冬が待つ光のなかで
29日(土)、奥会津の紅葉が終わった。そうなると雪が降るまで被写体が定まらず、週末は海に行こうかと計画するが、この季節は陽射しの傾きを用いた撮影が出来ることを思い出す。

まずは陽射しと云うことではないが、三月以来となる河沼郡会津坂下町大字船杉字北杉大道上乙に来てみた。日の出が06:30の今頃なら然程の高感度でなくても撮れるのだが、冬至を挟むとやや厄介となる。↓動画のように06:37頃通過の上り422Dも撮ったのだが、雲の様子が宜しくないのでupは見送った。

「空はけふ東雲色らし」~ F8・SS1/250・ISO250 ~
車両は06:48頃通過の下り423D。これも雲の様子はイマイチながら、422D通過時よりは良くなった。それにしても此処での始発便撮影、いつもいつも磐梯山の頂上が雲に隠れてしまう。更に本当なら車両をもっと左に置きたいのだが、今年の会津平の路沿いはススキや雑草に覆われ、車両下部を隠してしまうことが多かった。
因みにこの立ち位置、夏は雑草に覆われ雪が積もれば埋もれてしまうため、春秋または積雪のない冬季限定と云えるかも知れず、私的に霜が降ったり薄っすらと雪化粧した景観が好みだ。


雲は流れ始め青空が広がる。すると冠雪の飯豊山が姿を現し、これは高田カーブだなと行ってみたが、矢張り上画像の白丸部のようにススキで見通しが効かずだった。故に下画像の大沼郡会津美里町字寺崎一ツ堂に移動し飯豊山を背景に画作りしてみる。

この画像は08:35頃通過の上り424D。そして10:09頃通過の上り426Dも撮るが、今日の課題である陽射しの傾きを用いた撮影とは趣が異なってしまった。

「冬が待つ...」~ F10・SS1/500・ISO200 ~
車両は08:04頃通過の下り425D。本来は前照灯が此方側を向く上り便を撮りたかったのだが、前出したように光の具合が芳しくなく、後追いとなるこの画像を選んだ。併しながら雪山へと向かう只見線の姿に何故か惹かれた。

昼からは会津川口駅12:29発の上り428Dを撮ることも出来るが、例えば輝度差が生じる枯れ山の各橋梁風景などはイメージが湧かず、毎度の大沼郡金山町大字横田字山根へ向かう。今回はいつもの民家ではなく、矢印の第七只見川橋梁を中望遠で切り撮る。

「遥かなる山の呼び声 ①」~ F10・SS1/250・ISO320 ~

「遥かなる山の呼び声 ②」~ F10・SS1/250・ISO320 ~
車両は15:01頃通過の上り430D。橋梁をいつも以上に低速で走行する姿を①で撮影した後、雲台を操作して②を収めた。 斜光線が橋梁をスポットライトのように照らし出し、此方側の寒々しい景色との対比が、まるで冬への通過点を示しているかのようだった。
以前の撮影記に山々には神々が住み、落葉し山肌が見えてくると「おーい!」と手を振って呼んでいるように聞こえると記したが、このように静まり返る季節の変わり目を眺めていると、何かしら見えないものの気配が、風の隙間から此方を覗き込んでいるように感じられる。それはただそこに在る沈黙の響きであり、心の奥に言葉にならない余白を残す。

続いて100mほど移動し下り便を撮る。いつもは白丸部を立ち位置にしているのだが、線路沿いが除草されており、今回の場所に立つことが出来た。

「朔風払葉 op.3」~ F10・SS1/400・ISO640 ~
車両は15:53頃通過の427D。折角なのでこの立ち位置では引いたフレーミングで画作りしてみた。背景の山々には陽が当たり暖かそうな色合いだが、線路沿いはまるで霜が降ったかのように冷え冷えとしている。この落差が今日の課題でもあり、殺風景な季節故に尚のこと陽射しの傾き具合を意識したいと思った。

「夜の駅、乗客様の影もなし」~ F10・SS20・ISO320 ~
427D撮影後、一旦は帰路に着くが大沼郡金山町大字川口字栗牧居平の川向いから会津川口駅を撮ることにした。いつもは積雪時の夜明け前なのでこの時間帯は初めてだ。427Dの撮影からは三時間程の待ち時間となり、流石にエンジンを停止した車内は寒かった。
車両は奥が18:49発の下り431D、手前が19:08発の上り434D。積雪があると雪灯りで全体が浮かび上がるような美しさを醸し出す。またこの時間は家屋の灯りが多過ぎるといった感じもあるが、積雪時への予行演習と云ったところか。
さてこの日は朝から腹の具合が悪く何度もトイレに通う。特に早朝撮影時がそうだったため、手前みそながら以前の記事、「只見線沿線のトイレ事情」の中の法用寺休憩所が有り難かった。そしてトイレに行く度や撮影待機中などに立ち眩みが起こる。午後に向かうに連れ回復してきたのだが、これらは一体何だったのだろう‥。
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