ私は荒野の写真に”4.698日”と名付けたか」も参照のこと。