東雲を越えて余寒の奥会津
08日(日)、先週の撮影では春の訪れを感じさせたが、週明けの雪で景色は再び冬へと戻った。この日の前日には会津川口~只見駅間での運転見合わせが発表され、奥会津の朝は雪の予報。予定としては会津川口から先を撮りたっかたのだが、どうしたものかと悩みながらも、結局、車の舵をそちらへ切っていた。

まだ夜が明けきらぬ暗がりの中、会津平へと車を走らせる。先週は殆ど消えていた雪が、今日は薄っすらと大地を覆っていた。不思議なことに、会津平の南側に位置する高田や根岸周辺には厚い雲が垂れ込め雪が舞っている。一方で会津坂下周辺には月が残り、東の空が少しずつ白み始めていた。

その頭上の天候が変わらぬことを祈りながら、河沼郡会津坂下町大字船杉字北杉大道上乙にて撮影を始める。この画像は06:38頃通過の上り422Dを撮ったものだが、俄か雪で見通しが悪くなり、間を開けずやって来る本命の下り便を待つ。

「空はけふ東雲色らし #1」~ F10・SS1/500・ISO200 ~

「空はけふ東雲色らし #2」~ F10・SS1/500・ISO200 ~
車両は06:48頃通過の下り423D。雪は止み背景の磐梯山は雲に隠れているものの、この表情豊かの雲はむしろ大歓迎だ。#2は雲台を操作して追ったものだが、動作がスムーズなギア式雲台はこんな時に重宝する。
嘗て此処からの眺めは遮るものがない広々とした佳景だった。だが歳月と共にアパートや住宅、そして足元のビニールハウスが増え、近年は線路を跨ぐように電柱が立ち電線が架かった。光加減によってはその電線が際立ってしまう。それ故、此処で撮るのは、光が穏やかに回る初冬から春先の午前中に限られるのかも知れない。

先述した通り、会津盆地の空模様が芳しくなかったため奥会津へと向かった。道中、河沼郡柳津町大字柳津字八幡坂甲の銀山川橋梁に立ち寄る。道路や日陰の積雪こそだいぶ減ってはいたものの、激しく降りしきる雪は、まるで季節が逆戻りしたかのようであった。

「戻り冬」~ F10・SS1/400・ISO320 ~
車両は07:56頃通過の上り424D。通常の424Dは単行車両となり、それが此処を選んだ理由でもある。つまり二連車両だと橋梁上のスペースが窮屈になってしまう。肉眼では見通しが効かないような降り方をしており、且つ積雪で走行音も遮られ、車両が橋の上に姿を現すまでその接近に気付かなかった。

午前中最後は、銀山川橋梁近くの河沼郡柳津町大字柳津字上村道上乙にて撮影する。424D通過から二時間ほど経ち、雪は止んで青空が広がるも、冷たい風はそのままだった。この辺りの積雪もだいぶ減り、雪の下からガードレールがその姿を覗かせていた。

「残雪の疎林を跨ぎて」~ F10・SS1/640・ISO100 ~
車両は09:06頃通過の上り426D。いつもは線路がS字になる赤丸部を縦構図の望遠で切り取るのだが、今回は趣向を変えた。雪上がりの青空と、白く彩られた樹木の対比を活かすため、横構図でゆったりと引いたフレーミングを選択した。

午後からは大沼郡金山町大字大志字居平、大志集落内の国道252号線に立っての撮影から始める。車両は12:32頃通過の上り428D。夏になれば生い茂る雑草に視界を遮られてしまう場所だが、冬の今は見通しが良い。構図としては悪くないが、欲を言えば背景の杉林にさらなる冠雪が欲しかったところだ。
昔々、耳にしたことがあるが、会津では春彼岸の墓参りを行わない習慣があるという。それはこの画像が物語る通り、墓地は未だ深い雪に埋もれたままだからだ。温暖化が進む昨今、全ての地域に当てはまるわけではないだろうが、会津の春は依然として遠い場所にある。

此方は大沼郡三島町大字桧原字下原乙、桧原スノーシェッド上の持奇橋梁。車両は14:20頃通過の下り427D。先の428D同様、樹木の雪が落ちてしまい殺風景な内容となる。次回は新緑の頃にでも改めて訪れてみたい。

最後は大沼郡三島町大字名入字根岸居平の会津西方駅にて撮影。国道400号線沿いから赤丸部の駅にカメラを向ける。青空は次第に冬空へ変わり小雪が舞う。画像のように道路沿いの雪は無くなり、見通しが効くようなった。因みに此処もやがては生い茂る雑草に覆われ、今の季節限定の景観。

「余寒の轍」~ F10・SS1/320・ISO400 ~
車両は同駅16:06発の上り430D。時間的に冬の重々しい寒色の景観となるが、真冬とは異なり、待っていることも然程苦にはならなかった。この画像は駅を発した後で排煙が流れて行く。乗降客は居なかったが、停車中に運転士がマイクで何かアナウンスをしていたようだ。内容は聞き取れないが、↓動画ではその様子が風に乗って耳に届く。
先週とは打って変わって、季節が逆戻りしたかのような奥会津。まさに三寒四温の真っ只中だが、雪国に於けるそれは、温暖な地域の「少し寒くなったかな」という感覚とは大きく異なり、今回のように列車が不通になるなど、自然の厳しさが人々の生活やインフラに直結していることを改めて痛感した。
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