モノクロームの季節がやって来た

17日(日)、この日は東に行くか西に行くかの予定も立てず、03:30に目覚ましをセットしていた。併し夜中の強風でなかなか寝付かれず、明るくなってから出掛ける。

天気予報では会津方面は雪、出掛ける前に会津エリアのライブカメラを確認すると、この時点で昭和村を除き奥会津方面の積雪は確認できず、昨年の二月以来となる石川郡玉川村大字竜崎字滝山の乙字ヶ滝へ向かうことにした。


途中では見通しが良く凍った道でもないのに事故がありました。話しは前後するが金山町の水沼橋周辺でも事故がありこの日は二件の事故を見ました。これからの季節は尚のこと増えると思うが、十分に気を付けて運転したい‥と、書きながら飛ばしてしまうんだよなぁ。

昨年の撮影記でも書いたが、柵付近の松の幼木や雑草が年々伸び景観が悪く撮れない状態だった。2020年の二月頃だったか玉川村に改善をお願いしたところ、それが功を奏したのか一昨年の撮影時点で綺麗になっていました。視界は良好となり今迄と異なる立ち位置から中望遠での撮影も出来るようになった。下画像、芭蕉と曾良の石像も変わらずにありました。

さて滝撮影となればシャッタースピード(以下SS)です。それは水量や滝の形状によって大きく変わってくるのだが、私的にはあまりにも遅いSSは雪や綿の塊のようになってしまい好みではありません。上画像はSS1/6だがこれでも遅く水の流れが感じられません。


寒 轟」~ F10・SS1/15・ISO125・C-PL+ND8 ~


水の流れは水に聞けということで数枚撮ってSSを決めました。C-PLの効果をMAXにすると岩面が黒ツブレしてしまい、反射具合を確認しながら約半分の効果としました。この滝を冬に撮る理由は水質で、夏はどうしても色合いなどが良くないです。


撮影は太陽が隠れている状態が好ましく、陽射しがあると輝度差が生じイメージと異なってしまいます。画像はモノクロのように見えるが濁った流れの彩度を所々補正するのみで、この寒々とした景観も冬ならではと云えるかも知れません。


乙字ヶ滝より奥会津に向かいます。山桜が咲く下郷町の戸赤付近から積雪が増え、その先の国道400号線、舟鼻峠付近は画像のようなズルズル状態でいとも簡単にスピン。逆ハン切りながら今季初の本格的な雪道を走行するが、速度が出せないので越えるのに時間を要す。


午前中に積もったのだろうか、奥会津も雪国と化していたが除雪が行われ国道を走行するには問題ありません。何処かで昼食を摂るつもりであったが、予想以上に遅れたため食べていると午後一の上り便に間に合いません。

雪は止むことなく降り続き、第四・第三只見川橋梁を見て周ったがホワイトアウト状態でした。結果的に遠景は無理だと判断し画像の大沼郡三島町大字名入字上居平、第二只見川橋梁に近付いて撮ることになるが、この時点で列車通過の五分前で動画は撮れませんでした。


鈍色の季」~ F10・SS1/160・ISO640 ~


車両は13:00頃通過の上り428D。三脚に傘をセットしフレーミングと露出など何とか間に合いました。遂に奥会津にモノクロームの季節がやって来たと思わせる景観に、頬に落ちる大粒の雪に尚のこと寒さが募ります。


次便は何処で撮るか、雪の降り方を考慮しながら第一只見川橋梁や大志集落などを行ったり来たりするものの、強弱を繰り返す降り方に決めかね、被写体と立ち位置が近い大沼郡金山町大字横田字上山根の第七只見川橋梁へ向かいます。因みに会津横田駅を出て直ぐの鉱山第二踏切は人も車両も冬季通行止めとなっていました。


マタヒト頻リ雪ガ降ル」~ F9・SS1/250・ISO800 ~


車両は15:00頃通過の上り430D。寄るか引くか迷いました。引けば無機質な空の面積が多くなるなど列車が見えても迷っていました。結果は画像のように寄ったフレーミングとなった次第だが、降雪が無ければ橋梁左側の杉林も撮り込むなどの画作りがあると思います。


最後は大沼郡金山町大字西谷字沖田の第五只見川橋梁で撮ります。此処も被写体に近いので選びました。準備をしていると会津越川駅で追い付いた先程の430Dがやって来ました。


寂 寥」~ F9・SS1/250・ISO800 ~


車両は15:24頃の通過です。実はこの先の会津川口駅で430Dと交換、15:32頃に通過する下り427Dを撮るつもりで此処に来たのだが、30分程経っても音沙汰がありません。JR東日本に問い合わせすると、会津宮下駅周辺で線路への倒竹があり停車中とのことでした。車両の通過を待つカメラマンは数人いたが、運行しても止まぬ雪に暗さも増し撮ることは難しいと私も含め撤収しました。


この日は降雪の只見線を三枚撮り、毎冬のことながら雪の色表現はとても難しい。寒色だったり白黒のようであったり、更には夕暮れ時などは降っていても急にオレンジ色になってみたり、今回の画像も時間帯によって一枚一枚異なっており、例えば彩度を+ないし-補正するなど脳内のイメージを大切にすることが重要と云えるのだろう。


さて突然の運行停止は冬の只見線では珍しくないが、地元の方々は口を揃えて昔の只見線は大雪でも運行したと言う。そして動けなくなり山中で止まることなどが頻繁にあったようだ。その為に車両には衛星電話が装備され、下車して連絡要員となる車掌も乗っていた。


この撮影記を書いた18日の朝の時点で会津川口駅と大白川駅間は雪で運行休止となっているように、現在は天気予報などを元に無理のない運行形態となっているが、兎にも角にも今年は暖冬と云われつつ、いよいよモノクロームの季節がやって来たと実感します。


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