川霧に包まれる夏朝の只見線・・・午前の部

M.Hermitage

01日(土)、雨が降り続いた一週間だった。県内各地では警報や注意報が発令され、特に磐越西線では盛り土の崩壊により一部区間がいまも不通となっている。また只見線でも運転見合わせや遅延が生じた。そして気温は低めで毛布を必要とする夜が続いている。


さてその雨で水温が下がるのか、只見川では連日川霧が大発生しているらしい。「川霧(かわむ)追う私の夏は朝早い」ということで、この日も未明から出掛ける。尚、今回の撮影記は午前と午後の二部構成となる。

只見川沿いの国道252号線では、所々で視界不良になるほど川霧が立ち、柳津町の円蔵寺橋から全域に渡りモクモクと広がっていた。金山町まで車を進めて様子を眺めると、俯瞰ポイントからの撮影は難しく、大沼郡三島町大字宮下、県道237号側からの第三只見川橋梁へ向かう。


第三橋梁付近は霧が立ち難い場所だが、先週に続きこの日もホワイトアウトを繰り返すような濃さで立ち上がっていた。車両は05:54通過の上り422D。刻々と変わる霧に、フレーミングがなかなか定まらなかった。

再び金山へ向かい様子を眺めると、山霧が流れ、山々の姿が少しずつ見え始めていた。その景観に、俯瞰ポイントでの撮影を予定するものの、次便まで時間がある為、先週と同じく大沼郡金山町大字川口字中山のかねやまふれあい広場から大志集落を撮ってみることにした。


私雨之景 #1」~ F10・SS1/200・ISO200 ~


私雨之景 #2」~ F10・SS1/250・ISO200 ~


霧が濃く集落はなかなか姿を見せなかったが、数分待っていると少しずつ浮かび上がってきた。先週の撮影記では、集落が完全に覆われる姿はあまり好みではないと記したが、それならそれで、#1では背景を大胆に取り込んでみた。


#2では、集落が姿を現し寄った構図とした。私的に大志集落と川霧には定まった構成というものがない。それは霧の状態によってまったく変わってしまうからだが、撮り始めると時間の経過を忘れてしまい、次便の撮影が迫りこの場を後にした。

向かったのは、大沼郡金山町大字水沼字沢東からの第四只見川橋梁。久しぶりに山霧が流れず、川霧だけで形成された景観だった。この画像は07:16通過の上り424D。川霧は立ち方によって光を遮ることがあり、橋梁や列車が暗くなってしまう。そのあたりに注意し、約40分後の次便を待つことにした。


」~ F10・SS1/160・ISO250 ~


車両は07:56通過の下り423D。いつものことだが、霧は生き物のように姿を変え、「今この時に通過してくれ」と願わずにはいられない景観が何度もあった。画像の右奥には会津水沼駅があり、駅を発するジーゼル音が聞こえ始めると同時に、その右手から霧が流れ込んできた。


このままではホワイトアウトかと気を揉み、そして諦めかけたが、橋梁通過には何とか間に合った。とは云え↓動画でご覧頂けるように、ほぼ霧に隠れており、コントラストや明度の調整を行っている。先の424Dもそうだが、曇り空のため思う以上に暗く、ファインダー内では霧越しの列車通過が視認し辛い状況だった。


こうして見ると彩度感はなく、川面も川霧に隠れ、まるで雲が広がる山頂を走る鉄道のようであり、タイトルは一文字で「翔」としてみた。


午前中の最後は大沼郡三島町大字名入からの第二只見川橋梁へ向かう。先述したようのこの日は曇り空が続く。07時台の列車を撮り終える頃、太陽が現れれば霧はあっという間に消えてしまうのだが、画像のように川面を覆っており、それは山霧ではない真の川霧の姿だった。


山繁リ何レニ行クヤ夏ノ日ヨ」~ F10・SS1/160・ISO200 ~


車両は09:05通過の下り425D。川霧は山の斜面を駆け上りたそうに蠢くが、この時間になれば、矢張りその勢いは弱くなってきたようだ。言い換えれば、ホワイトアウトの心配はなく、気を揉むことも無さそうである。


橋梁を撮る際、列車の前後が補剛材と同じラインに並ばないよう気を付けている。理由は縦ラインに並んでしまうと、動きが止まって見えてしまうからだ。因みに奥に見えるのは、「道の駅 尾瀬街道みしま宿」から見下ろせる歳時記橋。この橋からも第二橋梁を撮れるが、そう云えば暫くそこには立っていない。


此方は09:16通過の上り426D。二者選択の予定で425Dと同じ画角で撮った。キハE120のカラフルな国鉄色を連結した車両も良いのだが、霧の形状などを踏まえ、今回は425Dの方を選んだ。それにしても、いつもの天候なら見送っていた時間帯の列車が撮れたことを思うと、返す返す今日の空模様に感謝したくなる。


撮影を終え山を下りながら午後の予定を考える。おそらく川霧は消えずとも、かなり薄くなるだろうと判断し、いつものルーティンである横田方面へ向かうことにした。山の静けさが背中に残りつつ、次の景観がどのように迎えてくれるのか、僅かな期待を抱きながら車を進める。


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