仲冬の相双地区を南下する

M.Hermitage

14日(土)、先週行く予定であった相馬方面へ向かう。三週間ぶりになるが、晴天ではなくやや雲多めの天気予報に期待やイメージが高まる。まずは三週間前と同様、相馬市岩子字長谷地の岩子漁港から撮影を始める。

雲は水平線上にありこの状態だと朝焼けは期待できない。従って朝焼けを目的とせず、日の出一時間前から撮影を始めた。下画像は文字島周辺。岩子漁港での撮影を終え移動中に撮ったものだが、この時間になると潟湖ながら風があって結構波立っている。


The Sheltering Sky」~ F8・SS110.4・ISO200 ~


肉眼ではまだ真っ暗な状況。よってピントは船舶と同等と思われる距離の街灯に合わせる。奥の赤い光跡は外洋との境になる大洲海岸を行き交う車のライトであり、この光りが見えなくなるタイミングを露光時間とした。凡そ二分の露光中、船のブレは最小で収まったが、以前も記したように松川浦は潟湖、且つ岩子漁港は奥に位置し堤防に囲まれている。由って風が吹かなければ穏やかな水面であり、それが長露光撮影を行う際の利点でもある。タイトルに関しては各々のイメージにお任せする。


この日も釣り船などの出港はなく、終始静かなるこの空間を独り占めだった。撮影することが一番の目的となるが、只見線の撮影も然り朝一番の空気を胸一杯に吸い込み、生まれたての景色の中に立つことも大きな目的かも知れない。

続いて岩子漁港から近い相馬市岩子字大迫の宇多川へ向かう。ご覧のように水平線上の雲は更に壁のようになる。この状態では東雲色の空は望めず、そのイメージは払拭する。


三週間前に訪れた際、簗場の関係者に話しを聞いた。その時は前日に一匹が遡ってきたようだが、楢葉町の木戸川も同じ状況のようだ。その理由は3.11の震災以降、人工孵化放流が行われていないからだが、自然・生体に関連する復興はまだまだその途中にある。尚、簗場は12月の中旬に撤去するとのことだったがこの時点ではまだだった。


訪ふこともない私の心は閑寂だ」~ F10・SS10・ISO100・ND100 ~


風により川面が荒れND100を使用。その効果で大きな波紋のみが残る内容となった。10秒の露光中、船などにブレが生じるため数枚撮って適格な画像を選択した。撮影中は犬の散歩をする老父が一人歩くのみで、そんな静かな景観の中で何かを訪ふ(とぶらう)こともなく、坦々とシャッターを切っていた。


太陽は登り相馬市を後にし海沿いの各県道を南下する。昨年末、そして今年初めに撮影した場所を周るが、雲の状態が芳しくなくupする画像は撮れなかった。

この画像は南相馬市鹿島区南海老字竹ノ内前、万葉の里風力発電所。上空の雲は良いのだが、太陽下の厚雲は頂けない。暫く様子を見ていたが、次から次と地平線上に雲が湧き根負けする。

此方は請戸漁港の北側になる双葉郡浪江町大字棚塩字下浜田。当初は引いた画角で空を撮り込むが矢張り雲の状態が宜しくなく、それではと画像のように寄ってみても面白くない。更には撮影時からモノクロを選択してみてもピンと来ない。

これは南相馬市小高区角部内字谷地、村上第二排水機場の白鳥飛来地。撮る予定は無かったが、撮影中の方とちょっと世間話しをする。地元の方との話しは色々な情報を耳に出来るので有り難い。他にも色々と見て周り、夕刻からはいわき市で撮影を再開する。

当日の日の入りは16:19、それを待っていわき市岩間町台から岩間海岸を望む。満月の前日なので潮位が高いのではと期待したが、思ったようには行かなかった。


Olas Brillantes」~ F10・SS1/8000・ISO100 ~


日の入り前後に押し寄せる波の表情を撮る。結果的に日の入り前に高速SSで撮った画像を選択した。高速SSで撮った理由は日が当たる波間の白トビ防止、且つ暗めも露出による明暗差の表現といったところだ。ファインダー越しにサーファーを探すがこの日は見当たらず、代わりに釣り人を一人発見したがこの露出には相応しくなく撮り込まなかった。


「夜がそろりと降りてくる」~ F10・SS52.4・ISO125 ~


日没後は同じ場所から工場夜景撮影を行う。以前も記したが此処は高台の細い道であり、住民の車が往来する。つまり三脚を立てると往来不可となり、その度に三脚を仕舞うようになる。併し今回は往来の邪魔にならないスペースを見付けたが、定番の縦構図には相応しくない。


赤いテールランプの光跡がイメージに叶うのだが、一台では光量が少なく二~三台が連なっての通過を待つ。当然その間に対向車もやって来てなかなか思うように行かず、次こそはと時間ばかりが経過する。そして要約upした画像が撮れた次第だが、高台の冷風の中で身体がこわばみ腰が痛み出す。撮影終了は18:00頃、今迄ならまだまだこれから海沿いで長露光撮影となるところだが、昔と違ってそんな体力も気力も失せている。


尚、画像左側の建屋とライトアップされた煙突は常磐共同火力勿来発電所、右側は勿来IGCCパワーになる。勿来IGCCパワーは確か2021年からの操業だったと思うが、それ以前は3.11の津波被害によりこの一帯は寂しい景観が広がっていた。


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