冬色の海、長露光撮影の試行錯誤
24日(土)、厳しい寒さが続いている。かつてはこの程度の寒さは当たり前だった筈だが、やはり身に沁みる。私の住む地域に雪はないものの、只見線は区間によって運転見合わせが続いているようだ。そんな寒気の中、冬の色を湛えた海を求めて車を走らせた。

夜明け時、いつもは岩子字宝迫や同字長谷地の岩子漁港で撮っていたが、今回は初めて相馬市原釜尾浜に立ってみた。併しリサーチ不足が露呈、満潮のため海苔棚の多くが水面下に沈んでおり、思うような構図にまとめることができなかった。
かつて県道38号線沿いの松川浦では潮干狩りが観光の目玉だったが、東日本大震災以降は途絶えている。これは原発事故の影響ではなく、地震による地盤沈下が原因なのだと云う。

続いて、南相馬市鹿島区の真野川漁港へ向かう。県道74号浜街道からレンズを向けたが、日の出の時間帯はどうしても停泊する船がシルエットになってしまう。画面右端に見える煙突は、原町火力発電所のものだ。

「巡るものの静止画」~ F14・SS1/160・ISO100 ~
そんな事態に、直ぐ近くの南相馬市鹿島区南海老字竹ノ内前の万葉の里風力発電所へ移動。右奥は先述した原町火力発電所。此処は通過する際に太陽や空模様によって撮っている場所だが、タワー脇に太陽が昇るのは冬季間限定だ。
朝になれば陽が昇り、春になれば田畑が目覚める。タイトルに冠した”巡るもの”には、現代のエネルギーを担う風力発電もまた、その営みの一部であるという想いを込めた。所でブレードがブレずに撮れていたので助かったものの、ISO100やSS1/160など動体を撮る設定ではなく、何故にその時に気付かなかったのかと反省する。

その後、年末にも訪れた相馬郡新地町大戸浜字北中磯塩入の大戸浜にて、この日の主目的である長露光撮影を開始する。ND100とND400を重ね、計算上の減光量はND40000。併し波は穏やかで雲の動きも乏しく、長露光撮影特有の効果が思うように現れない。


午後に向け国道六号線を南下しいわき方面へ。上画像は双葉郡楢葉町大字山田浜字林下、岩沢海水浴場からの広野火力発電所。下画像はいわき市平薄磯字宿崎の塩屋崎灯台。何れも今日の撮影予定地なのだが、風が強く長露光撮影には向かない環境だった。

「冬日の工場景」~ F10・SS121.5・ISO100・ND100+ND400 ~
撮影時刻は12:59。太陽は右上方だが、良い感じで雲が流れる。風は強弱ある中、弱風の際に撮った一枚。風があるので尚のこと寒さを感じるが、そんな状況でも最盛期には及ばないもののサーファーの姿があった。長露光撮影は出来上がってみないと内容は分からないが、無機質とでも云うのか、生命感を排した色彩は冬の日の印象そのものだった。

「忘却の汀」~ F10・SS162.7・ISO100・ND100+ND400 ~
撮影時刻は14:25。太陽はだいぶ傾き長露光撮影に適した光量となるも、風は更に勢いを増しブレが生じてしまう。この画像にもブレがあり暫定的にupすることにした。立ち位置の一帯は岩盤の海岸だったが、地元の方に聞くと3.11の震災により5mほど地盤沈下し、その影響で次第に砂に覆われ、現在はその岩盤が僅かに露出するのみとなった。

夕刻からも長露光撮影を行うつもりであったが、風が治まる気配は全くない。寒いだけなら持続可能だが、繰り返すように長露光撮影に風は大敵であり無念の帰路に就く。
帰宅後、「忘却の汀」を元にGoogle Geminiで‥左下の岩に人魚を座らせて‥と指示し、画像生成してみた。お題は「幻影の寓話」。そんなこんなで消化不良の一日とだったが、次の機会には風のない日を選び、空と太陽の機嫌を伺いながら、再びこの冬の色彩を追い求めてみたい。
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