いわき市勿来町、勿来海岸の二つ岩と鳥居

いわき市勿来町九面坂の勿来海岸に二つ岩と呼ばれる奇岩がある。長きに渡る浸食により現在は人口島と海岸に建つ鳥居が残るが、昔々は風光明媚な名勝だったと聞く。先日RAWデータ保存用のHDDを眺めていると2013/06/22に撮った画像が目に付き、その頃は定期的に訪れていたなぁ‥と、懐かしく思い出しました。


周辺には南側県境の津神社、北側には伊勢両宮神社などの神社が多数存在しているが、由来を調べても海岸に建つ鳥居に関する神社が分からない。一部には夏至の朝に太陽と二つ岩、そして鳥居が一直線になると云われ、その延長線上に何かしらのヒントがあるのかも知れない。

これは1962年の夏に撮影された写真。小さい画像で分かり辛いが浸食が進む二つ岩が写っている。それ以前は高さ9m前後の岩塊が直立し松も生えていたようだ。そして海面には白波が渦巻き、釣りの名所でもあったらしい。


併し1955年頃から浸食が急激に早くなり、松の木が消滅し岩は縮小。陸の島は更に侵食が著しくやがて崩れる。その後も海中では侵食が進み崩落の危険が顕著となり2000年5月、島は取り崩されて炭素繊維のモルタルで復元した擬岩となる。

此方は2013年冬の画像です。その当時記録的に撮った画像が多数あったが、消去してしまったのか今はあまり残っていません。鳥居は老朽化が進み数年前に新しく建立されました。新しくなってからは車窓から遠目で眺めるだけに留まり、鮮やかな色彩の姿形はプラスチック製のようでもあり、実際のところ何で出来ているのかは不明です。


東日本大震災の翌年、海岸の背後が高く堅固な築堤となる国道は津波被害もなく、勿来海水浴場は県内で逸早く再開しました。福島第一原発からは距離があり、それらの安全性も十分考慮された上のことだとは思うが、個人的には本当に大丈夫なのかといった疑念がありました。


帰趨の砦」~ F8・SS10・ISO200・ND400 ~


2013/06/22に撮影した画像です。時刻は16:58頃。降ったり止んだりの曇天模様の中での撮影です。昔のことなので使用フィルターの記憶はないものの、ExifデータからND400を装着し、特徴のない雲り空に動きを出したかったのだろうと推測するが、残念ながらその試みは思うように行かずお蔵入りしていたのかも知れない。


灰色混じりの薄い青空の下、大胆にフレーミングした鳥居の神秘性が伝わらず、再現像は全体を一旦モノクロ化しました。そして鳥居・注連縄・二つ岩と海岸の三ヶ所を選択し元の色を再現しました。再現の度合いについて二つ岩と海岸は僅かな再現となります。


先述したように足が遠のいた勿来海岸だが、機会があれば日の出時の写真を撮ってみたいと思いながら、ネット上の画像を参考に構図などを考察している次第です。


@タイトルをクリックするとフォト蔵の大きな画像(別窓)が開きます。