梅雨晴れの朝に...

七月の異称は秋初月、秋端月、初秋、新秋、孟秋と秋の文字が使われるようになり、七日頃は暦の上で小暑、晩夏となります。実際はこれから梅雨が明け暑さ本番となるわけだが、今のところ日中はそれ也に暑いものの朝夕はとても涼しく、ふと初秋の陽気が頭に過ります。


今回は五年前の小暑、2018/07/07撮影の二画像をupします。撮影記は「180709 大沼郡金山町 第四只見川橋梁+etc」ですが、この二画像は今回が初お目見えとなります。撮影記を読み返すと現在の撮影スタイルと異なり、朝から夜まで一日中撮影を行っていたようです。


さて当日は第四只見川橋梁で始発便を撮ってから霧幻峡周辺を周り、その道すがら大沼郡金山町大字中川字下田面の中川集落で撮影当時09:32頃通過の下り425Dに追い付きました。


温風至」~ F8・SS1/250・ISO320 ~


三脚セットの時間はなく手持ち撮影になりました。撮影時upしなかった理由は追っ掛け構図(先頭車両が奥側)になったことと、全体構図のイマイチ感が拭えなかったからだが、此処のところ以前の画像を再upしていると、追っ掛け構図があまり苦にならなくなってきました。また中川集落を背景にした国道からのフレーミングは右側の空が写り込んでしまい、これがイマイチ感の理由のひとつながら、改めて夏の朝のムシムシする暑さを表現してみた。


タイトルは七十二候の「温風至(あつかぜいたる)」です。梅雨が明ける7月7日~7月11日頃、南風が吹いて気温が上がり、雲間からの陽射しも強くなりますが、例年だと福島の梅雨はまだ明けず天の川は水嵩が増しています。その梅雨が明けない奥会津、特に只見川沿いの肌にまとわるような重くぬるい風は私的に「温風至」のイメージそのものです。


中川集落での撮影後は只見まで足を延ばすなど、一日の撮影を終えた帰路の途中、大沼郡三島町大字早戸字下ノ原の第三只見川橋梁付近にて山を覆うほどの霧が立っており直ぐに車を停める。車両は撮影当時18:27頃通過の下り431D。毎度毎度の話しになるが、川面を這う川霧は生き物です。上画像は車両通過40分ほど前になるがそれ也に良い景観です。併しながらこのままで経過することはなく、通過の10分前にはホワイトアウトとなり気を揉みました。


夜帳がそろりと下りてくる」~ F5.6・SS1/160・ISO1000 ~


結果的に霧はほぼ流れてしまったが、ホワイトアウトで撮れないよりは断然良い‥と、自らに言い聞かせる。暗いのでISOと絞りで露出を調節、その暗さにより川面には車内の灯りも写っている。レタッチで明るめの補正も可能だが敢えてアンダーのままとした。因みに立ち位置は国道252号線の高清水スノーシェッド内だが、この年の春に景観を遮る雑木が伐採されスノーシェッドの屋根に上らなくてもよくなりました。


タイトルの”夜帳”、本来は夜の帳です。つまりはイメージ先行の文字列なので読み方はお任せしますが、私的には”よるがそろりと下りてくる”といった趣きです。


撮影の待機中、都内から来た若い女性がやってきました。朝から各橋梁を撮影し早戸温泉に泊まるとのことでした。車両通過まで時間があったので各撮影ポイントを教えてあげたが、早朝の山間はクマが‥ということで、翌日は何事もなく撮影を終え帰れたか気掛りでした。


@タイトルをクリックするとフォト蔵の大きな画像(別窓)が開きます。