新緑の奥会津と只見線・・・午前の部

01日(水)、二月の骨折以降、初の早朝撮影です。行き先は今が盛りの奥会津の新緑と只見線。当日は今にも降り出しそうな曇り空の下、最高気温は12℃前後と寒かった。思えば奥会津で桜が咲く頃はこんな陽気だったというか、朝のヒヤッとした空気の中に咲く花がとても美しかったことを覚えている。尚、今回の撮影記は午前と午後の二部になります。

一便目は河沼郡柳津町大字郷戸字居平丁の滝谷川橋梁へ向かう。桜の開花が早かったからか、例年と比較して新緑の進捗具合も頗る早く、背景の山々を覆うほどの様子となっていた。朝早く此処に来て二年ぶりにトラツグミの鳴き声を聞きました。アカショウビン共々朝の奥会津で聞ける鳥なのだが、その囀りに景色と空気が尚のこと清々しく感じます。


緑響峡谷」~ F8・SS1/200・ISO800 ~


車両は06:09頃通過の上り422D。通過直前まで寄るか引くかを迷っていた。結果としては左手前の新緑も撮り込むやや引いた画角としたのだが、やって来た422Dは何と三両編成、結果オーライで引いた構図で助かりました。


後々この日は平日だったことを思い出した次第だが、2020/04からキハE120が運行して以降、平日の422Dを撮ったことは一度しかなく、その際も三両編成であったが現在もこの状態が続いていたのか否かは分からない。また滝谷川橋梁は立ち位置によって三両編成は窮屈になるのだが、何とか対応し収めることが出来たと思う。


次便は第五只見川橋梁を予定しており、それまで時間があるので大沼郡金山町大字川口字沖野の上井草橋周辺に寄ってみる。車両は07:08頃通過の上り424D。この便と下りの始発である423Dは一両編成になる。


午前中の各便は撮る場所を凡そ決めておいたのだが、それらは何れも二両編成の車両だ。各橋梁などを遠景で撮ると一両編成の車両は存在感が薄くなり、個人的にはどうしても避けてしまう。正面を捉える構図なら一両でも構わないが今回その構想は無かった。

大沼郡金山町大字西谷字沖田の第五只見川橋梁です。到着時は見事な写り込みとなっており、車両通過時もこの状態が続くことを願うばかりだ。


時こそ今は新樹萌ゆ」~ F10・SS1/200・ISO400 ~


車両は07:59頃通過の上り426D。写り込みの結果はご覧のような有り様となりました。「川霧や通過前後の絶景かな」といった川霧アルアル同様、どうもタイミングが合いません。自然相手なので如何とも仕方ないと自分に言い聞かせ、次のポイントへ向かう。


午前中最後の便は大沼郡三島町大字西方字居平からの第一只見川橋梁です。到着すれば萌える山々に息を呑みました。今頃の雨を穀雨とも言うが霧雨にも満たない降り方に、それらとは異る炭酸水の粒々が風に舞いながら葉々の緑を染め行くような美しさがあった。川霧や紅葉も良いけれど、その眺めに四季の中で新緑の季節が一番好きな時だと改めて思う。


私雨之景 ①」~ F10・SS1/125・ISO400 ~


私雨之景 ②」~ F10・SS1/160・ISO200 ~


車両は①が09:01頃通過の下り425D、②が09:21頃通過の上り426D。②は第五只見川橋梁で撮った車両になる。先述したようのこの日はずっと曇りなので、陽光や影日向を気にすることなくこのポイントには適した空模様だった。


曇り空には独特なウェット&フラット感があり、言い換えれば繊細感や透明感が一歩後退したような描写になる。従って話しは前後するがこの日撮った画像はほぼシャープネスやハイパスの補正を行っている。またWBは全て5400kとし、状況に応じ色カブリ修正も行う。


午後の便までは時間があり久々に大沼郡金山町大字大栗山字赤沢の霧幻峡へ寄ってみた。以前は早戸温泉つるの湯周辺と只見川南岸が渡し舟の発着場であったが、現在の早戸側になってからは足が遠のくようになっていた。当日も渡し舟は航走しており、下画像は南岸の発着場で一旦下舟、船頭の案内で三更集落跡の散策へ向かうところだ。


仄 景」~ F10・SS70.5・ISO200・C-PL+ND4+ND400 ~


見渡せば崖に上げられた青いボートと、遠くの早三橋の赤の対比に写欲湧く。普通に撮っても面白みは無いので長露光撮影を行ってみる。私はND1000を持っておらず各NDフィルターを重ねて使用、ND4+ND400で計算上はND1600か‥。動きのある雲の登場を願ったのだが朝からの曇り空にそれは叶わず、大半を占める変化のない空と川面の面積が気になる。


午前の撮影は以上になる。繰り返すが午後の撮影に関しては予定を立てておらず、ロケハンを行いながら撮影地を決めることにした。


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