うらぶれた秋の漁港にて

01日(日)、春秋の彼岸の頃に撮影する相馬方面。今秋は機会を逃し今日になった。というより先月中旬以降の週末は何故か天候が悪く日延べとなっていた次第だが、この日の天気予報も雨模様ながら雨なら雨に適した撮り方をしようと出掛けました。

まずは相馬市尾浜字松川のカゲスカ海岸と鵜ノ尾埼灯台です。いつもは長靴に履き替え砂浜に立つのだが、寝不足なのか今日はどうも気乗りしません。従って堤防からの撮影になりました。因みに海岸の気温は20℃ながら湿度が高く、身体中にべた付くような空気感でした。


わたしは夜に海をみる」~ F10・SS294.5・ISO200 ~


日の出は05:30頃、撮影時刻は04:45頃になります。まだ暗い時間帯なので撮っては確認で凡その構図を決めました。この時間帯は漁船が行き交い光跡を捉えることが出来ます。多くは小型船なので結構速度が出ており、逃さないように通過のタイミングを待ちます。


手抜きというかやっつけ撮影というか、例えば街灯で左の砂浜が明るい、その砂浜の面積が多過ぎるなどなどありありとその感じが伝わります。だったらupするなという話しだけど、久々に海での長露光撮影なので大目にみて下さい。タイトルは今まで同内容の画像に使っていたものだが、今回新たな気持ちで再び冠することにしました。


続いて相馬市岩子字長谷地の岩子漁港へ向かいます。カゲスカ海岸での撮影前に様子見を行ったが、暗い内から漁船が出港の準備をしています。松川浦は汽水湖なのであまり波は立たないものの、それでも船が動けば波立ちます。その波で停泊する船は揺れ、早朝の時間帯の低速SSでは動体ブレが生じてしまいます。従っていつもは出港前に撮るように心掛けています。


うらぶれた秋の漁港にて op.1」~ F10・SS8・ISO200 ~


うらぶれた秋の漁港にて op.2」~ F10・SS2.5・ISO200 ~


毎度のことだが雨模様でも特徴、且つ動きのある雲が出て入ればgoodです。このような雲があれば太陽が出なくても画作り出来ます。セオリーでは朝の曇り空の場合WBを6000k付近にするのだが、異国風をイメージして5000kで撮りました。op.1は撮って出し状態、op.2はほんのり赤味が射したのでそれを強調してみました。


先述したようにブレていない画像を残すため同カットを数枚撮ります。一般的にはISO感度とSSを上げれば良いのだが、あくまでも長露光で波の動きを抑えた画像にする目的があります。


「なんとなく海」~ F10・SS1/4・ISO200 ~


立ち位置をちょっと変え南側を向きます。東側よりこの南側の空の方がが赤くなっていました。タイトル通り何となく海です。それ以上でも以下でもありません。でも何となく心惹かれるものがありました。但しその惹かれるものが表現出来たか否かは別儀です。


気付けばこの日の海での撮影はフィルター類を全く使いませんでした。陽射しはなく各画像とも適した時間帯で撮れたことがその理由になるのかも知れません。


さて雨脚が強くなってきました。いわき方面へ南下する予定だったが、冒頭で触れたように何故か眠いです。そしてこの空模様と相俟って無理して撮ってもロクなものにはならないと判断、ちょっとだけロケハンし帰ることにしました。

ロケハンした南相馬市の北泉海水浴場です。サーファーが沢山、女子もいました。今夏は孫娘を相馬市の原釜尾浜海水浴場へ連れて行ったのだが、来年は此処にしようかと決めた。それにしても写欲をそそる雲です。早朝ないし夜に彼方の工場と海岸を長露光で撮りたい気分です。

帰路は国道114号線と国道459号線を使いました。途中、二本松市田沢字町の国道459号線沿いでは昔ながらのハセ掛けの光景が見られます。もう何十年も前になるがバイクに乗っていた頃から知ってはいたものの、東日本大震災の原発事故で周辺が通行不可となり、久しくこの時期に往来することはありませんでした。


秋の日は手足ひえびえ此の日頃」~ F8・SS1/60・ISO500 ~


懐かしい光景に車を停めました。雨降りのため手持ち撮影です。降っていなければ畦道を歩いてみたいのだが今回は止めます。次の撮影となると来年になってしまうが、立ち位置などを考察し此処をメインに訪れてみようと思った。


話しは変わり以前書いたことがあったけど、秘境という言葉がとても安っぽく使われている。その最たるものがサンドウィッチマンの”帰れマンデー見っけ隊!!”になるのだろう。そもそも秘境にバスも鉄道もそして寿司屋などありません。更に只見線の早戸駅などを秘境駅と称することを耳にするけど、秘境とは外部の人、及び一般に知られていない地域を指し、駅ということは鉄道だし背後には二車線ながら立派な国道が通っています。


田舎に住む者にとって不便はある意味当たり前のことなのだが、今や各メディアで日本中の秘境が紹介され多くの人がその存在を知るようになり、または訪れるようになり大なり小なりその概念が変わってきているのかも知れない。何れにせよ都会の人間がちょっとでも辺鄙な地域を秘境と云うのはちょっと違うと思う。


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