叢にすだくばかりの声もなし
11日(土)、秋霖の週末、撮影としては二週間ぶりとなる奥会津へ向かうが、会津川口駅発の上り始発便を撮るには暗い季節となり、まずは会津平にて下りの始発便を撮ることにした。


夜明け前からあちこちを周ってみたが、前回も記したように線路沿いは雑草に阻まれ場所が定まらない。そんな中、初めて大沼郡会津美里町雀林字柳元に立ってみる。初めてなので間合いが掴めない、且つ曇天模様で色彩感の乏しい内容となる。
因みに車両は06:31頃通過の下り423D、いつもは単行だが二連による運行だった。それにしても今秋の会津平は私的に景観・天候共に恵まれず、想い描く画がなかなか得られない。

この423Dを毎度の大沼郡金山町大字横田字山根で撮ることにした。いつもの旧家周辺の田んぼは周辺より稲刈りが遅く、毎秋の今頃に撮っているのだが、それが終わればいよいよ晩秋の気配が濃くなる。画像の白丸部周辺の雑草だが、撮影の妨げとなり事前に刈り取った。

「叢にすだくばかりの声もなし」~ F10・SS1/400・ISO800 ~
車両は08:40頃通過。この日は集落の方々が道路沿い草刈りを行っており、草刈り機の音に紛れ、会津横田駅に停車する車両の気配に気付かなかった。雨模様でもあり先々週と比べ空気が冷ややかとなり、更には虫の声はか細く尚のこと寒さを感じた。

続いて大沼郡金山町大字中川字荻付の会津中川駅へ向かう。駅裏には僅かだがハセ掛けされた景観が残りその様子を捉えてみる。且つてはこの中川集落の国道沿いでも見られた景観であったが、キハE120が運行を始めた頃からその姿は無くなってしまった。

「蚯蚓鳴く ①」~ F10・SS1/200・ISO250 ~

「蚯蚓鳴く ②」~ F10・SS1/250・ISO500 ~
①は09:39頃通過の下り425D。視点は会津中川駅側。②は12:32頃通過の上り428D、視点は荻付第一踏切側。425Dは会津川口駅で折り返し428Dとなり、昼を挟んでの撮影となる。その間に雨脚が強くなり、久々に雨具を使っての撮影となった。
先述したように虫の音は耳に届かず、時折り国道を通る車の走行音は聞こえるものの、静かに更け行く里の秋そのもののだ。夜になれば一層の静寂と寒さに、土の中からジージーと蚯蚓の鳴き声が聞こえてきそうな景観だった(鳴き声の正体は螻蛄らしい)。

次は大沼郡金山町大字沼沢字椿平、旧道側からの第三只見川橋梁。雨模様となれば山霧と云うことで来てみたが、此処からの撮影は何年ぶりとなるだろうか。というよりこれまで此処で撮ることはそう多くはなかった。撮影準備を終え静観していると、臨時列車の風っこが上り方面へ通過して行った。

「秋冷霖鉄」~ F10・SS1/60・ISO500 ~
車両は14:37頃通過の下り427D。更に雨が強くなり山霧が良い感じで棚引く。そんな天候に僅かだが山々が色付いて見え、これからの深まり行く秋の景観に想いを馳せる。併しながらその想いを消し去るように、雨具は着てはいるがまだ軽装なので次第に身体は冷えてきた。
時間的に第三只見川橋梁から会津平の戻っての撮影もある中、天候などを考慮し帰ることにしたが、返す返すこの日は静まる季節の気配を肌で感じたと云うのか、また一段と秋が進んだように思えた。
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