只見線満喫号を撮りました

12日(土)、八月の土日祝日は只見線の臨時列車、只見線満喫号が運転されています。そもそも時間帯が昼前後と苦手な光環境ということもあり以前より臨時列車はあまり興味がなかったのだが、キハ110の三両編成では行かねばなるまい‥と、いうことで向かいました。

昼前後とはいえ起床はいつもの02:30です。現地に着いてから各地を見て回るが、川霧は霧幻峡周辺に立つのみであり、従って始発便は07/16にも撮った大沼郡金山町大字水沼字田下モからの細越拱橋俯瞰ポイントに決めました。到着時は画像のようになかなかの景観となっていたが、川霧あるあるで列車通過時には↓動画のようなホワイトアウトとなり撃沈しました。

次便までは時間があり一旦山から下りたものの、どこを見てもピンと来ず矢張り戻ります。次便の通過は07:23頃の上り424Dだが、金山方面の天気予報は曇りながら燦々と太陽が降り注ぎ次第に川霧は消え、07/16に撮った内容と同じになってしまいました。


山滴ル」~ F8・SS1/125・ISO640 ~


こうなれば何処で撮っても変わりはないと07:40頃通過の下り423Dを待つことにしました。すると424D通過から約20分程の間に雲が現れ陽光を遮りました。更には降り出した通り雨に打たれた川面には再び川霧が立ち始め、唐突に息を呑むような光景になりました。


あまりの変化に動画を撮ることも忘れ、構図と露出設定に追われます。川霧は刻々とその姿を変え、始発便のようなホワイトアウトにならないことを祈るばかりです。やって来たキハ110とE120国鉄色のラッピング列車はこの景観の中ですこぶる存在感がありました。前々から書いているが此処での朝の撮影は太陽が昇ると難易度高しです。更に川霧や山霧があると乱反射でコントラストが疎外されます。尚07/16の画像はボツとしました。


今回は運が良かったのかタイミングが良かったのか、車に戻ると周囲は全く濡れておらず、雨は私の頭上と視界のみに降っただけのようです。もしかして自然が味方してくれたのかもだが、後の只見線満喫号撮影に於いてはこの自然現象に悩まされます。


所で会津川口駅の上下線ホームに各々列車が並ぶのは始発便と一日の稼働を終えた夜のみだったが、再開通後は車両交換を行う08:00頃の426Dと423D、そして14:55頃の430Dと427Dが加わりました。という訳で今撮った423Dと426Dの車両交換を見ようと、大沼郡金山町大字川口字館越からの会津川口駅俯瞰ポイントへ向かいます。すると立ち位置付近の茂みは刈られていたものの、大きな樹木が育ち只見川を遮ってしまいました。


2021/07/18」「2022/05/08」の画像を参考にすれば、只見川を撮り込まない状態での画作りはかなり限られ、現状に於いては私的撮影ポイントがまた減ったと言わざるを得ません。

三両編成となる只見線満喫号、その車列からして矢張り橋梁上の方が適していると判断し第七・第八橋梁などを見て回るが、以前も記したようにアーチ橋となってからは車両を上手く捉える自信がなく、オーソドックスに大沼郡金山町大字西谷字沖田の第五只見川橋梁としました。到着時は画像のような見事な写り込みに期待度が高まります。久々に此処に立ち気付いたのだが、路肩の植え込みが撤去され数台の車が置けるようになっていました。


奥会津の旅...夏」~ F8・SS1/250・ISO400 ~


車両は11:35頃通過の下り9425D。車両通過の十数分前から川面が乱れ始め、当初は写り込みを多くフレーミングしていたのだが結果はこの画像になります。先述したように自然現象なので致し方ないが、只見駅から折り返す午後の便も此処で撮るか否か悩む。


午後からの便は9430Dになります。通過までは時間があるので柳津町の丘陵などを見て回るが、どうしても第五橋梁の写り込みが頭にあり戻りました。撮影準備中は午前中のような写り込みに次こそはと再び期待度は高まるが、またしても通過前に波立ち始めました。経験上こうなると数分で収まることはなく別ポイントへの移動を考慮し早々と撤収しました。


運転しながら第二・第三・第四橋梁でのイメージを膨らませるが、陽射しなどを考慮し大沼郡三島町大字西方字居平からの第一只見川橋梁としました。通過は15:01頃になります。到着時はこれまた素晴らしい写り込みであったのだが‥。


「山の端に夏色深し只見川」~ F10・SS1/200・ISO400 ~


此処からの撮影、川霧がないと足元の杉などが伸びたこともあり、上下左右と構図に悩みます。今回は写り込みに留意したフレーミングとしたが、再びなのか三度なのかまたしても川面が乱れ車両の写り込みがはっきりしません。写り込みも川霧も風景写真ならより良き時にシャッターを切ればOKなのだが、鉄が絡むとそうは行きません。


第五橋梁で撮った満喫号を等倍で見ると満席のようです。一部指定席とのことだが、変わらずの盛況ぶりがずっと続いて欲しいものだ。↓動画でご覧頂けるように各橋梁は超スロー走行になり、例えば滝谷川橋梁の高さなどを手に取るように実感できると思います。


満喫号の撮影を終え会津美里町へ向かうことにしました。夕方頃とはいえ毎年書いているが広大な田んぼから発する蒸された空気も影響するのか、会津盆地の暑さは尋常ではありません。道路に面した庭先では長袖下着の老父が椅子に座り遠くを見ていたが、その姿は昭和時代の映画のように一瞬時間が停まったような感覚に陥りました。画像はお馴染み大沼郡会津美里町新沼尻の高田カーブです。とはいえ夏草に覆われカーブは見えません。


草熱れ鉄路も身骨すり減らし」~ F8・SS1/250・ISO320 ~


車両は17:00頃通過の上り430D。僅かながらカーブが入るフレーミングとし望遠で切り取る構図としました。手前側の雑草が前ボケになる構成ゆえ絞りを開けたいところだが、此方に向かってくる車両に対し被写界深度が浅くなることは避け上記の絞り値としました。咽かえるような草いきれに、動かずとも汗だくの撮影者もレールも骨身を削るような暑さでした。


最後は大沼郡会津美里町米田字米沢の桧の目踏切周辺です。いつもの立ち位置より田んぼ一枚分下がった道路からの撮影です。車両は17:17頃通過の下り431D、これから日が短くなれば夕焼けを期待する時間帯ながら、この時季ではまだまだ溽暑先行です。


「落夏の様相」~ F10・SS1/250・ISO320 ~


列車通過までは夏らしい入道雲が沸き立っていました。従って空の面積を多く取り込んだフレーミングとしていたのだが、次第にその空模様は変化しました。晩夏のこの時間帯、空には所々赤味があります。現像時その赤味を引き出すと色付き始めた田んぼと相俟り、夏から秋へ移り行く景観になったように思います。


此処からの風景はおそらく防風、防雪林なのか中央にある杉林がアクセントになっています。その杉林を背景に只見線の車両が引き立ち、もし無かったならば何度も撮るような惹き付けられる景観ではなかったかと思う。


さて只見線満喫号は今週末及び翌週末の撮影チャンスを残す。行くかどうか分からないが、しつこく第五橋梁の写り込みにチャレンジしたい気持ちはある。そして今夏の川霧はもう終わりなのだろうか、酷暑が最大の要因だとは思うが年々立ち辛い環境になっているようです。


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