夏の亡霊が踊り出す週末

M.Hermitage

31日(日)、残暑の気配濃く、週末には夏の亡霊が踊り出すような熱気が街を包むという。 そんな喧騒を横目に、涼を求めて南会津郡南会津町高杖原のたかつえそば畑へと向かう。

04:30頃に現地到着。西側の駐車場はすでに満車で、遠くは山口Noの車も見受けられるなど、他県からの来訪者が多かった。ひとまずその西側から眺めてみるが人の多さに圧され、画像の東側へと移動する。

東側は比較的空いており、此方で撮影することに決める。実際のところ西側に立っての日の出より、東側を背にした順光の景観の方が私にとっては好ましい。

但し此方側からの眺めは以前も記したように、駐車車両が画角に入り込む。矢印部は既定の駐車場だが、丸印のように駐停車禁止の場所に停める車もあり非常に迷惑である。おそらく初めて訪れた方か、此方側からの景観を知らないのだろう。何れにせよそれらはレタッチで除去することになる。


新涼の朝 ①」~ F10・SS1/320・ISO200 ~


新涼の朝 ②」~ F10・SS1/320・ISO200 ~


晴れてはいるが大きな雲が空を覆っていた。そんな状況だからか多くの人は太陽が顔を出す前に帰ってしまったが、東側からの景観は太陽が登り、蕎麦の花や白樺の緑が映える射光の一瞬が美しい。加えて背景の山々に霧が流れると尚のこと良い。


先述したように雲が多くその間から陽が射すタイミングを待つ。いつもなら06:30頃が狙い目なのだが07:00過ぎて要約陽が射し始めた。その頃になると山々の霧がイメージする形状ではなくなるものの、これは致し方なしといったところか。


やがて霧が流れ、再び太陽が雲に隠れたため撤収する。その際に振り返ると陽光が一瞬だけ射し、手持ちで撮影したのが②である。冒頭で触れた気温についてだが、高原だけあって肌寒さを感じた。併し太陽が背後から顔を出すと後頭部はジリジリと熱くなり、前々よりイメージしていたタイトル、七十二候の”天地始粛”とは程遠い状況だった。


たかつえそば畑を後にし、河沼郡会津坂下町大字大沖字村東にて09:59頃に通過する只見線の上り426Dを撮る。レタッチの効果で田んぼは色付いて見えるが実際はまだ青く、季節の深まりはこれからといったところ。構図は寄り過ぎた感があり”撮った”という記録に留まる。

気温はぐんぐん上昇し、例によって昼時の撮影は避ける。そして次に向かったのは、大沼郡金山町大字横田字上積田の会津横田駅周辺。陽光は容赦なく頭がクラクラするほどの強さだった。赤い屋根の家屋はいつもの撮影ポイントだが、今回は少し離れた畦道に立つ。


禾乃登」~ F10・SS1/400・ISO400・C-PL ~


車両は15:01頃通過の上り430D。半逆光の中、屋根の反射を抑えるためC-PLを使用した。畦道を歩けばバッタが跳ね蜻蛉が舞う。景観は秋の気配を纏いながらも、夏の亡霊が熱気を引きずっている。


そんな空気感の中、二連のキハ110が通り過ぎ、出来ることなら次は朝の順光下でこの場を捉えてみたいと思った。そういえば以前、線路沿いの雑草が伸びていると記したが、除草され見通しが良くなっていた。


最後に向かったのは南会津郡只見町大字蒲生字沖新田の叶津川橋梁。夕焼けを背景にした橋梁を撮ることがこの日の目的のひとつだった。現地に着くと空には徐々に雲が広がり、車両通過の頃には、薄雲の中に赤い光が射し込む幻想的な時間となった。


Nightbound」~ F8・SS1/160・ISO800 ~


車両は18:06頃通過の上り434D。夕闇が迫っても暑さは衰えず、それどころか肌に纏わりつくような湿気に汗が噴き出す。やがて左方から列車のヘッドライトが見え隠れし、橋梁を渡り始めたスキーム音が耳に届く。この単行車両に乗客の姿は見えず、ただ夜の境界を越えるためだけに走っているようだった。


蒸し暑い夕暮れ、帰路の途中に見た只見川では川霧があちこちで立っていた。近くの第八只見川橋梁も然り、此処で撮れば良かったかもと思えるような景観だった。とは云え18:00台後半の車両を撮るには既に暗く、少しずつ季節の移ろいを感じる頃となった。


@タイトルをクリックするとフォト蔵の大きな画像(別窓)が開きます。