水月の会津路、熊との遭遇・・・午前の部

08日(土)、02:30起床で奥会津へ向かう。会津地方は暑くなるとの天気予報だが、果たしてどんな景観になるだろうか、撮影ポイントは大まかに頭にあるが、現着し山霧の状況などによって決めることにした。

三島町から金山町にかけ山霧が良い感じで流れており、久しぶりに大沼郡金山町大字川口字中山のかねやまふれあい広場に車を停める。朝の気温が低いので川霧にはまだ早いものの、山霧の大志集落もなかなかのものだ。


静寂一献」~ F10・SS1/30・ISO200 ~


撮影は04:50頃。折角の景観だが私一人の貸し切り状態だった。川霧や山霧の状態によって焦点距離や川面と集落のバランスなど決めているのだが、構図・構成などを変えながら数枚撮影、帰宅後にPCの大きなモニターで内容を判断する。


続いて会津川口駅発の始発便を何処で撮るか、ちょっと戻り第三只見川橋梁へ向かうが山霧は流れてしまったようだ。そして細越拱橋の俯瞰ポイントへ立ち寄れば此方は山霧厚くホワイトアウト状態で全く見通しが効かず、そんなこんなで始発便撮影には間に合わなかった。

そんな訳で只見方面に向かうのだが、第八只見川橋梁周辺では薄っすらと川霧が立ち、更に背景には山霧が良い感じで流れている。そんな景観を見て迷うことなく南会津郡只見町大字蒲生字山下の俯瞰ポイントへ向かうことにした。


清々しさの領域」~ F10・SS1/250・ISO320 ~


車両は07:25頃通過の上り426D。小一時間前に現着したが次第に川霧は消え、山霧もだいぶ薄くなってしまった。それでも陽光を遮るフラットな光線下の景色は息を呑むように美しい。いつもは右側に見えるJ-POWER只見の施設を省く構図とするのだが、今回はその存在があまり気にならないというか、それは穏やかな光線のお陰かも知れない。


さて車両通過を待つ間、足元の崖下からガサゴソと頻繁に音がする。そして風がないのに所々の草木が揺れるなど、明らかに何かしら生き物の気配があった。熊鈴やホイッスルを鳴らす、更に枯れ枝を放り投げて様子を伺うもそれらが治まることはなかった。


この時点でおそらく熊だろうと想像できたが、特に気を揉むこともなく景色を眺めていたところ、左側の獣道からはっきりと足音が近付いてきた。足音の方向に身を乗り出すと凡そ7m先に体長90cmほどの熊を一匹確認。私が大きな杉の木の陰に立っていた為に気付かなかったのだろう、突然の人間の姿に驚き逃げ去る。もし子連れの熊だったら危なかったか、こんな時に限って護身用のナタを腰に下げていなかったのだが、その後撮影を終えて山を出る。


次は蒲生川橋梁かと迷ったが、南会津郡只見町大字塩沢字大田和から白矢印の小塩沢橋梁を撮る。因みに赤矢印は塩沢川橋梁。尚、小塩沢橋梁付近の住所は大字塩沢字中丸になる。


会津路ヲ旅ス op.2」~ F10・SS1/400・ISO200 ~


車両は08:48頃通過の下り423D。此処は以前より何度も撮ろうと思っていた場所だが、構成がまとまらず今になった。というのも背景の蒲生岳を何処まで撮り込むか、全て撮り込めば一番良いのかもだが、そうなると車両は小さくなり周囲の余計なものも写り込む。


それらを考慮しながらフレーミングを行うが、残雪の浅草岳は省かずに撮り込んでみた。風が吹かず川面の写り込みは穏やかなままで過ぎ、次は紅葉や雪の景観を撮ってみたい。


先週の撮影記でも書いたように只見側での午前中の列車はこの二便で終了。従って画像の横田支所前踏切などをロケハンしながら会津方面へ戻る。


さて再び熊の話しになるのだが、今まで目撃する度に何処かへ連絡した方が良いのかと思っていた。たまたま会津美里町の県道交差点で一時不停止の取り締まりを行っていた警察官に尋ねてみたところ、それは是非警察に通報して欲しいとのことだった。連絡は110番でOK、携帯からだと位置情報が通知され目撃場所の確定も早いようだ。


ということで遭遇から五時間ほど過ぎてしまったが、午後からの撮影前に南会津警察署へTELしてみた。すると住所氏名に電話番号、そして目撃状況などを詳しく聴取された。熊を目撃して直ぐに退散したのですかと聞かれ、写真を撮ってからだと伝えると何故か笑われた。


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