寒緩み春はもうすぐ...

弥生三月、予報では月初めから春を思わせる陽気となるようですが、一進一退、寒の戻りもあって春の訪れは一筋縄には行かないかも知れません。そして花粉症に方にとっては辛い季節です。昨夜のローカルニュースでいわき市方面の飛散する様子が放送されていたけれど、それはまるで砂嵐のような勢いでした。呉々もご自愛のほどお祈り申し上げます。


さて今回の回想記は季節外れというか場違いというか、そんな春の気配とは全く関連しない三作品を選択してみました。


帰趨の砦」~ F10・SS20・ISO200・C-PL+ND400 ~


いわき市平薄磯字宿崎の塩屋崎灯台、撮影は2015/09/27、詳細は「2015/09 撮影記」。撮影時にモノクロでupしており、今回はその際の別カットをカラーでupします。


以前地元の方に聞いたのだが手前側に点々とある杭の根本が残った穴、そしてやや左側にある堤防らしきものは昔々手作業で作られた船着き場跡とのことです。つまり以前はこの辺りでも漁が行われていたようですが、現在その形跡は全く見当たりません。


この一帯は3.11の津波で地盤が沈下、岩場を覆っていた砂が流されました。その後その岩場には秋になると画像のように鮮やかな海藻が生えていたが、時の流れと共に再び砂に埋もれ始め、最後に訪れた昨年の二月時点でこの景観は見られませんでした。


この日は早朝よりスタンバイ、干潮の09:20頃を待つも太陽は昇らずの曇天模様。従って岩場の海藻を主に長露光撮影で雲の動きを捉えてみました。振り返ってみると以前はこういった撮影をよく行っていたものだが、海風を感じながらまたそこに立ってみたくなりました。


Island」~ F8・SS20・ISO100・C-PL+ND400 ~


相馬市岩子字長谷地、撮影は2015/12/20。詳細は「2015/12 撮影記」。画像の左側には文字島があり、記憶が定かじゃないがおそらく岩子漁港の右手側から撮影したと思う。


3.11以降、文字島の右側となる中州は津波の塩害で枯れた木がそのままとなっていた。水平線上の大洲道路はこの時点で復旧工事が行われていたか否か忘れてしまったけど、防波堤上に重機などの姿は確認できなかった。この大洲道路は2017/04に再開通、早速訪れ春の潮風の中を走行し無性に嬉しかったことを思い出す。


松川浦では海苔の養殖が行われ画像中央はその棚になる。併し長らく原発事故の影響で養殖は休止状態であったが、それでも小舟に乗って棚の手入れに向かう漁業者を見る度、復興という二文字を虚しく感じていた頃だった。因みにタイトルは島そのものではなく、島に似たもの、孤立した丘、(路上の)安全地帯、孤立したものといったニュアンスです。


冬ざれのうすれ陽きらめく会津平」~ F10・SS1/2500・ISO200 ~


大沼郡会津美里町米田字鴨田乙の桧ノ目踏切周辺、撮影は2022/01/23、詳細は「雪原の照り返す陽光に汗ばむ」。車両は撮影当時10:10頃通過の上り426D。詳細の撮影記で書かれているように飯豊山を背景に此方に向かってくる426Dを撮った後、過ぎ行く車両を手持ちサブカメラで追っ掛け撮影。


この画像のような太陽、そして「帰趨の砦」の動きや特徴のある雲などは別とし、度々書いているように単調な青空や曇り空は極力省くフレーミングをしているものの、太陽・車両共々中央に置いた構図的なことが今迄upしなかった理由。今回の再現像では車体の明度や雲のコントラストを補正してみたが、昔々の低画素数カメラながらまだまだ現役で行けそうです。


冬の会津盆地に晴れ渡る太陽の陽射しは暑く、雪の照り返しで汗ばんできます。おそらく今頃は雪解けが進んでいるでしょうか。大地が顔を出すに連れ土や藁の匂い、そして太陽の温もりと相俟って少しずつ硬かった身体が解れるようなそんな季節がやって来ました。


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