四ヶ月ぶりの奥会津は秋暑也

10日(土)、四ヶ月ぶりに奥会津に行きました。これ位の期間だとまだ懐かしむには至らないけれど、川霧の時期に来れなかったことは矢張り悔やまれる。さて今の季節は新緑でもなし紅葉でもなし、各橋梁は撮らずに田んぼとソバ畑をメインにすることにしました。

冒頭川霧について触れたが、あちこちで川霧が立ってました。車載の外部温度計は21℃前後であるものの湿度が高い故だと思います。まずは定番の大沼郡金山町大字川口字中山、かねやまふれあい広場から大志集落を眺めます。


夏季は此処で撮ってからでも時間の余裕があったけど、大分日が短くなり撮影に適した明るさを待っていると、始発便の撮影ポイントへの移動が間に合わなくなってしまいそうです。今回は始発便を近くで撮る予定だったので、ギリギリまで霧の様子を窺っていました。


「幻 郷 ①」~ F8・SS5・ISO200 ~


「幻 郷 ②」~ F8・SS3・ISO200 ~


暗さが残っているのでややハイキーで撮り、且つ修正しています。明るくすると色温度の青っぽさが解消され、早朝の画像などではよく行います。


最盛期の川面を這い背景の山々まで覆い隠すような状態ではないが、集落を主点に画作りしてみました。普段は何気なく見ているけど、こうして霧に隠れる集落は自然界の中で時々姿を現す”幻の・・・”といった文言を彷彿とさせタイトルとしました。


大沼郡金山町大字中川字下居平から始発便を撮ります。当初は画像に写るフェアリーロード上段から撮るつもりであったが、斜面の雑草で線路が隠れており此処にしました。準備中は山々に霧が流れ良い感じであったものの次第に消えてしまった。


静寂尽きて」~ F8・SS1/100・ISO800 ~


車両は05:38頃通過の上り422D。週末の朝、中川集落の静けさを掻き消すように列車がやってきます。会津川口駅を出た列車は定刻で通り過ぎ、その汽笛やジョイント音は目覚まし時計の代りになっているのかも知れない。


風雨のせいか稲が多数倒れている。また既に稲刈りを終えたのか、茶色くなった田んぼも見受けられる。背景の山上は霧が流れ間が空いてしまった。レンズを下に向ければ良いのかもだが、余計なものが入り込み画角・構図を変えずに撮りました、始発便を撮るのにISO感度を上げる季節となり、次第にこの時間帯は暗くて撮れなくなってしまいます。


次は大沼郡金山町大字大志字古屋敷からの大志集落西側俯瞰です。通常はカメラをもっと右に振って集落を中心にするのだが、先述したように田んぼを主にフレーミングします。朝の川霧は山霧になって景観を覆います。此処に来た直後はホワイトアウト状態で撮影の可否を心配したけれど、徐々に視界が開けました。


白露の里にて」~ F9・SS1/125・ISO500 ~


車両は07:10頃通過の上り424D。進行方向は左側となるが、右側に見えるのは構成上の目の錯覚なのかも知れない。全体に薄っすらと靄が残っておりコントラストの調整を行い、それに伴い色調や明暗を補正しています。


続いて大沼郡金山町大字川口字堰口、尻吹峠からの大志集落俯瞰です。今や超有名ポイントではあるが、田んぼ風景を撮るには欠かせません。到着時はホワイトアウトまでは行かずとも御覧のように見渡しが効かない状態。一時撮影を諦めるも次第に集落が見えてきました。


朝笛響く」~ F10・SS10・ISO320 ~


車両は08:03頃通過の下り423D。肉眼では此処まではっきり見えません。従って「白露の里にて」と同様コントラストや色調、そして明暗の補正を行っています。また田んぼを主にするため集落に寄った構図としており、視界がはっきりしない状況に適した構成だと思います。


タイトルですが↓動画をご覧頂くと列車が集落に差し掛かる際、長めの汽笛を鳴らします。週末ながらまだ寝ている住民にもう起きろよと言っているのか、そんな風に聞こえました。


