早朝の松川浦を撮る

17日(土)、彼岸時期に撮影を行う相馬市松川浦周辺に今秋も訪れることができました。当初は相馬市尾浜字松川のカゲスカ海岸から鵜ノ尾埼灯台を撮る予定でしたが、水平線上には厚い雲が連座し断念しました。この数年、晴れの予報であっても夜明け時は天候に恵れません。


尚、大洲松川ラインは今年三月の地震で基礎部分に大きなダメージを受け通行止めとなっています。修復にはかなりの時間を要する模様です。

ということで相馬市岩子字長谷地の岩子漁港周辺へ移動します。以前は昔ながらの原風景だったが、護岸工事にてすっかり変わってしまいました。因みに五年前に撮った「黎 明」です。

夜明け前から釣り人が集まってきます。詳しくは不明だが各々に船を予約しているのか、一隻また一隻と沖に出て行きます。それにしても夜明け時になっても厚い雲は居座っています。併しながら上空では幾分赤味が濃くなり機会を逃さず撮りました。


うらぶれた秋の漁港にて」~ F10・SS1・ISO100・C-PL+ND8 ~


撮影時間は日の出とほぼ同じ05:17。先述したようの太陽が昇る様は全く見れない状況であった。夜明け時の撮影は刻々と雲の流れや光具合が変わり、急々にフレーミングと露出を決める必要があります。所が船が動けば波立ち、それが収まるのを待つ時間がとても長く感じます。


続いて昨秋も撮った相馬市新田字高田へ向かう。 市道になるのか地図上に記載がなく、路線番号が分かりません。この一帯は田んぼと大豆畑になっており、太陽が昇る頃に橋上から海へと続く用水路の景観に何処か惹かれます。


物蔭に漫ろすだける虫の音や」~ F10・SS1.3・ISO200・C-PL+ND100 ~


残念ながら06:00近くになっても太陽は顔を出しません。それでもこれはこれで良いかと画作りします。こういった構図の場合、先の「うらぶれた秋の漁港にて」と同様に毎度悩むのが地平ないし水平線の位置です。空の表情などを考慮し、取り合えず三分割の上中下段それぞれに数枚撮っておこう的な考えがいつまで経っても上達しない大きな要因だと思う。


岩子漁港へ戻りその先の相馬市岩子字宝迫から松川浦大橋を撮ります。撮っている途中、右側となる文字島では一隻の小舟が海苔養殖場の作業を行っていました。この一帯も前出した松川浦漁港同様、震災前・直後は昔ながらの原風景が残っていました。2013/02/28「沈黙の午後」、2014/11/30「沈 黙」。


そらはけふ撫子色らし」~ F10・SS3・ISO200・C-PL+ND100 ~


松川浦に来た際、必ず撮る場所です。朝焼けにはならずですが、こんな風にあっさりと仄かな色彩を見るのは初めてかも知れない。撮影時間は06:11、暗めのNDフィルターでもAFが効き撮影が楽というのか、以前フィルターの取り外しの際に落下し割れたことがあります。土の上なら良いのだが、アスファルトやコンクリート、岩場の場合は要注意です。


あゝしづかだしづかだ」~ F10・SS1/1250・ISO200・C-PL ~


撮影時間は06:31。要約太陽が顔を出しました。週末の早朝、耳に届くのは波音と水鳥の鳴き声だけです。撮影は手持ちで小舟の動きに合わせ構図を変えてます。太陽に向かっての撮影なのでC-PLの効果はほぼ無いけれど、小舟が移動してしまう迄の短時間ゆえ外すタイミングを惜しみそのままの状態でした。


所で昔はどれが文字島か分からなかったけど、地元の人に聞けば画像の島二つの総称が文字島とのことです。下記は相馬市観光ガイドより。


・・・松川浦の奥座敷と呼ばれる岩子地区に浮かぶ「文字島」。小松島とも例えられる松川浦の小島のなかでも最も小さく、陸地に近いため間近で見ることができます。大洲海岸(夕陽の広場)側からの景色と比べ、静かで穏やかな松川浦の姿を楽しめます。


時代とともに少しずつ削られ形を変えていますが、穴のように見える部分は江戸時代にこの辺りで製塩が行われていた名残です・・・


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