新緑の奥会津と只見線・・・午後の部

01日(水)、午後の部になります。まずは下大牧集落を大沼郡金山町大字大栗山字上下原から俯瞰。200mほど上流のポイントでは度々撮っていたが、此処に立つのは二年ぶりになる。

その二年前の04/30は側道に残雪があり車で近付くことは出来なかった。矢印の中島橋梁付近では旧道に架かる橋の工事が行われており、そのクレーンを省く縦構図としました。


山笑ふ」~ F10・SS1/200・ISO500 ~


車両は12:44頃通過の上り428D。今回は家屋の大きさ=肉眼に近い焦点距離とした。それにより背景の山々を撮り込み、集落を覆い尽くすかのような新緑の勢いをイメージしてみる。午前の部でも書いたように、遠景の一両編成はどうしても車両の存在感が弱くなってしまう。特に今の季節の保護色と云っても過言ではないキハE120なら尚更だ。その際は寄ったフレーミングにするなど、この辺りは個人の考え方次第か‥。


次は南会津郡只見町大字蒲生字山下からの第八只見川橋梁。蒲生林道の突き当りにあるこのポイントは起伏のある杉林を100mほど歩く。春になって熊の被害などの話しは耳に届かないものの、熊鈴は勿論のことホイッスルを吹きながら歩いている。平日なので電源開発の作業船が稼働しており、川面が波立つも車両通過時に各船の動きはなく穏やかだった。


行春之頃」~ F10・SS1/250・ISO500 ~


車両は14:49頃通過の上り430D。奥会津、特に只見周辺の新緑の色合いは格段に美しい。そんな山ひとつが萌黄色に染まる様相に、新鮮な緑の息吹を深く深く身体に吸い込みながら車両の通過を待つのは至福の時だ。昨秋、只見線満喫号を撮った際は前景・背景の紅葉の山々も撮り込んだが、今回は寄ったフレーミングでそれらはカットした。


最後は南会津郡只見町大字叶津下字八木沢の叶津川橋梁です。夕刻が近く尚のこと風は冷たい。着いて直ぐ耕された田んぼの美しさに惹かれた。長い冬が過ぎ、春を待ち侘びた土の姿や色合いはこんなに美しかったのかと、田舎に住んでいながら今更ながら気付く。


蛙始鳴」~ F10・SS1/160・ISO800 ~


車両は16:14頃通過の下り427D。橋梁を横幅一杯にフレーミングすると曇り空も撮り込むようになりそれは避けたが、改めて青空の際に手前の田んぼも撮り込んだ構図で撮ってみたい。農作業中の老婦に訊いてみれば、田んぼに水が入るのは今月中旬頃だと言う。


そういえば私の住む地域は養蚕が盛んであったが、標高により蚕の成長に10日程の開きがあった。そんなことを思い出しながら、新緑と柔らかそうな田んぼを従えゆっくりと走行する只見線の何と贅沢な景色が目の前に広がる。


農業用水路には雪解け水が滔々と流れ、田んぼに水が入るのはいつかと待ち侘びる寒蛙の鳴き声が近くに遠くに聞こえ、奥会津は次なる季節を迎える晩春の頃に至ったようだ。


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