大寒なれど暖かさ感ずる太平洋

22日(日)、昨年の九月以来ぶりとなる相馬市です。日の出の時間帯は曇りとの天気予報に反し晴れとなりました。併しながら水平線上には雲が鎮座、その代わり上空に雲はなくドラマティックな朝焼けとはなりませんでした。

まずは相馬市尾浜字松川のカゲスカ海岸と鵜ノ尾埼灯台です。当日の日の出は06:50、満潮時刻は05:27と撮影のタイミング的にはベストであるものの、先述したように地平線の雲が矢張り邪魔、且つこの時期の太陽は灯台の陰から登ることもあり日の出の撮影は見送りました。


Dawn Purple ①」~ F10・SS15・ISO200 ~


Dawn Purple ②」~ F10・SS30・ISO160・ND100 ~


①は日の出の一時間前、②は30分前の撮影になります。当然肉眼ではこのような波の表情にはならないが、SSによって異種の世界観が現れます。また雲に遮られた日の出前の陽光により独特の色合いに染まり、タイトルは既に頭にありました。


相馬の海は漁船や釣り船が暗い内から往来、②はその光跡を捉えました。①撮影からの時間経過は30分、その間に空は次第に明るさを増し露光や使用NDフィルターの選択を迷います。私的にはキャッチ&トライで撮っては確認を繰り返しタイミングを待ちます。


因みに車の外気温度計、相馬へ至る途中の阿武隈山系周辺で-7℃、相馬は-4℃でした。大寒となり底冷えするような寒さながら、何処か春の到来を感じるような夜明けでした。


続いて相馬市岩子字長谷地の岩子漁港へ向かいます。早くから作業する地元の方と話していると太陽が顔を出し急いでフレーミングと設定、そして撮影を行いました。


春 兆」~ F14・SS1/160・ISO200 ~


カゲスカ海岸で感じた春は兆しとなって現れてきたように思います。寒い寒いと云いながら、中通りに住む私からすると年越し後の太平洋の太陽は既に春の光です。何処かウキウキするようなそんな心境になります。


空もしづかに流るころ」~ F10・SS1/320・ISO200 ~


此方はちょっと場所を移動、手持ちで撮りました。遠くには原町火力発電所が見えます。以前から何度か書いているように、この一帯は原風景そのものの景観でしたが、東日本大震災発生後に堤防が築かれたりとその様は一変、それでも相馬に来れば立ち寄ってしまう場所です。


時間が早いので国道六号線を南下、昨年の二月に撮った双葉郡広野町大字夕筋字楢葉作の夕筋踏切へ向かいます。今回は脚立に乗って撮ってみたが、此処は日の出時や夕方、及び曇りなどが適しているのか、順光の時間帯はイマイチ画にならないと個人的には思います。

常磐線の時刻表を見ると09:43頃通過の下り671Mがやってきます。拠って何と六年ぶりとなる撮影ポイントへ来てみました。住所は夕筋踏切と同じで踏切は画像の左側奥になり、立ち位置は国道六号線上です。細い歩道に三脚を立てるので背面を大型トラックや乗用車が次々と過ぎ行き、身体の置き方や動き方など注意しないと危ないかも知れません。


色濃き青の轟く潮騒」~ F10・SS1/1000・ISO400 ~


太陽が昇り更には南下したからか暖かくなってきました。朝の撮影時に着ていた厚いジャンバーではなく薄手のものにしました。予定の時間になっても通過する気配が無かったけど、七分ほど遅れて打ち寄せる波の音と相まって近付く振動を感じました。


話しは逸脱、松田聖子の”赤いスイートピー”。その歌詞に”春色の汽車に乗って海に連れていってよ‥”とあり、春色の汽車とはそんな色合いにラッピングされた汽車なのか、又は春光を帯びた汽車なのか‥と考える。写真を撮る人間としては後者であって欲しいけれど、繰り返すが中通りに住む人間にとって青い海と穏やかな陽射しなどなどこの眺めはもう春なんです。


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