夏の摩天楼

轟然の地表の角度は傾き
灼熱の摩天楼に舞台は巡る
歩む速度は劣り胸は苦しさに潰され 
流れる汗に息も果てる骨と皮の物体よ


それでも太陽は容赦をしない


そう・・・神は時折り過酷な試練を告げ
露台のてっぺんで高笑いを繰り返す


それでも不朽の物体は生きる
臭い息を吐き八つ裂きにされた臓物を腹に押し込め生きる


輝く黄金色の波をこの大地に甦らせる為に
君の未来へと続く受精を促す為に


夜来の影に山を登り夜郎自大の川をせき止め
骨と皮の物体は風を呼ぶ
楕円の表層の薫る土を握りしめ邑楽かな風を呼ぶ
来る照覧の式典に永遠の弥栄を風は呼ぶ