私的原風景とは...

10日(日)、昨日に続き奥会津です。この日は撮影目的を持って02:30起床だが、二日続けての遠出は疲労感というか寝不足というか年には勝てません。夜中の空気は湿度が高く、そしてこの数日は気温が低いこともあり川霧が立つ条件が揃っているようでした。

川霧は霧幻峡から第四只見川橋梁周辺で立っているが、会津川口駅で車両の確認を行った後に第一の目的地、大沼郡金山町大字大志字古屋敷に向かいます。途中の山道の凹凸が激しく車体底部を大々的に擦ったが特に支障はなかったようです。


私的に大志集落西側俯瞰と称するポイントで、新緑の頃などは集落を中心にフレーミングするが秋は左手の田んぼがメインです。毎回書くけど山間からの眺めは樹木の成長が気になります。此処でも矢印の杉が見る度に伸び構図内に入り込みます。


一雨毎の秋に成る」~ F7.1・SS1/100・ISO1000 ~


車両は05:33頃通過の始発便、上り422Dです。露出データでお分かりのように始発の時間帯が暗くなってきました。この先は更にそして冬季になれば通常の撮り方は難しくなります。


只見線と云えば各橋梁だが此処からの眺めはそんな派手さも特色もありません。併し個人的に色付く田んぼと只見線、そして集落こそが郷愁感を覚える原風景だと思う。但し私の撮った画像に郷愁感があるかどうかは別儀だが、そんな事柄が只見線を撮っている一つのテーマに知らず知らずなっていると思う。


次便まで時間があるので大沼郡三島町大字早戸字湯ノ平の霧幻峡へ行ってみました。川霧は矢張り最盛期とは違うのか徐々に消えつつあります。船頭さんが来たので今朝の予定を尋ねたところ07:00に出船とのことでした。


はじまりの朝」~ F10・SS1/80・ISO200 ~


舟が漕ぎ出すのを待つかどうか迷ったが、霧は消えそうなので長居しませんでした。船頭さんがワンボックス車から色々な道具や機材を下ろし準備を始めました。これはそんな状況を撮った画像になります。慣れたもので舟の上を軽々しく行き来するけど、足腰が劣ってきた私にはとてもとても真似できないです。


現在は画像の早戸側から乗船するようになったが、以前は対岸の金山町側が発着場になっていました。数年前にその発着場もコンクリートで整備済みとなり、それ以前の風情が日本の原風景そのものといった眺めでした。願わくはあの頃の景色をもう一度見たいです。


会津川口駅で二便目はキハ110の東北色一両と確認済みだが、大志集落東側の墓地周辺に行ってみたりと何処で撮るか決まりません。結局は大沼郡金山町大字水沼字沢西の第四只見川橋梁としたものの今ひとつ構想がまとまらずです。


夏ぞ隔たる」~ F8・SS1/160・ISO250 ~


車両は07:17頃通過の上り424D。撮影準備中は程良く川霧が立っていたのだが、次第に流れてしまうだろうと川霧の有る無し両方のフレーミングを想定する。有れば引いた画角になるが、結果はご覧のように消えてしまったので寄った構成にしました。昨日の撮影記で草木の勢いに陰りが‥と記したように、箱庭のようなこの景観の中にも何処か夏を隔てた空気が流れているように感じた。


それにしても第四橋梁ではキハ40を何度も撮ったが、三年ぶりにこのカラーリングが走行する様を見て何故か胸が熱くなりました。熱くなった序でに東北色の車両を増やして欲しいなぁ‥と、無理な願いを書いてみたりする。


続いて今日の第二の目的である大沼郡金山町大字川口字堰口、尻吹峠からの大志集落俯瞰ポイントへ向かいます。山道には大きめが枝が散乱し、車を停めては片付けながらの到着となりました。 到着時はご覧のように山霧に隠れ車両通過まで流れるか否か気を揉む。


新秋眺望 op.2」~ F10・SS1/200・ISO250 ~


車両は08:02頃通過の下り423D。土日の423Dは凡そ二両編成だがこの日は一両でした。心配した山霧は流れ、奥側から徐々に陽光が射してきました。山霧があればあるで引いた画角で風景画として撮ることも可能だが、+只見線となれば話しは異なる。


そういった訳で構図など極々当たり前の内容となりました。併し先述したように只見線と田んぼ、そして集落を主にした場合は下手な試みをせずこの当たり前が良いのかも知れない。尚423Dから約40分後の上り426Dを縦構図で撮ったのだが、陽光が射し陰日向が生じました。それにより車両付近のコントラストが芳しくなくボツとなりました。


尻吹峠から沼沢湖へ行ってみました。金山町は「妖精の里」と云われ、妖精はこの沼沢湖に棲息しています。清々しい風が吹き薄曇りの湖面に美しく写り込む山々、そんな状況に此処では久しぶりにカメラを向けました。


Fairy Lake」~ F10・SS1/125・ISO200 ~


立ち位置は大沼郡金山町大字大栗山字長久保になると思います。はっきりそしてくっきりとした写り込みの一方、陽光が射し幻想的な表情となった湖面を撮りました。コントラストや彩度をやや+補正、明暗の補正は行ってません。


自然は時々ドキッとするような景観を見せるけど、こんな色合いや空気感は本当に妖精が棲んでいるのかも知れないと想像させる力があるのかも知れません。


さてこの日の目的は午後からの只見方面撮影もあったが、二日続き且つ暑さにより中断しました。帰りが居眠り運転手前というか、気が付くと目を閉じていたりと初めての経験でした。事故を起こさず帰宅したものの、冒頭で触れたように無理が出来ないお年頃になったのだと切々と実感します。でも不思議なもので家に着くと眠気が覚めてしまいました。


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