新地町大戸浜、静謐なる夜明け
30日(火)、来年も初日の出を撮りに行こうと予定していたが、福島県沖、特に相馬周辺の天候が思わしくない予報だったため、それならば今年のうちにと撮影に出かけた。

行き先は2024年の初日の出を撮った、相馬郡新地町大戸浜字北中磯塩入の大戸浜。著名なスポットのような混雑はないが、それ故に静寂に包まれた夜明けの海は、身が引き締まるようで心地良い。車内で時を見計らい、06:00頃に海岸へ立つ。ふと人影のような姿が見えたが、暗くて肉眼では判然としない。長露光で捉えてみるとそこには一人の釣り人が佇んでいた。

上画像は2024年元日。大戸浜は県道38号相馬亘理線沿いになり、震災前は砂浜がほぼ同じ海抜でとてもアクセスし易い場所だった。併し津波により周辺の家屋は流され景観が変わる。その後長らく行われていた嵩上げ工事が終わり、現在は海岸より3mほど高い道路となった。

06:54頃に太陽が現れる。この日は干潮の時間帯だったため、波打ち際ぎりぎりに三脚を据えて画作りを試みた。太陽が昇り始めた頃には無かった雲が次第にクレーン上に現れ、空がやや重くなる。

「Spectral Mornings」~ F14・SS2.5・ISO100・C-PL+ND100 ~
今回もNDフィルターを用いた長露光撮影。C-PLフィルターは偏光効果よりも、露出を微調整するための減光目的で使用した。長露光で打ち寄せる波を撮る際、砂浜に押し寄せ、返していく波が見せる残照のタイミングを待ってシャッターを切る。
タイトルはスティーヴ・ハケットの楽曲名から。あの壮大で少し切ないメロディラインが、目の前の夜明けの風景と重なり、撮影している最中からずっと頭を離れなかった。因みに邦題は「虹色の朝」とされるが、この静謐な光景には、やはり原題の「Spectral (幽玄な、幽霊のような) 」という響きが相応しいと感じる。
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