新緑の奥会津俯瞰 pt.2+風薫る会津盆地

04日(水)、先月末に続き奥会津の新緑と只見線撮影に向かいます。まずは大沼郡三島町大字早戸の通称早戸俯瞰と云われるポイントへ。車両は上り始発05:53頃通過の422Dです。

車両通過の一時間以上前に現場入りしました。すると前回と同様に此処でもトラツグミ(鵺)の鳴き声が聞こえてきました。↓動画前部にその声をupしたが、上手く聞こえるだろうか。トラツグミは夜中に鳴く鳥であり、05:00を過ぎると徐々にその声が聞こえなくなりました。


以前の記事に可能なら現場には遅くとも一時間前には着きたいと記したが、つまりそれはこういうことなんです。鳥の囀り然り、霧が山を駆け上る様も然り、風や匂いを感じ同化することが写真を撮るという行為にとても役立つと思う‥などと、こんなことを書いてると何を馬鹿げたことを言ってるのかと揶揄されそうなので止めます。


時こそ今は親樹萌ゆ」~ F8・SS1/125・ISO640 ~


構図はいつものフレーミングです。数年撮っていて昔の新緑はもっと鮮やかな緑だったと思う。気持ち的にはもう一段絞りたいところだが、早朝の明るさはまだ足りない時期ゆえ妥当な露出かも知れない。夏季の川霧は当然なことながら、新緑や紅葉などを撮る際も此処は朝一番が適していると思う。というも陽が射すと陰日向が生じ、特に線路付近は樹木の影になってしまうからだが、どうしても日中の撮影になる場合は晴天を避けた方が良い。


気付けば後部車両にはキハ110が連結されていました。この画像を含め当日はキハ110を三度撮ることになりました。話しが後先になるが、現像は明暗調整のみでコントラストや色調などそれだけ撮影時の環境が良かったと云えます。


続いて大沼郡金山町大字水沼字赤沢にて第四只見川橋梁、及び会津水沼駅を撮ります。このポイントへ向かうには毎春のことだがとても荒れてます。上画像の茂みを掻き分けその後杉林の中を歩きます。下画像が立ち位置になり会津水沼駅は右上になります。

まずは会津水沼駅07:18発の上り424Dを撮ります。併し現場到着時と打って変わり陽射しが強くなってきました。こうなると望遠レンズによる撮影は難しくなり、更には輝度差が発生し一応撮ってはみたもののボツになりました。早い話し此処も先の「新緑の候」と同様、しっとりした雲り時が適していると云える。


薫風見ゆ」~ F10・SS1/200・ISO200 ~


そんな訳で心機一転、第四只見川橋梁の西側俯瞰、07:56頃通過の下り423Dを集中して撮影します。天候は変わらず良過ぎる位に良い。従ってキハE120のステンレス車体が白トビを起こさない露出設定を行うがそれでも発生します。寄ってそれらは後のレタッチに委ねる。


正直なところこういったギラギラした画像は好まないのだが、それでも例えば暗い箇所は明るく、明るい箇所は暗くといった補正を行う。例として車両や橋梁は明るいのでコントラストや明度を-補正、樹木は状況に応じて明るく補正し彩度を-補正などなど、全体のバランスを見ながら箇所箇所毎に行った。


記事タイトルが奥会津俯瞰ではあるが俯瞰撮影は以上で終わり、大沼郡三島町大字川井字天屋原の第二只見川橋梁へ向かいます。立ち位置は歳時記橋の右側山林です。昨秋以来となるがその時と比べ樹木が一段と伸び、来年辺りには橋梁が隠れてしまうような勢いだ。


立夏至ル」~ F10・SS1/320・ISO200 ~


車両は09:05頃通過の下り425D。この日二度目のキハ110連結列車です。前景を置いた際、毎度悩むのはピント位置と絞りです。今回も絞り開放や手前にピントを合わせるなどを行うが、矢張り私的には車両にピント合わせ、それ也の絞りで撮る内容になってしまう。


絞りを開け前景にピント合わせ車両をぼかす、ないし車両にピントを合わせ前景をぼかすなどの画像をよく目にするが、どうもイマイチ好きになれない。というより、それらに適した撮影スタイルとかけ離れた内容なのかも知れないなぁ‥。


425D撮影後、橋向かいの大沼郡三島町大字名入字上居平へ移動。09:17頃通過の上り426Dを撮るも、425D撮影から僅かに12分程しかなく、加えて逆光のため撃沈しました。下居平へ向かう町道が立ち位置となり、機会があればじっくりと画作りしたいポイントです。

第二橋梁撮影後、会津盆地へ向かいます。今ほど撮った426Dに間に合いそうなので大沼郡会津美里町字新沼尻、通称高田カーブにて10:11頃の通過を待ちます。


空より青い」~ F10・SS1/640・ISO200 ~


線路の向かって右側田んぼのフレーミングも試みるも、代掻きしたばかりなのか水面が落ち着いておらず、このような構図となりました。この時間、車両のこちら面はまだ影になるようです。撮影時、カメラ内機能ないし物理的にも水平にしたつもりであったが、PCで確認するとやや傾いており手前の畦道を基準に水平補正を行う。


因みに順光に近いこういった景観はC-PLを使いたくなるが、無理に使用せず現像時の補正の方が却って画質の劣化などが少ないように思います。


さて早朝の奥会津では厚物のジャンバーを着込んだが、会津盆地では気温がグングン上昇してきました。この色彩、そして飛び交う鳥や蛙の鳴き声などの風薫る景観に、三ヶ月ほど前の雪に閉ざされたグレー色の季節が嘘のようです。


午後からの便は柳津町に戻って丘陵を走行する様を撮るかなどなど思案したが、大沼郡会津美里町寺崎一ツ堂の雀林踏切周辺としました。この踏切から会津高田方面左側の線路沿いには菜の花が咲く一帯があります。秋にはソバの花が咲き一度撮影したことがあるが、車両との間合いが上手く行かずに撃沈しました。


撮影車両は13:27頃通過の下り427Dと13:54頃通過の上り428D。427Dは試し撮りといった意味合いがあり、線路沿いの茂みや樹木などに阻まれ矢張り間合いが取れずに終了しました。従って立ち位置を変え428Dに挑むも、結果を先に書いてしまえば来春のための布石です。


春盛ル」~ F10・SS1/500・ISO125 ~


「立夏至ル」の折り返し便なのでこの日三度目のキハ110となります。その110が樹木に隠れるなど当初はボツにするつもりであったが、明暗やコントラスト、そして色合いなどを補正し取り合えずupすることにしました。先述したように来春、いや今秋に向け立ち位置などを再考察したいと思います。


昼過ぎになり飯豊山の姿は薄くなりました。肉眼ではもっとはっきり見えているのだが、写真ではこれ位になってしまいます。気温は一段と上昇、裸でも居られるような陽気に思い出すのはこの会津盆地のジリジリと蒸すような暑い夏。今年もそんな季節が間も無くやって来ます。


さて制約がないGWは三年ぶりとなり、各地で多くの人出となっているようです。併しこの日は特にそんな光景を目にしていませんでした。帰路の途中でプチ渋滞はあったけど、考えてみれば奥会津の山中や会津盆地の田畑に人が居るわけないじゃないか‥と、今更気付く。


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