マタヒト頻リ雪ガ降ル

06日(日)、日曜の天気予報は雪とのことに、「先週の記事」で書いた大沼郡三島町大字名入での再撮影に出掛けてみる。途中の磐梯熱海から会津坂下まで、ホワイトアウトにはならないまでも降りしきる雪に車速は上げられずだった。


取り合えず会津三島駅で運行状況確認。作業を終えたご高齢のJR臨時職員曰く「大雪と云われビックリして来てみたが、重い雪なのでそんなに積もっていない‥」。そうなんです、直ぐに融けてしまう訳ではないが積もる訳でもなく、言われてみれば確かに路上除雪車の稼働は少なかった。併しながら大粒の雪なので見通しが悪く、最初は大沼郡三島町大字早戸字滝原の第三只見川橋梁で撮ることにした。

撮影準備中、上画像のように雪が止み素晴らしい光景となるが、07:32頃通過の上り424Dの通過間際になりまた降り始める。結果下画像のように寄ったフレーミングとしたが、何を撮っているのか全く不明といった状況となりました。因みにこの画像はコントラストを+補正しており、ファインダー内では動体が何とか確認できる程度でした。


寂寥の中に...」~ F8・SS1/320・ISO640 ~


そんな天候なので遠くを行く車両の撮影は無理だろうと推測、間もなくやって来る下り便を大沼郡金山町大字川口字中山のかねやまふれあい広場から撮る。長らく国道252号線の上田ダム周辺は道路工事が行われており、片側通行の待ち時間は五分、何とか間に合い動画も撮れたが間髪入れず通過して行きました。車両は08:04頃通過の下り423Dです。


此処は大志集落を望む奥会津撮影ポイントのひとつ。集落をフレーミングすれば当然引いた画角となり却って構成が厄介なこともある。併し今回は雪で見通しが効かず、短時間の準備でも迷うことなく構図が決められた。


続いて目的である名入へ行こうとするも雪は一向に止まず、車両を近くに見る大沼郡金山町大字水沼の細越橋梁へ向かう。本来なら橋梁を見上げる黄色矢印部に立ちたいけれど、以前も書いたように今冬は人が入った形跡がなく、無理をせず早戸のスノーシェッド内から撮影。


マタヒト頻リ雪ガ降ル」~ F10・SS1/250・ISO200 ~


車両は08:58頃通過の上り426Dと09:22頃通過の下り425D。まずは追っ掛けとなる426Dで試し撮りを行い構成を考える。これは私的なことだが此処で何度か撮った結論として、縦構図の場合は全車両を入れない方がカッコ良いと思う。それを念頭に425Dを撮った訳だが、この辺りは各々の感覚次第。


因みに橋梁真下は国道252号線。自動車が通過すると写り込んでしまうため、写り込まない画像を撮っておく、列車通過時に車が入ってしまった場合はそれらを合成して仕上げます。


「冬 幻」~ F10・SS1/250・ISO200 ~


列車を待つ間に只見川を見ると幻想的な写り込みとなっていました。列車撮影後にカメラを向ければ特に綺麗な時は過ぎてしまったものの、それでもファインダーを覗けば水底の世界に吸い込まれそうでした。残念ながら夏季の只見川は大雨などが降ると綺麗とは言えないが、冬はハッとするような美しさと写り込みに出会える。


さてさて当初の予定であった大沼郡三島町大字名入の撮影は午後の便となりました。午前中に一度様子を見に来たが、樹木への積雪はだいぶ落ちたようです。とはいえその頃は降雪で遠くが見えない状況だったので致し方ありません。


「谷のうぐいす時にあらずと声もたてず」~ F10・SS1/250・ISO200 ~


先週とほぼ同じ構図で撮りました。背景の山々は降雪で見えません。二度目の撮影で前回に続きフレーミングが難しいと実感します。というのも下部の樹木を省けば必然的に空の面積が多くなり間が抜けてしまう。その逆も然りで山々が息吹く頃が良いのか‥と、思いつつ、そうなれば茂る樹木で線路は見え辛くなってしまうかも知れない。


続いて朝撮影した大沼郡三島町大字早戸字滝原の第三只見川橋梁へ戻るも、此処も同様に樹木の積雪はだいぶ落ちており第三橋梁の左り側、黄色矢印の道神橋梁を撮ることにした。


寒色の只見川」~ F10・SS1/320・ISO200 ~


車両は14:35頃通過の下り427D。橋梁側の木々を避けた車両の位置はこれがベストか。言い換えると夏季は此処からの撮影が不可となる橋梁でもある。橋梁の直ぐ上は冬季は通行止めの県道237号小栗山宮下線になるが、2019年秋の台風以降、年間を通して通行できないことが多々ある。この道沿いには滝原トンネルを出て第三橋梁を渡る撮影ポイントがあるのだが、年々樹木が伸び撮影困難となっていることが残念でならない。もしかするとキハE120になってからの画像を見たことがないかも知れない。


最後は帰路の傍ら会津美里町鶴野辺木戸西乙の中田踏切から春日神社を望む。「02/09」はサイドからだったが今回は正面から。車両は16:48頃通過の上り430D。この頃になり急激な突風が吹き、簡単に三脚が飛ばされそうな勢いに身体は冷え目さえ痛くなってきた。車両通過まであと25分、構図は決まらず更には寒いしもう撤収しようかなと西の空を見れば‥。


仄 暮」~ F10・SS1/200・ISO500 ~


どんよりした雪雲の間から陽が射しました。肉眼では此処まで色付いていないが、レタッチで僅かな赤みを+補正してみました。問題は先述した構図の難しさです。列車を何処に置くか、神社境内の比率、空と雪原の割合などなど、↓動画でご覧頂けるように、風が強くシャッター音も聞こえないような状況に、寒さと風で指先はかじかみ考えが上手くまとまらずでした。


撮影後、車内の暖房をMAXにし熱いコーヒーを飲み飲み帰路に着く。すると猪苗代周辺から磐梯熱海まで前の車も見えないホワイトアウト状態となっており、ハザードを点灯して走行する車が行き交う中、いつもより三倍近くの時間を要すも事故なく帰宅する。


今月になり各地から春の便りが届いているけど、毎回書いているように会津の冬は居座り続けています。昨年も雪が多かったけど、今頃の会津盆地は雪解けが進み田んぼの畔道を歩くことが出来ました。これからの天気予報に雪マークは無く、いよいよ春の兆しを感じれるようになるのだろうか、僅かながらでも心が緩むような季節の到来を待ち侘びる。


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