大暑の只見線撮影・・・午前の部

06日(日)、02:30に起床し奥会津に向かう。目的は夕方の会津横川駅周辺なのだが、朝は川霧の様子を見て決めようといった考えでした。三島町に入ると川霧は立っているもののそれは漂うといった状態であり、おそらく始発便通過の頃には消えてしまうだろう。


取り合えず第一から第四の各只見川橋梁と霧幻峡、そして大志集落と見て回ったが何れも同じような状態であり、川霧を題材にしない構成をイメージし朝は大志及び中川集落周辺で撮ることに決める。尚、今回の撮影記は午前と午後の二部に分けてupします。

川霧は消えつつあるが山霧はある程度残っている。従って私的に大志集落西側俯瞰と名付けた大沼郡金山町大字大志字古屋敷から始発便を撮ることにした。此処は尻吹峠からの大志集落俯瞰ポイントと異なり山霧によるホワイトアウトの可能性が低く、背景となる山々にその山霧が立ち昇ればより良き景観になります。


土潤溽暑」~ F8・SS1/160・ISO640 ~


車両は05:34頃通過の上り422D。前日夕方からの強雨により只見線は不通になったようだが、それにより川が濁っています。また初夏の頃の清々しい山霧とは異なり、正にタイトル通り湿度が高く額に汗が滴るような空気感でした。見た目に近付けようとWBは5800kで撮ったのだが、却って5000k辺りで青みを残した方が良かったのかと悩むところであります。


此処での撮影、午後に撮ったことがありません。従って午前中の環境しか分からないが、太陽が顔を出すと輝度差が生じてしまい、早朝ないし曇り空が適していると思います。


始発便撮影前に会津川口駅に停まる車両を確認していたが、二便目はキハ110の単車両でした。その単車両が絵になる場所ということで、いつもの大沼郡金山町大字中川字居平に決めました。三週間前は足場が組まれていた矢印家屋の修復が終わったこともその理由です。


出 穂」~ F8・SS1/250・ISO400 ~


車両は07:13頃通過の上り424D。今回は一両なので寄った構図にしようと試みる。撮影前にガラケーに保存してある二両編成の構図を何度も確認し、家屋間の何処に車両を置くかなどのイメージを作ります。


タイトルは”しゅっすい”と読みます。早稲種になるのだろうか、実が入り色付いていました。この場所で何度も撮る理由だが、橋梁のある風景も素晴らしいけど鉄道は人との関わりが何より重要であり、そこに住む人々の営みや生活感を想わせる景色が何気に好きなのです。


次は下りの一便目になります。撮影ポイントを色々と悩んだが、始発便を撮った大沼郡金山町大字大志字古屋敷に戻り、その際とはやや異なる立ち位置から矢印の百代沢橋梁を撮ります。雑草に覆われ見通し悪く、三脚や枯れ木を使い滑落に気を付けながら雑草を倒しました。


夏木夏草すこぶる盛る」~ F10・SS1/250・ISO400 ~


車両は08:03頃通過の下り423D。此処からの撮影は数年ぶりになるのか、望遠で切り取ると鉄道模型のように見えてきます。左側は東北色のラッピング車両でした。いつもはその車両を杉林の陰に置くのだが、折角の東北色なのでちょっとだけ顔を出した一枚を選択しました。因みに車両は杉林から突然現れます。従って遠くから聞こえる踏切の警笛や汽笛、そして近付くジョイント音を聞き漏らさないよう集中します。


川面の色は矢張り芳しくありません。拠ってその色合いを補正しました。後の合成を考慮し、国道252号線上に自動車などが写り込まない画像を撮っておきました。↓動画で確認できるように一台の乗用車が通過するが、合成の必要はなくレタッチで消去可能でした。


撮影を終え会津川口駅の川向かいに寄りました。先程の423Dと次に撮る上り426Dが停車していました。以前も書いたが乗客の姿が多く見受けられます。この方々は何処から来て何処へ行くのか、日帰りなのか泊まるのかなどなど気になりました。何れにせよこの賑やかさがずっと続けばいいなぁ‥と、思います。下画像は野尻川橋梁を渡る423Dです。

会津川口駅に停車していた426Dを大沼郡金山町大字中川字暮坪の百代沢橋梁で撮ります。「夏木夏草すこぶる盛る」に於いては大字大志字古屋敷であったが、当ブログでは立ち位置の住所を記載しています。その住所はグーグルマップにて確認している次第だが、更新されていることがあり以前の記事などと異なる場合があります。


橋梁の東側から撮るか西側から撮るか、順光となる東側では画像のように橋梁の両サイドが木立に隠れてしまいます。なので敢えて逆光も致し方なしと撮影準備を始めたのだが‥。


灼くる」~ F14・SS1/250・ISO320 ~


車両は08:43頃通過の予定だが少々遅れました。その遅れがとてつもなく長く感じたというか、強烈な陽射しは身体にもカメラにも大きなダメージを与えるのか、肌に突き刺さるその暑さと灼けるアスファルトの熱にクラクラします。


逆光なのでフレアはあって当然というかそれも表現の内。とはいえ見た目に宜しくない色合いや位置に現れたものは補正しました。アンダー露出で撮れば太陽の輪郭がもっとはっきりするが、そうなると車両や橋梁は完全に潰れてしまいかなりの補正を要すると思う。昔々読んだカメラ雑誌にこういったフレアの表情もコントロール可能と書かれていた。当時は必要性を感じなかったのか、今になってよく読まなかったことを後悔しています。


午前中最後の便は大沼郡金山町大字川口字中山、上井草橋近くからの大志集落としました。分かり辛いが矢印部を通過する車両の姿がちょっとだけ見えます。


山々の高さを覚る盆帰省」~ F10・SS1/320・ISO125 ~


車両は09:38頃通過の下り425D。この時間帯を選んだのは太陽が昇ってからの川面の写り込みを待っていたからです。併しながら先述したように川面の色合いは良くないです。従って補正は可能だが今回は川面の面積が少ないフレーミングとしました。


確か一昨年もこの時期に撮っているが、時節柄そびえる山々と集落、そして只見川の風景にお盆休みや帰省を連想します。もしかするとそれがこの地に住む人々の営みや生活感というものなのだろうか、全く所以のない土地ではあるが目にした風景に懐かしさや郷愁感のようなものがこみ上げてきます。


午前中の撮影記は以上です。午後からの撮影記は後日upする”午後の部”になります。


@タイトルをクリックするとフォト蔵の大きな画像(別窓)が開きます。