岩瀬郡天栄村 御鍋神社

岩瀬郡天栄村の二岐山に端を発っし、湯本字下二俣の二岐温泉へ流れる二岐川沿いには二岐大滝や御鍋神社・御鍋小滝がある。その御鍋神社は鍋を御神体とした全国でも珍しい神社であり、以下は「Hatoriko.JP」より引用。


・・・時は平安時代中期、平将門が戦いに敗れ、密かに逃れて来たその妻桔梗姫と一族がこの地に隠れ住んでいたという言い伝えがあります。桔梗姫は後に将門の息子平九郎(家臣との説もあり)を出産しますが、前途を悲観して自害してしまいます。残された一族は再起を祈願し、朝延から賜った鍋(鼎)を御神体にして神社を祭りました。それが御鍋神社の起源です。境内には、神社を見守るかのように樹齢500年の二本のヒバ(県緑の文化財指定)が空をさえぎり、鳥居の役目をしています・・・


祭神は平将門、妻ではなく通説では愛妾である桔梗姫、そして子供と云われる永井平九郎の三人。併しながらこの桔梗については千差万別の言い伝えがあり、将門の弱点を相対する藤原秀郷に教えてしまったとも云われている。


教えたことについては脅された、うっかり喋ったという説や、内応者として将門の側室になったという説があり、更に御鍋神社の言い伝えでは自害となっているが、裏切りを知った将門に首を切られた、茨城県北相馬郡藤代町、現取手市の旭御殿で将門の死を知って入水した、協力した秀郷に口封じのため殺害されたなどなど、平九郎の存在も含め真偽の程は定かじゃない。


現在、将門を祀る神田明神の明神祭では桔梗紋の家は参加が禁止され、将門を信仰する人々からは桔梗の花、柄、色などなどが忌み嫌われている。余談だが昭和51年のNHK大河ドラマ「風と雲と虹と」では森昌子が桔梗を演じており、今まで述べきた事柄と正反対の姿で描かれる。


さて撮影で二岐大滝や御鍋小滝に度々訪れており、特に御鍋小滝周辺の水質は手にすくってそのまま飲めるような美しさを保っている。

赤丸部 二岐温泉、黄丸部 二岐大滝、青丸部 御鍋神社。二岐温泉から御鍋小滝は5km程の細い山路となり、車での通行も取り敢えずは可能。

御鍋神社由緒。車を置いて此処まで凡そ200mほど歩くが、いつも同じ場所で青大将がお出迎えしてくれる。周囲は人里離れた原生林となり、この先は熊の居住地。

社前の二本のヒバは原生林の中でも特に目立ち、御神木として信仰されているようだ。そういえば此処はパワースポットと聴いたことがあるような‥。

他の言い伝えでは、合戦に敗れた将門の一党がこの地で再起を夢み、野戦用の鍋を御神体として祀ったとも云われるが、先の桔梗姫同様、イギリスの歴史学者E.H.カーが述べるように「歴史とは現在と過去との尽きることを知らぬ対話」の格言通り、歴史の探求とは一向に尽きることがない‥とか言いつつ、この鍋はどうみても鍋じゃなく釜だと思うのは私だけだろうか。


御鍋小滝、二岐大滝は動画で‥。