奥会津、川霧の季節と成る

14日(土)、昨日に続き奥会津へ向かいました。というのも13日の奥会津は何気に湿度が高く、且つ夜半の雨にもしや翌朝は川霧が立つのでは‥と、安易な考えです。尚この日は山菜・山野草採取目的のサマオクが同行しました。


夜明け時の柳津町から三島町の只見川沿いには予想通り川霧が立っておりました。とはいえ最盛期の川を這い山々を駆け昇るような状態ではなく、薄っすらと消えては現れるといった様相です。加えて夜半からの雨は上がらず遠くの見通しが悪いです。

取り合えず第四只見川橋梁まで車を進めたが、水沼橋からでも橋梁が見えず上画像の大沼郡三島町大字早戸字滝原の第三只見川橋梁へ戻ります。 到着時はそれ也に良い景観であったものの、薄っすらとした川霧には持続性がなく列車通過時には消えてしまいました。


緑雨滴ル」~ F7.1・SS1/100・ISO800 ~


車両は05:56頃通過の上り422D。川霧があれば橋梁を中心にしたフレーミングとするも、消えてしまったので樹木を前景として画作りしました。雨に濡れた新緑はハッとするような鮮やかさがあり、霧はなくとも私的にはすこぶる美景だと思います。今頃の始発の時間帯、山峡はまだ暗く可能ならもう一段絞りたいところです。


話しは前後するがこの日は午前中の全便を撮り、その間は雨が降ったり止んだりでそれに呼応するかのように川霧が立っては消えるを繰り返していました。


第三橋梁から金山町へ再度向かう。画像は大沼郡金山町大字川口字中山のかねやまふれあい広場からの大志集落。 川霧は繰り返すが薄っすらと流れては消え、背景の山霧と相まってこれはこれで良いなと撮影を始める。


新夏装ふ ①」~ F10・SS1/30・ISO200 ~


新夏装ふ ②」~ F10・SS1/30・ISO200 ~


最盛期の集落をすっぽり包み込むような状況も良いけれど、タイトルのように夏が始まった感の眺めもまた美しい。昨年は05/21に第二只見川橋梁で初川霧を撮ったが、今年も予想以上に早く見れたことを有難く思いながら、「緑雨滴ル」の第三橋梁以前に此処に来ればもっと立っていたのでは‥と、やや悔やむ。そしてまたまた話しは前後するが、この日の各撮影ポイントに人の姿は全くなく、この景観も貸し切り状態でありました。


続いて最初に様子を見た大沼郡金山町大字水沼字沢西、水沼橋からの第四只見川橋梁へ行きました。到着時のあまり面白みのない様子に左手前の藤の花ともども広角で画作りするかと思案中、徐々に雨が降り出し薄っすらと川&山霧が現れてきました。


驟雨烟ル」~ F10・SS1/160・ISO400 ~


車両は07:17頃通過の上り424D。雨は一瞬にして景色を変えるものです。ほんの数分前とまるで異なり、急遽雨具の準備をして撮りました。そんな自然現象により先程までの面白みのない景観は大きく様変わりしました。詰まる所いつも思うのだが、私のようなアマチュアが撮る写真は如何にその現場に居る・居たことが大きなウェイトになります。


次は大沼郡金山町大字大志字古屋敷からの大志集落西俯瞰ポイントへ向かいます。今迄は国道沿いからの撮影だったので、此処からいよいよサマオクの山菜・山野草採取が始まります。撮影準備中は背景の山々に霧が流れていたが、次第に雨が小降りになり消えて行きます。


朝笛届く」~ F10・SS1/160・ISO500 ~


車両は08:03頃通過の下り423D。集落と墓地の中を只見線が走ります。只見川にはボートがあり、人々の生活や営みを感じられる好きな景色です。そんな週末の遅めの朝、下りの始発便が汽笛を鳴らしながらやって来て、その汽笛でやっと起きた人もいるのかな‥などと想像するが、此処からの眺めも樹木の伸び方次第では、何れ撮れなくなってしまうかも知れない。


撮影としては午前中の晴天は逆光となるためお勧めしません。曇りや雨、または午後からの便が適していると思います。


続いて先週は晴天で撮れなかった大沼郡金山町大字水沼字沢東、第四只見川橋梁の俯瞰ポイントへ向かう。小雨模様の眺めはとても美しく、雨や曇りの方が奥会津の只見線撮影には合っているように思う。尚サマオクの山菜採取はこの一帯が一番の目的であります。


緑峡ヲ行ク」~ F10・SS1/160・ISO320 ~


車両は08:51頃通過の上り426D。只見線の橋梁といえば第一只見川橋梁が超有名だが、私的にはI Love 第四橋梁であります。この場に立った際の爽快感や眺めは最高に良いです。それには先に書いたように天候も関わってくるが、様々な条件が全て合致することは滅多になく、それが次回来るための糧というのか、エネルギーになっているのかも知れない。


因みに今回の画像、次回への糧は川面の小波立つ様が宜しくないということです。新緑の色合いや霞具合は良い感じだと思います。橋梁左のスノーシェッドは数年前に新しくなり、その明るい色合いは周囲から浮きます。従って毎回明度を-補正しています。


午前中最後の便は大沼郡金山町大字中川字下居平から中川集落を見下ろします。「緑峡ヲ行ク」での山菜採りが長引き、列車通過五分前に現場着です。先週は手付かずの様相だった田んぼも 凡そ半分に水が入りました。


田水張ル」~ F10・SS1/160・ISO200 ~


車両は09:34頃通過の下り425D。撮影に関し特に面倒なことはないが、毎度悩むのは上下左右のフレーミング。いつも車両左の板落踏切を左端に置くが、天候や霧、そして手前側茂みの伸び具合などなど考慮することは多々ありながら、最近は毎回この画像のような画角になる。


太郎布高原と霧幻峡を経由して帰路に着きました。太郎布高原のアザキ大根は咲き始めといった様子で山菜採りの人々を多数見受けました。画像の大沼郡金山町大字大栗山字布置場側の船着き場では薄っすらと川霧が残り、この時間帯の渡し舟の運行はなかったようです。


山繁リ何レニ行クヤ夏ノ日ヨ」~ F8・SS1/250・ISO400 ~


霧幻峡にて早三橋の袂を望遠で切り取りました。此処に渡し舟があれば言う事なしですが、こればかりは仕方なしです。何でもなく特筆する内容でもない景観ながら、”たおやか”とでもいうのかしとやかな美しさを感じました。霧の中には神が居ると云われ、そんな神秘的な川霧の季節がやって来たようです。


さてサマオクはウド、ワラビ、フキ、そしてコシアブラを根っこから数本採取と店を出せるほどの採取量となり、車内の荷室が一杯になりました。コシアブラは既に大きく食べるには適さず庭先に植えて来年はどうなるか、何れにせよ暫くは山菜尽くしの食卓になりそうです。


それにしても例えばワラビなど雪国のものはなぜ太く育つのだろう。それは矢張り雪や寒さが影響しているのだろうか、私の住む界隈で採れるものとは全く異なります。


@写真タイトルをクリックするとフォト蔵の大きい画像(別タブ)が開きます。