けふも小雪の降りしきる

30日(日)、会津坂下町から会津柳津町に入ると雪が降り出した。前が見えなくなるような状態でないが、おそらく一晩中こんな降り方だったのだろうか、道路上にはそれ也の積雪があり夜明け前より除雪車が稼働していた。小説「雪国」じゃないけれど、トンネルの先や角を一つ曲がっただけで景色がまるで変ってくるものです。


そんな降りしきる雪景に期待しながら先週の撮影記で書いたように、明るいレンズを持って大沼郡金山町大字中川字中町へ行く。此処で夜明け前の始発便を撮るのだが、結果は全く上手く行きませんでした。

露光データはF1.8、SS1/80、ISO1000。周囲に灯りがないので尚更だが、ISO感度を上げれば当然ノイズが発生するし、もうちょっと日の出が早くなる頃を待つことにしよう。

気を取り直し次は大沼郡金山町大字水沼字沢西の第四只見川橋梁へ向かう。先週はスノーシェッド脇から撮ったが、この日は水沼橋からの定番構図。先に雪景に期待と記したが、今冬は未だ樹々が真っ白になる様に出会えずにいる。車両は07:17頃通過の上り424D。


驟雪烟ル」~ F8・SS1/125・ISO500 ~


車両通過前、背景の山々はもうちょっとはっきりしていたが、驟雪といって良いのだろうか、降り方の強弱が急激に変化し見通しも悪く、モノクロームの寒々しい景観だ。先週の澄み渡った空気感とは全く異なるも、川面の写り込みは変わることなく美しい。


現行のキハE120、以前も書いたように先代キハ40と比べジェラルミンの車体や黒い窓など全体的に暗い。従ってこのような早朝の雪景色などの際は沈んでしまい、状況に合わせ明度や彩度を補正している。


続いて大沼郡三島町大字早戸字滝原、国道のスノーシェッド内から第三只見川橋梁を撮る。今年初の只見線撮影は此処だったが、雪の状態が芳しくなく結局その画像はボツとした。今回も決して良い状態ではなく一部を切り取る構成とした。


雪花零るる」~ F10・SS1/250・ISO200 ~


車両は 07:44頃通過の下り423D。枝々の着雪を雪の花と例えてみたがどうだろうか。花を華と明記することもあるが、淡々とした只見川の流れの上をガタンゴトンと列車が通り過ぎる様は決して華々しくもない奥会津の日常風景だ。とはいえ休日の早い便に乗る人は少ない。それでも列車の到着を待っている人はいる。だから寒さ厳しい朝でもをひたすら只見線はそこへ向かう‥と、ふとそんな情景が頭に浮かぶ。


最後は先の大沼郡金山町大字中川字中町へ戻る。いつもは国道沿いから撮るのだが、雪が壁のようになっており立ち位置を変える。昨年も雪は多かった。でもこんな風にはなっていなかった。車両は08:47頃通過の上り426D。


けふも小雪の降りしきる」~ F10・SS1/250・ISO200 ~


人が踏み入らない雪の層は美しいものです。併し見方を変えればその層が重なった分だけ春は遠く、閉ざされた季節が続く。昔に比べれば普段の生活も年間通じて大差ないかも知れないが、どうしても冬は篭ることが多い。列車がやって来るまでの間、そんなことを考えながら集落を眺めていると、そういえばあの家の老人と話した、饅頭を頂いた、車を置いてもらったなどなど、そんなことの一つ一つが遠い昔のように甦り懐かしむ。


この426Dの後には下り便が来るが、私用があり帰路に着く。車中からの眺めでは三島町や柳津町の方が樹木への積雪状態は良かったように見えた。


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