彼岸花は死人花

06日(金)、毎秋恒例、福島市飯野町明治字石塚の彼岸花撮影に行きました。先週前を通ると咲き始めといったところで、夜明け時の天候も考慮し一週間後の本日としました。今年は彼岸花の開花が遅いと云われるが、数年前まで私の住む近辺で咲くのは今頃であり、その頃の画像を見ると柿の実が色付いていました。


私的に死人花とも云われる彼岸花のイメージは毒々しさや不気味さだ。これは子供の頃から変わらずにずっと脳内にインプットされており、観光目的に植えられた場所や花の美しさを主にした撮影は興味が無かったりします。そんな意味でこの旧い墓地に咲く彼岸花の景観は、私のイメージにピッタリ当てはまる原風景のひとつです。

彼是10年以上撮っているのだが毎回画作りに悩みます。というのも此処での撮影は見上げる構図になるのだが、ということは必然的に空の面積が多くなります。毎回書いているように単調な青空やグレー一色の曇り空では面白みがなく、朝焼けなどの期待を込めて夜明け前から撮影を始めます。更に画像のように右端には民家もありこれも悩みの種です。

結論から言えば期待する空模様にはなりませんでした。東側には木立があり日の出を遮ってしまうこともあるのだが、加えて夜明け前後に雲の出現はありませんでした。。


Cazotte No.1 ①」~ F10・SS1・ISO500 ~


日の出20分前に撮った画像です。肉眼ではまだ暗い時間帯なので撮っては確認で構図を決めました。引いた画角になるが、先述した右側の民家は暗いのであまり気になりません。雲の出現はなかったものの日の出前のグラデーションが撮れたので取り敢えず良しとしました。言い換えれば変に厚みのある雲などより此方の方が適していたかも知れません。


Cazotte No.1 ②」~ F10・SS1/50・ISO200 ~


日の出から約30分後の画像です。この頃になると北東側から雲が流れて来ました。その状況を見ながら10枚ほど撮った中の一枚です。明るくなってきたので彼岸花のコントラストと彩度を-補正しています。右側の民家を撮り込まないよう画角はやや狭くなっています。


輝度差のある撮影に適正露出という言葉は要を成さず白トビや黒ツブレが生じます。特に今回のような日の出前後の画像は顕著であり、後の補正は必要になるがHALF NDなどを使用せず、更にはちょっとの白トビ・黒ツブレも気にせず撮りました。個人的には黒い個所を明るく持ち上げる補正内容が好みだったりします。


北日本は荒れるとの天気予報だが今朝はまさにその通りでした。かなり気温が下がり突然強風が吹いてみたり、撮影時は晴れていたのだが次第に背後から雨が降り出すなど荒れた冬の空模様そのものでした。二週間前に孫娘を只見線に乗せたの時の私の井出達は短パンだったが、目まぐるしい季節の動きにどうも体調が宜しくない。


さて花撮影の序でという訳ではないが私は花手水が大っ嫌いだ。折角咲いた花を切り取る行為って人間に例えるなら頭を切り落とすことと同じだと思う。確かに植物はそれで命が絶えることはないけれど、世間では日頃から命を大切にとか生き物の保護とか云ってるが、そんな景観を見聞きする度に全く美しいものだとは感じないし人間のエゴをまざまざと感じる。


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