大沼郡会津美里町 ”小林食堂”

1985年の映画、「男はつらいよ ”柴又より愛をこめて”」は会津美里町の会津高田駅でロケが行われ、その駅前にはロケの合間に故渥美清がラーメンを食べた小林食堂がある。只見線撮影の際など店舗前を通ることがあり、いつも気になりつつ今回初めて訪問してみた。

昭和元年創業と掲げられた軒下の駐車場、残念ながら停められる台数は限られており、駅前を利用する選択肢もある。

メニューは至ってシンプルな構成。こうして見ればどうしても寅さんの支那そばに目が行く。因みに軒下の幟にはランチメニュー云々とあるが、それらは見当たらなかった。

11:00開店かと扉を開ければまだ準備中であったが、入店させてもらい注文もOKでした。昭和そのものといった店内は二人席テーブル×二卓、四人席テーブル×三卓、小上がり四人席×二卓。店内各所に寅さん関連の品々あり。

寅さんの支那そば @600円


先述したように初めてならこれ一択でしょう。開店前だからかやややっつけ仕事的に見える丼内だが、もしかしたらこれがデフォなのだろうか‥などと思いながらスープを啜れば、煮干しの香りに続き豚の風味が追い掛けてくる。全体的にはあっさりした後味となり、深みというかコクのようなものは感じられなかった。特に最初の煮干しの香りは好き嫌いがありそうだ。

ツヤツヤの中太縮れ麺はしっかりしておりコシがある。厚みのあるバラチャーシューが二枚。歯応えがあり、特に味が染みている訳ではないが良かったです。

元祖ホルモン @600円


今回大盛りを注文しなかったのはこれを予定していたからです。調理中から良い匂いが漂い、ニンニクと味噌のタレがとても美味い。次回はこれをご飯に乗せて掻き込みたい衝動に駆られるも、ちょっと炒め過ぎか野菜が焦げておりました。個人的にはその野菜の量が少なく感じる次第だが、どうだろうか600円はややコスパ悪しか。


さて今回初訪問となった訳だが、店内もメニューも昭和のまま今に至るといった趣があり。それはそれで良いのかも知れないが、様々なラーメンが数多く存在する現代にあって、果たしてどのような位置付けとなるのだろうか。私的に「男はつらいよ」は好きなので、また行きたいといった気持ちを促すようなちょっとずつでも進化する体制を望みたい。


大沼郡会津美里町柳台字甲2329 不定休