春彼岸、海にいるのは浪ばかり

15日(日)、昨年に続き彼岸の海を撮りに相馬へ出掛ける。撮影場所も昨年同様、相馬市尾浜字松川の鵜ノ尾埼灯台。06:30が満潮なので後は朝焼け、もしくは綺麗な日の出を期待するが、結論から先に述べるとその何れも外れることになる。

日の出前は上画像のように水平線上に雲が棚引き、且つ反対に上空には雲が現れず空が焼けることなかった。下画像のように太陽がこの高さまで上る頃には雲は流れたが、何れにせよ思い描くような景観にはならなかった。


彼 岸」~ F8・SS20・ISO125・C-PL+ND100 ~


砂浜に寄せる波の形状を意識しながら数枚撮るが、高い空に雲が無いと陽光が海面に反射することもなく如何せん色合いが宜しくない。従っていっそのこと現像の際にモノクロを選択、更に暗い部分を黒つぶれギリギリまでコントラストと明暗の調整を行い、個人的にタイトルでもある「彼 岸」のイメージを創造してみる。


続いて相馬郡新地町大戸浜字北中磯塩入の海岸に向かう。この海岸は県道38号線沿いにあり3.11の津波で道路は寸断された。それ迄の海岸は道路とほぼ同じ海抜であったのだが、現在は道路のかさ上げ工事が行われていた。


海にいるのは浪ばかり ①」~ F9・SS6・ISO100・C-PL+ND4+ND400 ~


「海にいるのは浪ばかり ②」~ F10・SS10・ISO160・C-PL+ND4+ND400 ~


何ら特徴のないこの海岸で興味を引くのは砂浜に埋もれたテトラポッド。その様はアシカやアザラシの集団のように見え、波飛沫の中にあっては生きているかのようにも思える。そのような表現を行うには矢張り長露光ということで、機材をセットし寄せる波を待つ。今回はC-PLの他にND4とND400を重ね、理論的にはND1600といことになる。


撮影時間は06:30頃からの約一時間。陽射しは既に春の様相となり、その色合いが画像にも表れているようだ。その陽射しの加減により絞りやISOで明暗の調整を行った。


撮影後早々と帰路に着く。そして家も近い福島市松川町下川崎字伝上山で車を停める。そこには毎春目に付く梅の木があり今回初めて撮影を行ってみたが、実際に近付いてみれば上画像のように右には電柱、左には重機と工場などなど横構図は難しいことを知る。


「梅の香に誘われカメラを覗き込む」~ F10・SS1/400・ISO200 ~


そんな訳で縦構図一択となった次第だが、自然現象に寄るものは何もなく結局は何だかなぁ‥と、いった内容。画面奥が西側なので夕暮れ時が面白そうだが、先に書いた左右にあるものをどう処理するかが思案のしどころかも知れない。


現像は明るさを下段から段階補正、雲のコントラストを補正し全体にぼかし加工を行うなど、絵画を描くようなイメージで仕上げた。


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