大志俯瞰の撮影を終え柳津町に戻ります。途中、大沼郡金山町大字水沼字田下モにて下大牧集落と細越橋梁を撮るが、日差しに邪魔され全く駄目でした。何度か此処で撮っているけれど、陽が差すと輝度差が生じ撮影は気象条件に大きく左右されるかも知れません。因みに車両は「朝笛響く」の折り返し便となる08:58頃通過の上り426Dです。

今程の426Dを追って河沼郡柳津町大字細八字大巻甲に来ました。国道252号線からちょっと入った第2旧柳津街道踏切沿いで列車待ちます。この頃になると太陽が勢いを増しジリジリと暑くなり、秋暑どころではなく季節が戻ったようです。景観は確かに秋だけど”天地始粛”にはまだまだのようです。


玄鳥帰ル」~ F10・SS1/320・ISO200 ~


車両は09:41頃の通過です。個人的に線路沿いの撮影で気を付けていることがあります。それは標識やポールなどが多数立っており、その存在が車体横などに写り込むなら構わないが、先頭部となればNGです。線路沿いを歩いて立っている場所を確認することもあるけど、今回は暑さでその気が湧きません。山沿いの線路は日陰となる箇所があるなどなど、結果的に数枚撮ってその中からupした画像を選びました。


タイトルは秋の季語にしたけれど、背景はまだまだ夏の雲です。話しが前後するがこの日は引き続き午後からの撮影も行った。併しこの太陽と暑さで全く上手く行きませんでした。


さて426Dが会津若松駅に到着すると午前中の運行は全て終わりになるが、今月一杯は試験走行の回送車両が会津川口へ向かいます。それ迄の間、河沼郡柳津町大字柳津字下大平の会津柳津駅にて展示してあるC11を撮りました。


沈黙の記憶」~ F8・SS1/50・ISO320 ~


個人的にSLといえば車輪です。初めからモノクロで撮ることを頭に置き、金属の重々しさや輝き、そしてざらつき感を表現出来ないかと試みるも、これがなかなか難しい。モノクロはコントラストと明暗ということでレタッチはそれらに準じた補正を行うが、どうにも凹凸感が感じられず取り合えずupはするが次回への布石にします。


試験走行回送車両を河沼郡柳津町大字細八字家ノ下甲、国道252号線の八坂野停留所付近で撮ります。昨年も撮った場所だがそれ以前にこの地でソバの花が咲いていた記憶が無い。


バス停脇には数年前まで商店が立っていた。その商店跡地に駐車させてもらうのだが、一昨年の秋は家主の老夫婦にお願いすると、早朝にも関わらず「どっから来たんだい、上ってお茶でも飲んでがせ」と言葉を掛けられる。悪く言えばあまりにも無防備とも云えるが、これが会津人の優しさだと家の前を通る度に思い出す。


秋暑に於ける二つ色」~ F10・SS1/500・ISO200 ~


試験走行列車、通過は11:05でした。通過を待つ間、先述したように暑さで汗が止まりません。それより何より夏の雲とソバ畑がイマイチ合っていないように感じます。春頃から会津若松と会津川口間でキハ110が運行を始め、その車体色がソバ畑、キハE120のドア色が色付く田んぼと勝手に連想していました。タイトルはそんな意味合いもありながら、可能ならフラットな光線の下で撮りたかったです。


ピーカンの午後、河沼郡柳津町大字細八字大巻甲で撮影しました。此処は田んぼとソバ畑が同居する一帯ではあるが、おそらくソバはメインで作付けしている訳ではないと思う。というのも年毎にソバの姿を全く確認出来なかったり、作付けの場所が違ったりとそんな塩梅だ。加えて数年前から電気柵が設置され、田んぼやソバ畑に近付くことが出来なくなり構図が限られ思うようにフレーミング出来ない。


車両は上画像13:24頃通過の上り428D、下画像14:00頃通過の下り427D。繰り返すように強烈な光線により輝度差が激しく画になりません。特に上画像は車体が影になり、間が空いた空の様子など好みの内容とは程遠いです。下画像は何とかなりそうな気もするが、時間を置いて再現像してみます。


只見線の撮影はどうしても早朝の金山町や三島町になることが多く、今回のように陽が高くなった頃に来ても上手くは撮れない。それでも薄っすらと曇っていれば何とかなるものの、撮りたい場所は朝からの目的にした方が良さそうだ。


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