春霞、光の滲みに耳を澄ませて
12日(日)、昨日の予想通り、連日の撮影となった。続けて撮影をしない理由はいくつかあるのだが、最後に連日で撮ったのはいつ以来のことだろう。


連日撮影に至った理由は、前日、午後の撮影になった河沼郡柳津町大字小椿字下平甲での内容が思うように行かなかったからだ。此処では未だ始発便を撮ったことがなく、その状況確認を兼ね、更に朝の山霧にも期待して03:00頃に家を出た。到着すると山霧の出現はなかったが、山間の晴れた朝特有の霞みに太陽光が滲んでいた。
まずは下画像、06:20頃通過の上り422Dを撮ってみる。陽光が桜に射し込み、背景の山々は滲む光でコントラストが低く良い雰囲気だ。当初はこの一枚を撮って撤収しようと機材を車に積み始めたのだが、ちょっと待てよ…と自問自答した。と云うのも、始発便の様子だけでなく、単行車両もまだ撮ったことがなく、約30分後の下り便を待つことにした。

「春霞の遠音」~ F10・SS1/400・ISO200 ~
車両は07:07頃通過の下り423D。約30分の間にほぼ全ての桜に光が回った。同時に光の滲み具合が強くなり、山々は尚のこと見通しが効かなくなり、ファインダー越しに通過する車両が確認し辛くなる。立ち位置から線路までは直線距離で約1kmほどか、踏切の警報音やジョイント音など、車両通過の気配を見逃さないよう目と耳を研ぎ澄ませる。
普段の現像は帰宅後に仮で行い、日を改めて見直し再修正するのだが、霞がかった景観のコントラストや明暗が思うように決まらない。特に車両の存在感がはっきりせず、一からの修正を二度ほど試みた。そして二日に渡り数便を撮った結果として、桜の季節はスペース的にも単行車両が収まる、下り始発便の時間帯が最も佳いという結論に至った。

続いては河沼郡柳津町大字柳津字宮ノ下丙の郷戸駅にて、これも単行で運行される上り便を撮るのだが、この駅を訪れるのは何年ぶりになるだろうか。当時は花の数が少なく、木々の勢いも弱々しかった記憶があるが、現在はそこそこに回復しているように見受けられた。

「春光の呼吸」~ F10・SS1/200・ISO320 ~
車両は同駅07:52発上り424D。立ち位置を悩んだが、先述したように単行車両であればこのスペースでも十分と判断し、駐車場から縦構図で撮ることにした。車両を待つ間、視界を妨げていた桜の枯れ枝や左下の茂みを整えると、老木の呼吸がようやく見えた。
太陽がもう少し高ければ、花びらへの可視光線は更に強くなっただろう。それでもタイトルの如く春の光に照らされた老木の姿からは、深い深い息遣いが聞こえてくるようだった。

昨日の撮影記にも書いたが、柳津周辺で撮りたかったのは、今ほどの郷戸駅、そして次の河沼郡柳津町大字小椿字下平甲から望む河岸段丘を往く只見線だ。因みに始発便を撮影した「春霞の遠音」とは同じ住所(立ち位置は異なる)になる。
何度か撮影記でも触れているように、只見川を挟む段丘で形成された柳津町は、南東側に市街地と只見線があり、日当たりの良い北西部には斜面を活かした棚田が広がる。矢印の位置が線路で、立ち位置からの距離は直線で凡そ700mほどだろう。

「遠い春の層」~ F10・SS1/200・ISO250・C-PL ~
車両は08:51頃通過の下り425D。毎回、此処からの撮影は寄るか引くかで迷う。今回は左上に見える雪山を取り込むため、やや引いた画角を選んだ。この時間帯になると陽射しが強くなり、屋根の照り返しを抑えるためにC-PLを使用する。気が付けば昨年の同時期に撮った際、目立っていた対岸の雑木は伐採されたようだ。尚、左の建物は柳津町役場。
425Dの通過後、次の上り便で午前中の運行は終わる。併しその便を撮るイメージが湧かず、意欲や集中力も欠如している。と云うのも、これこそが連日撮影を行わない理由であり、深夜から起きていることもあって疲労感が強い。このような状態で撮影しても内容がグダグダになることは承知しているため、撮影はやめて金山方面の開花状況の確認に向かうことにした。


上画像は会津中川駅。つぼみはだいぶ膨らんで見える。遠目で綻び具合は分からないが、来週末には撮り頃になるだろう。その際はこの立ち位置から始発便を撮ってみたい。下画像は会津横田駅。まだつぼみも膨らんでいないようだが、果たして来週はどうなっているだろう。昨年撮りたかった場所だが、大雪の影響でこの区間の運行はGWが過ぎてからだった。
只見線以外の場所も周った後に昼食を摂る。すると眠気が更に増して運転も儘ならない。時折り車中泊をしながら連日撮影をする方々を見掛けるが、その体力や意欲は素晴らしく、私には決して真似できない行動だと改めて思う。
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