春の宴

窓越しに散る行く夜桜
帯を解く君の素肌に舞い降りる


君の乳房に触れ
いつしかその白き肌
仄かな桜色に染まる


夢の如く儚い時の流れの中で
君の阿吽の溜息が
我が肉体を復辟の艀へと誘う


朝を迎え
輩の世に再び下落する折り
君は振り向き花ひら手に拾う


暖かき南風が悪戯に吹き抜け
注ぐ陽光に罪深きふたつの陰は
薄倖の印とし溶け始め行く